Therapeutic Research

Volume 31, Issue 5, 2010
Volumes & issues:
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Symposium
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- 第43回ペーシング治療研究会
- 一般演題I
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- 一般演題II
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6. Capture management機能により急激な閾値変動の際にpacing failureを認めた2例
31巻5号(2010);View Description
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7. J型タインドリードが下大静脈弁遺残に捕捉されるも心房センシング電極として使用可能であった2:1房室ブロックの1例
31巻5号(2010);View Description
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労作時息切れを伴う 2:1 房室ブロックの 69歳,男性に,恒久的ペースメーカー植え込み術を施行した際,心房用の J 型タインドリードが下大静脈弁(Eustachian valve)遺残に捕捉された。リードは強く捕捉されており電極先端を外すことができなかったが,幸い同部で 0.8〜1.1mV の心房電位を記録することができたため,そのまま心房センシング電極として使用してVDD 設定で作動させることとした。タインドリードにはリードの位置移動を防止するフィンがついているため,遺残弁のネット状構造に捕捉されやすいと考えられ,注意が必要である。下大静脈弁遺残が疑われる症例では,スクリューインリードを使用する,またはタインドリードの先端を右房−下大静脈接合部まで進めないようにする,などの対策が挙げられる。 - ポスターセッション
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原著
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2型糖尿病合併本態性高血圧患者に対するロサルタン 50 mg+ハイドロクロロチアジド 12.5 mg投与の有効性と安全性の検討
31巻5号(2010);View Description
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背景:糖尿病合併高血圧患者での降圧治療の第一選択薬としてアンジオテンシン I I 受容体拮抗薬(ARB)の投与が推奨されているが,ARB単剤だけでは十分な降圧効果が得られないことがしばしばみられる。今回われわれは,通常用量の ARB 投与中にもかかわらず降圧目標未達成の 2 型糖尿病合併本態性高血圧患者に対して,ロサルタン 50 mg+ハイドロクロロチアジド(HCTZ)12.5 mg の併用投与に変更した際の効果について検討したので報告する。対象と方法:JSH2009 で示された降圧基準130/80 mmHg を満たしていない,ARB 投与歴のある 2 型糖尿病合併本態性高血圧患者 32 例(男性 17 例,女性 15 例:平均年齢 66.8 歳)を対象とした。血圧,糖代謝マーカーや脂質,尿酸,腎機能,Na,K 値の変化について,ロサルタン 50 mg+HCTZ 12.5 mg の投与前,1,3,6 ヵ月後に測定した。結果:外来随時血圧は投与前が 142.5±7.8/78.4±7.4 mmHg であったものが,投与 1 ヵ月後には 137.2±12.2/75.2±9.2 mmHg,6 ヵ月後には 132.6±9.6/74.9±8.2 mmHg と収縮期血圧は有意に低下した(p<0.01)。また,外来空腹時血糖,HbA1c,血中脂質,尿酸,Na,K 値に有意な変化はみられなかった。結論:ロサルタン 50 mg+HCTZ 12.5 mg の併用療法は,他の ARB から変更後 6 ヵ月の時点において,収縮期血圧最大で−9.9 mmHg と良好な降圧が得られることが確認された。また,利尿薬の投与により,高 K 血症や耐糖能低下,高尿酸血症などの代謝性疾患への影響が懸念されるが,今回の検討ではそれらの明らかな悪化は認められなかった。 -
2型糖尿病合併高血圧例に対するカンデサルタンの1年間の降圧療法が尿中アルブミン排泄量に及ぼす影響
31巻5号(2010);View Description
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当院を受診中の 2 型糖尿病を合併する高血圧外来患者のうち,定期的に微量アルブミン尿を測定しえた 24 例を対象とし,アンジオテンシンI I 受容体拮抗薬(ARB)であるカンデサルタンシレキセチル(カンデサルタン)8 mg/日を 1年間投与した。すでに投与中のカルシウム拮抗薬(CCB)からカンデサルタンへの切り替えが14 例,他の ARB からの切り替えが 8 例,新規追加が 2 例であった。収縮期血圧は投与 3 ヵ月後から有意に低下し,その効果はその後 1 年間持続した。高血圧治療ガイドライン 2009 で推奨されている糖尿病合併高血圧患者における 130/80 mmHg 未満という降圧目標値は非常に厳しく,投与前の達成率は4.2%であったが,3 ヵ月後および 1 年後にはそれぞれ 33.3%まで有意な改善を認めた。尿中アルブミン排泄量は投与 3 ヵ月後および 1 年後には有意な低下を認めた。これらの効果は CCBからカンデサルタンへ切り替えた 14 例においても同様に認められた。肥満または脂質異常を伴うメタボリックシンドローム合併例において,非合併例に比べて,カンデサルタンの降圧効果および尿中アルブミン排泄抑制効果がより顕著に発揮されることが示された。今回の 1 年間の観察によって,2 型糖尿病合併高血圧患者に対するカンデサルタンの腎保護効果が明らかにされたが,今後も継続観察し,さらに長期的な有用性について検証しなければならない。 -
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2型糖尿病合併高コレステロール血症患者におけるアトルバスタチンとロスバスタチンの血清脂質に及ぼす影響の比較検討
31巻5号(2010);View Description
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背景:2 型糖尿病を合併した高コレステロール血症は大血管障害発症の重要な危険因子であり,その治療にはストロングスタチンが用いられることが多い。最も新しいロスバスタチンはLDL コレステロール(LDL−C)のみならず HDLコレステロール(HDL−C)の改善を特徴としているが,ストロングスタチン同士を日本人の患者で直接比較検討した報告は少ない。そこで両薬剤の有効性および安全性を直接比較検討することとした。方法:2 型糖尿病を合併した高コレステロール血症患者に対して,無治療状態からアトルバスタチンとロスバスタチンの常用量を無作為に割り付けて,3 ヵ月投与した後の血清脂質の変化を比較検討した。結果:対象患者はアトルバスタチン 10 mg/日投与群(A 群)41 例,ロスバスタチン 5 mg/日投与群(R 群)35 例で,患者背景には有意な差は認められなかった。LDL−C 値は A 群で162.4±30.0 mg/dL から 93.4±24.2 mg/dL,R 群では 161.5±29.2 mg/dL から 85.5±20.7 mg/dLと,両群とも有意な低下が認められたが(いずれも p<0.01),両群間には有意な差はみられなかった。HDL−C は A 群では 60.2±15.4 mg/dLから 61.7±12.6 mg/dL と若干増加したが有意な変化ではなかった。一方,R 群では 57.7±13.2mg/dL から 63.0±15.5 mg/dL と有意な増加(p<0.01)を示したものの両群間には有意差を認めなかった。臨床検査値は R 群で ALT,ASTの有意な増加を示したがいずれも正常範囲内であり,特に問題はないと考えられた。結論:アトルバスタチン 10 mg/日とロスバスタチン 5 mg/日の血清脂質に対する影響は,両群間で有意な差は認められず,ほぼ同程度の効果を有すると考えられた。 -
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Effect of eicosapentaenoic acid on malondialdehyde-modified low-density lipoprotein in statin-treated patients with coronary artery disease
31巻5号(2010);View Description
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Background:The Japan EPA Lipid Intervention Study(JELIS)demonstrated the efficacy of eicosapentaenoic acid(EPA)in preventing major coronary events in hypercholesterolemic patients undergoing statin treatment. We examined the effect of EPA on the serum concentration of malondialdehyde−modified low−density lipoprotein(MDA−LDL), a major component of oxidized LDL, in statin−treated patients with coronary artery disease (CAD). Methods:The study participants consisted of 23 CAD patients(15 men, 8 women; mean age, 72±8 years)undergoing statin treatment with serum LDL cholesterol levels over 100 mg/dL. All patients received 1800 mg of EPA daily for 3 months. The serum levels of MDA−LDL and LDL−cholesterol were measured before and after the EPA treatment. Results:There was a significant decrease in MDA−LDL levels from 98±34 U/L at baseline to 74±22 U/L after the EPA treatment. The LDL−cholesterol levels showed a small decrease from 123±27 mg/dL to 114±31 mg/dL, which was not significant. The reduction in the MDA−LDL levels(22±17%)was significantly greater than that in the LDL−cholesterol levels(7±19%). Conclusion:EPA treatment significantly decreased serum concentrations of MDALDL in statin−treated patients with CAD. The antioxidative effects of EPA may have contributed, in part, to the prevention of major coronary events demonstrated in the JELIS. -
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症例
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発症2日後にアルガトロバン高用量療法を施行し完治した脳塞栓症の1例
31巻5号(2010);View Description
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CT で脳出血を否定した脳卒中の症例にアルガトロバン高用量療法を行い,有効例が多く責任血管が開通するなどの著効例も存在したことを報告した1)。今回,発症 54 時間後にアルガトロバン高用量療法を施行し,完治した右前大脳動脈塞栓症の 1 例を経験し,2 日以上経過しても出血なく閉塞血管が再開通する例があることを報告し,アルガトロバン高用量療法が delayed treatment において最善の治療法であろうことにも言及した。 -
Successful treatment of severe hypothyroidism enabled a chronic renal failure patient to discontinue hemodialysis
31巻5号(2010);View Description
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The patient was a 91−year−old man who had been treated for atrial fibrillation, hypertension etc., at the outpatient clinic of our hospital. BUN and creatinine levels were around 20 mg/dL and 1.0 mg/dL, respectively. Edema was noted in January 2009 and renal function worsened, and the patient was referred to our department with a BUN level of 150.1 mg/dL and a serum creatinine level of 8.78 mg/dL in early April 2009. Urinalysis was negative for protein and occult blood and mild renal atrophy was noted on CT, suggesting progression of chronic renal failure resulting from nephrosclerosis. Dialysis was started and an examination for the cause of the disease progression showed a TSH of 152.6μU/mL,FT3 of 1.08 pg/mL, and FT4 of <0.05 ng/dL. In addition, based on anti−Tg−Ab(−), anti−TPO−Ab of 0.7 U/mL, and ultrasonic findings, the patient was diagnosed with hypothyroidism secondary to chronic thyroiditis. Levothyroxine therapy was started and renal function improved, and the patient withdrew from dialysis in late April. Subsequent renal function has been maintained. The patient is being managed at our outpatient clinic with a BUN level of 40.0 mg/dL and a creatinine level of 1.7 mg/dL.
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