医学のあゆみ
Volume 278, Issue 10, 2021
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【9月第1土曜特集】 パーキンソン病を解剖する─過去,現在,そして未来へ
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- 総論
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パーキンソン病の歴史
278巻10号(2021);View Description Hide DescriptionJames Parkinson がロンドン下町の診療所および近くの街角で観察した6 人の患者を今まで知られていない疾患と考え,同僚の医師達に知ってもらいたく1817 年に出版した小冊子が,今日われわれが取り扱うパーキンソン病(PD)の原型である.現在,神経変性疾患では最もよく診られる疾患であり,高齢化社会の到来とともにさらにその有病率も増加しているものの,いまだにその確かな成因も不明であり,治療も慢性期には難渋する病としてきわだっている.かかる疾患の過去を十分に認識することで,本疾患の現在および未来の実りある医療を確立したいものである. -
パーキンソン病の病理─過去,現在,未来
278巻10号(2021);View Description Hide Description1817 年にJames Parkinson が『An Essay on the Shaking Palsy』を世に出してからすでに200 年以上が経過している(図1).Shaking Palsy 刊行から約100 年後にパーキンソン病(PD)患者の黒質にレビー小体を認めることが,さらにその60 年後に皮質型レビー小体が発見され,原因物質として1997 年にα-シヌクレインが同定された.その後,レビー病理(LP)は脳内で進展する(Braak ステージ)ことが示され,2008 年には胎児細胞移植が行われた患者の剖検脳解析で移植した細胞にα-シヌクレイン凝集を認めた.現在では,PD は全身にレビー病理を認める疾患として認知され,異常化したα-シヌクレインの伝播を阻止すべく試みが多方面からされている.本稿では,PD 病理の歴史を概説する. - 診断・症状
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パーキンソン病の臨床診断基準─種類とその精度(鑑別診断も含む)
278巻10号(2021);View Description Hide Descriptionパーキンソン病(PD)の臨床診断基準として,英国パーキンソン病協会ブレインバンク(UKPDSBB)の臨床診断クライテリアが長く世界標準であった.しかし策定から時間が経ち,近年のエビデンスと整合性がとれない事象も認められるようになり問題となっていた.The International Parkinson and Movement DisorderSociety(MDS)はこうした事実に鑑み,2014 年に診断基準の見直しを提案した.2015 年に新たに公表された臨床診断基準は現在の標準的臨床診断基準として広く世界で利用され,過去から現在へのたすきは確実につながれた.MDS は同時に,運動症状発症前状態であるPD,すなわちprodromal PD に対するリサーチクライテリアも公表し,将来期待される疾患修飾薬の開発に向けて準備をはじめた.バイオマーカー研究などは現在も開発の途中にあるため,臨床診断基準もまた改訂が必然である.臨床診断基準はその枠を拡大しながら,未来へつなぐたすきを準備している. -
パーキンソン病の運動症状
278巻10号(2021);View Description Hide Description『An Essay on the Shaking Palsy』の発表以後,運動症状はパーキンソン病(PD)の診断と治療の中核である.近年,Movement Disorder Society-Unified Parkinson’s Disease Rating Scale(MDS-UPDRS)において振戦,運動緩慢,筋強剛,姿勢保持障害,前傾姿勢,すくみ足の定義が明確化された.これまでの研究から,運動症状の発現に黒質神経細胞脱落と線条体のドパミン低下が関与することは間違いない.しかし,レボドパは運動症状を改善しても健常レベルまでは回復できず,レボドパ抵抗性の症状も少なくない.近年の研究の進歩は運動野,連合野,小脳などの運動症状への関与を明らかにし,運動症状の子細な分類も可能とした.人工知能(AI)とデジタルヘルステクノロジーを組み合わせた運動症状の客観的測定法開発もめざましい.新機軸で運動症状を“解剖”する時代に突入している. -
パーキンソン病の非運動症状
278巻10号(2021);View Description Hide Descriptionパーキンソン病(PD)では寡動,安静時振戦,筋強剛などの運動症状(パーキンソニズム)に加えて嗅覚障害,自律神経障害,睡眠障害,気分障害,認知機能障害および精神症状など,さまざまな非運動症状を認める1).非運動症状の一部は運動症状の出現以前から認められ,進行とともに新たな非運動症状が加わってくるため,臨床像は非常に多彩である.非運動症状は時に運動症状以上に患者のQOL に影響し,予後予測の指標にもなりうることから臨床的にも重要な症候となっている.本稿では,PD の代表的な非運動症状について主に時間的観点から整理し,最新の知見も加えて解説したい. -
パーキンソン病の病態生理─大脳基底核の役割
278巻10号(2021);View Description Hide Descriptionパーキンソン病(PD)では中脳黒質緻密部(SNc)のメラニン含有ドパミン作動性ニューロンが進行性に変性・脱落するためドパミン欠乏に陥り,そのため大脳基底核が機能不全を起こすことで,さまざまな症状が出現すると考えられている.どのような機能不全を起こしているのかについて多くのモデルが提唱されている.本稿では,古典的かつ代表的なモデルである発射頻度仮説を中心に解説するとともに,最近注目されている発射パターン説についても概説する. -
パーキンソン病の眼球運動
278巻10号(2021);View Description Hide Descriptionヒトが物を見るときにはサッカードとよばれるすばやい眼球運動を繰り返しているが,パーキンソン病(PD)では基底核の障害によって中脳の上丘への過剰な抑制がかかり,サッカードの振幅や速度の低下をきたす.これにより物を注視する際の眼球運動が妨げられ,狭い範囲しか見渡せなくなる.PD の眼球運動障害は単純な図形を見る際のサッカードに対して強く表れる一方,複雑な図形を見る際のサッカードに対しては異常が表れにくい.これは,複雑な図形を見る際のサッカードは図形内の目印によって視線が誘導されるため反射的な眼球運動が主体となり,そこには基底核の関与が小さいということを反映しているものと考えられる.このように,目印の豊富な状況では運動障害が軽くなるという眼球運動障害の特徴は,PD の歩行障害などで知られている矛盾運動(kinésie paradoxale)と類似した現象と捉えることができる. - 基礎研究の進展
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α-シヌクレイン細胞間伝播―メカニズムから新規治療へ
278巻10号(2021);View Description Hide Descriptionパーキンソン病(PD)をはじめとするシヌクレイノパチーにおいては,異常凝集したα-シヌクレイン(α-syn)が病態の主役を演じていると推定されている.病理学的解析や細胞・動物モデルを用いた研究から,一部のα-syn は細胞間を伝播し隣接する神経組織へと病変を拡大させる可能性が指摘されている.細胞レベルでのα-syn 細胞間伝播には,エンドサイトーシス,エクソサイトーシス,extracellular vesicles(EV),ナノチューブトンネルなど複数の機構の関与が推定されている.なかでも,病的意義の高い線維化α-syn の細胞内取り込みにはエンドサイトーシスが重要な役割を担っており,細胞表面の複数の受容体分子がこれに関与することが推定されている.α-syn 細胞間伝播の詳細な分子メカニズム探求により,シヌクレイノパチーの新たな疾患修飾療法への道が開かれることが期待される. -
パーキンソン病の分子遺伝学─家族性パーキンソン病
278巻10号(2021);View Description Hide Descriptionパーキンソン病(PD)はそのほとんどが孤発性発症であるが,5~10%の患者は家族内発症者を認めるといわれている.このような家族性PD の多くはメンデル遺伝性と考えられ,単一遺伝子変異によって発症に至ると考えられる.したがって,家族性PD 家系の原因遺伝子を分子遺伝学的手法によって単離することでPD発症に関わる遺伝子の情報を得ることができる.これまでの知見から,家族性PD の研究から発見された遺伝子はまれなPD の1 病型を説明するのみならず,一般的な孤発性PD の病態に関与し,その理解に大きく貢献してきた.本稿では家族性PD の過去,現在,未来について分子遺伝学がどのように貢献してきたか解説した. -
孤発性パーキンソン病のゲノム背景
278巻10号(2021);View Description Hide Descriptionパーキンソン病(PD)症例の95%は孤発性発症であるが,5%は家族性(その一部はメンデル遺伝性)に発症する.PD 多発家系の連鎖解析などからメンデル遺伝性PD 原因遺伝子が明らかにされ,ミトコンドリア障害,細胞内輸送やタンパク分解異常からドパミン細胞死に至る経路の重要性が示された1).一方で,ゲノム科学の進展にともなって,孤発性に発症する多因子疾患の疾患リスク遺伝子の探索が実現可能となった.PD においては,患者の大多数を占める孤発性PD は多因子疾患であると考えられ,孤発性PD の疾患リスク遺伝子の発見を目指した研究が行われている.筆者らは孤発性PD の大規模なゲノムワイド関連解析(GWAS)を行い,α-synuclein,LRRK2,PARK16,BST1 遺伝子座をPD リスク遺伝子座として発見した2).さらに,GWAS を合算し解析するメタGWAS 解析も進んでいる.またGaucher 病遺伝子もPD 発症に関与するまれな多型(rare variant)として注目されている.本稿ではこれらのデータを中心に,PD の発症リスク遺伝子について概説する. -
パーキンソン病の診断バイオマーカー
278巻10号(2021);View Description Hide Descriptionパーキンソン病(PD)の客観的な診断バイオマーカーは,日常診療のみならず,今後の疾患修飾療法を実現するうえでも強く求められている.PD の体液バイオマーカーについては,これまでの研究において比較的再現性をもって有用性が検証された分子として,髄液中α-シヌクレイン(α-syn)関連分子種,リソソーム酵素,炎症関連マーカー,アルツハイマー病(AD)関連マーカー,神経線維軽鎖(NfL)があげられる.これらの体液バイオマーカーは,PD の病態発現過程における異なった分子機構を反映するので相互補完的に機能すること,および現時点では,単独でPD 診断に用いることができるような高精度のバイオマーカーが存在しないこともあって,組み合わせることでPD の診断における有用性が高まる.また,上記のような病態発現機序に関連する個々の候補分子群に着目する開発研究とは対照的に,近年では特定の組織・体液などに存在するタンパク分子・転写産物・代謝産物を,バイアスを排した網羅的なオミックス解析を行うことによってバイオマーカー候補分子を同定する研究手法も成果を上げつつある. -
基礎研究のためのパーキンソン病モデル
278巻10号(2021);View Description Hide Descriptionパーキンソン病(PD)の病理学的研究から発見されたレビー小体は,本疾患の病態機序を考えるうえでの大きなヒントである.最初のPD 原因遺伝子産物α-シヌクレインがレビー小体の構成成分であることが判明して以降,PD の病態機序についての分子生物学的な研究がはじまったといえる.続いて発見された若年性PD原因遺伝子Parkin の報告から20 年を超え,多彩な原因遺伝子・リスク遺伝子が見つかり,モデル生物を用いた基礎研究はPD の概念を覆す大発見に貢献してきた.たとえば,最初にα-シヌクレインの伝搬を実験的に証明したのは,培養細胞とマウスモデルである.PINK1 がParkin によるミトコンドリア品質管理の上位因子であることを遺伝学的に明らかにしたのは,ショウジョウバエ分子遺伝学による貢献が大きい.また,1980 年代に合成麻薬の副産物として偶然見つかった神経毒MPTP(1-methyl-4-phenyl-1,2,3,6-tetrahydropyridine)は,PD モデル動物作製と神経病態機序の理解に貢献している.本稿では,これからPD 原因遺伝子の基礎研究をはじめる研究者に向けて,遺伝性PD モデル生物とその特徴を紹介する. - 薬物治療
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パーキンソン病薬物治療の変遷
278巻10号(2021);View Description Hide Descriptionパーキンソン病(PD)の根拠に基づいた治療は1967~1969 年において,Cotzias らのドパミン補充療法としてのレボドパの大量投与療法により確立したが,この治療による運動合併症の克服はいまだできていない.持続的ドパミン配送(CDD)はこれらを解決する方法の概念であるが,内服治療薬では実現していない.装置治療であるレボドパ・カルビドパ腸溶性ゲル持続投与はCDD を実現したが,より負担の少ない治療薬・方法の開発が続いているので,今後に期待が可能である.また,ドパミン補充療法に反応しない症状に対しては薬物治療ではいまだ克服できていない. -
新しいパーキンソン病治療薬の登場とその適応─MAO-B阻害薬,COMT阻害薬
278巻10号(2021);View Description Hide Description本稿では,わが国で2018~2020 年に処方可能となった3 種の薬剤(MAO-B 阻害薬:ラサギリン,サフィナミド,COMT 阻害薬:オピカポン)を中心に,それぞれの薬理作用・臨床的特徴を中心にまとめる.レボドパ製剤の臨床応用は1967 年にはじまり,以降,数々のドパミン受容体作動薬の上市とともに,第一世代MAO-B 阻害薬セレギリンが1999 年に,初のCOMT 阻害薬としてエンタカポンが2006 年にわが国で使用可能となった.セレギリン・ラサギリンは単剤での運動症状改善効果が認められるため,レボドパ非併用でも使用可能であるが,サフィナミドは現時点ではレボドパ併用が処方条件とされている.2020 年より利用可能となったオピカポンは1 日1 回投与製剤であり,多剤内服を余儀なくされる進行期PD 患者の内服錠剤数抑制に貢献できると期待される. -
ドパミン受容体作動薬貼付製剤を用いたContinuous Drug Delivery(CDD)
278巻10号(2021);View Description Hide Descriptionパーキンソン病(PD)治療ではレボドパ(LD)は非常に有用な薬剤ではあるが,長期の使用による運動合併症の発現が問題とされてきた.原因として短い半減期による線条体ドパミン受容体のパルス状刺激が指摘されており,持続したドパミン受容体の刺激が運動合併症の発現を遅らせることが示唆されてきた(continuousdopaminergic stimulation:CDS).このCDS の実現をはかるためは,いかに薬剤を持続して中枢神経系まで到達させるか(continuous drug delivery:CDD)が有効な治療戦略になりうると考えられている.その対応としてドパミン受容体作動薬(DA)は徐放化製剤へ,さらには貼付製剤へと進化してきた.このDA 貼付剤はCDD を実現できる非常に期待される薬剤である.しかも,CDD により単に運動合併症発現を遅らせることに関するだけでなく,夜間症状改善や衝動制御障害発現低下などへの期待もあるが,いくつかの懸念も存在する. - 新たな治療法
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Device aided therapy の適応とその種類
278巻10号(2021);View Description Hide Description進行性の変性疾患であるパーキンソン病(PD)は現時点において,疾患の抑制あるいは完治させるような治療法は発見されていない.1960 年にPD の病態がドパミンの欠乏であることが報告されて以来1),現在までPD に対する治療の中心はレボドパ製剤をはじめとした内服治療である.しかし,近年では進行期となり内服での治療が困難な状況となった患者に対して機器を用いた治療法(DAT)が導入される機会が多くなった.DAT の代表にはレボドパの発見前に行われていた定位機能外科手術を踏襲した脳深部刺激療法(DBS)と,胃瘻からゲル状となったレボドパ製剤を持続的に注入するレボドパ/カルビドパ持続経腸療法(LCIG)があげられる(表1).DAT を受けた患者は脳神経外科の医師のみならず,精神科医やリハビリテーション医,看護師やセラピストを含めた包括的な医療が基幹病院から地域医療を通して必要となる.また,患者の生活の質(QOL)を保つためにはDAT と薬物治療を上手に組み合わせて治療を継続していく必要がある.DBS ではデバイスの改良が進むことにより病態生理に即した刺激が可能となり,運動障害性疾患以外への適応へ広がるものと考えられる. -
パーキンソン病における運動療法の有効性
278巻10号(2021);View Description Hide Descriptionパーキンソン病(PD)において,薬物および外科療法の補助的手段として運動療法は必要な治療である.近年,無作為割付比較試験などで運動療法がPD の運動緩慢や歩行障害などの運動症状および精神症状,睡眠障害などの非運動症状を改善する報告が蓄積されている.運動療法は病院で行う多職種リハビリテーションに加え,歩行訓練,太極拳,ダンスなどさまざまである.運動療法がPD 症状を緩和する機序について,PD動物モデル実験などから神経栄養因子,ミトコンドリア機能改善,α-シヌクレイン凝集抑制などの機序が提唱されている.運動療法をPD 早期から行うことで,PD 治療薬の服用量が抑制できるエビデンスも示されはじめており,運動療法は疾患修飾療法としても期待される. -
パーキンソン病における疾患修飾療法の可能性
278巻10号(2021);View Description Hide Descriptionパーキンソン病(PD)は黒質ドパミン神経細胞が比較的選択的に脱落することで,運動機能障害が前景となる神経変性疾患である.レビー小体が本疾患の特異的な病理学的マーカーとして確立されているが,この凝集体の主な構成タンパクはα-シヌクレイン(α-syn)である.すなわち,α-syn の凝集により引き起こされる神経毒性が本疾患の病態の鍵になっていると考えられる.α-syn はα-ヘリックス構造をもつ両親媒性のタンパクであり,膜脂質に弱く結合し,細胞質ではダイナミックに動くため特定の構造はとらない.一度,βシート構造をもつ異常構造体へ変換すると,正常な構造をもつα-syn を異常構造へ変換し凝集の連鎖が生じる.また,この凝集傾向のあるα-syn は神経細胞間を伝って広がることが知られており,プリオンタンパク質のような性質をもつことが明らかになっている.さらにα-syn の凝集は膜輸送を障害し,ミトコンドリアやリソソームの機能障害などを引き起こす可能性が考えられている.また,遺伝性PD の原因遺伝子の解析は本疾患の病態を理解するうえで有用であるが,これらの遺伝子がコードするタンパク質はミトコンドリア,脂質代謝,タンパク分解(オートファジー系およびユビキチンプロテアソーム系),酸化ストレスなどの機能をもつ.つまり,これらの機能を正常化する治療が疾患修飾療法につながると考えられる.本稿ではPD の病態から考えられる疾患修飾療法についてまとめる. -
パーキンソン病における細胞移植療法の過去・現在・未来
278巻10号(2021);View Description Hide Descriptionパーキンソン病(PD)における細胞移植がふたたび脚光を浴びているが,その歴史は1980 年代後半の中絶胎児由来中脳(fVM)組織を用いた移植術に遡る.しかし,いくつかの探索的な試験後に行われた2000 年代初頭の二重盲検試験の結果を受けて,細胞移植は停滞期に入ることとなった.その後,幹細胞技術の発展・成熟,iPS 細胞の報告を契機としてふたたび息を吹き返すことになるが,そこではfVM 組織移植術で長年培われた知見が生かされている.また,進行期PD の対症療法のみならず,より発症早期からの移植を通して残存細胞・回路を保護する疾患修飾療法としての新たな役割も期待されている.PD における細胞移植療法の過去・現在・未来について概説する. -
オンライン診療の現状と課題
278巻10号(2021);View Description Hide Descriptionパーキンソン病(PD)は進行性の神経変性疾患であり,専門医による症状のコントロールが必要不可欠であるため,オンライン診療のニーズが以前よりあった.これまで,ランダム化比較試験を含む多くの研究が行われてきたが,新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックによって急激に必要性が高まっている.現在行われているオンライン診療でも患者にとってメリットが大きい一方で,接触を必要とする診察はできないなど限界があり,新たな技術の開発が期待される.
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