Therapeutic Research
Volume 33, Issue 4, 2012
Volumes & issues:
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ROUNDTABLE
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高齢者糖尿病の治療戦略–Diabetes & Cognitive dysfunction–
33巻4号(2012);View Description Hide Description近年,大きく注目されている糖尿病と認知機能障害。なぜ,糖尿病で認知機能障害が進行するのか。認知機能障害が及ぼす糖尿病治療への悪影響は何か。そして,認知機能を維持する,あるいは,認知機能低下例に対する最善の糖尿病治療は何か。これらをテーマに各専門医が意見を交わした。 -
脳・心血管系イベントを抑制するためのNew Diabetes Strategy
33巻4号(2012);View Description Hide Description糖尿病患者の心血管系イベント抑制が認められたPROactive と,認められなかったACCORD,ADVANCEとの違いは何に起因するのか。そこで明らかになった理由を基に,最近登場したDPP–4阻害薬を含め,脳・心血管系イベントを抑制するための糖尿病治療,さらには認知機能維持・改善を目指した高齢者糖尿病治療について意見を交わした。
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Symposium:第24回ニコランジル研究会
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- 基礎の部
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- 臨床の部
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1.The Effect of Intra-coronary Nicorandil Administration prior to Reperfusion in Acute ST Segment Elevation Myocardial Infarction
33巻4号(2012);View Description Hide Description -
2.急性心筋梗塞の経皮的冠動脈インターベンション時における高用量ニコランジル投与と従来投与量の効果の比較検討
33巻4号(2012);View Description Hide Description -
3.高用量ニコランジルの単回静脈内投与は急性心筋梗塞再灌流後の冠微小循環障害を改善する―Index of Microcirculatory Resistance(IMR)による冠微小循環障害の評価―
33巻4号(2012);View Description Hide Description -
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原著
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糖尿病合併高血圧患者において,オルメサルタンとアゼルニジピンの併用症例からオルメサルタン/アゼルニジピン配合錠への切替えが,血圧と腎機能および服薬アドヒアランスに及ぼす影響
33巻4号(2012);View Description Hide Description降圧薬で国内において最も処方が多いアンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB)とカルシウム拮抗薬(CCB)の配合錠が各種上市された。糖尿病合併高血圧患者において,オルメサルタンメドキソミル(以下オルメサルタン)とアゼルニジピンを併用している患者16 例から,オルメサルタン/ アゼルニジピン配合錠への切替えが,血圧と腎機能および服薬アドヒアランスに及ぼす影響について検討した。収縮期血圧は切替え前145.1±17.6mmHgから切替え後131.1±14.2 mmHg と有意に下降(p <0.001),拡張期血圧も80.2±7.0mmHgから72.4±8.4 mmHg と有意に下降(p < 0.001),尿中アルブミン(Alb/Cr) は644.3±843.8mg/g・Cr から398.3±753.7 mg/g・Cr と有意な減少を認めた(p<0.05)。患者に対するアンケートでは,1週間の飲み忘れが切替え前の段階で1例(6.3%)であった。配合薬への変更後,飲み忘れの患者はいなくなった。配合薬に切替え後,内服薬の種類が減ったと感じた患者は5 例(31.3%),薬代が安くなったと感じた患者は3 例 (18.8%)であった。ARB/CCB配合薬に変更したことで,長期的な効果として,服薬アドヒアランスの改善や医療費を抑制することが期待できると示唆され,高血圧治療を行うにあたり,配合薬は目標血圧を達成させ,臓器保護に大きな役割を果たす要因の一つと考えられる。オルメサルタン/アゼルニジピン配合薬はその期待に答えられる薬剤であることが示唆された。 -
敗血症患者の予後改善と診療報酬に関する PMX-DHP の有用性
33巻4号(2012);View Description Hide Description「診断群分類に基づく 1 日当たり定額報酬算定制度」(DPC)による診療報酬の支払方式において,エンドトキシン除去向け吸着型血液浄化用浄化器(トレミキシン:PMX)を使用した場合の患者の予後と診療報酬額について検証した。対象と方法:2008 年 4 月から 2011 年 3 月に社会保険病院において,敗血症で吸着式血液浄化法(PMX-DHP) と持続緩徐式血液濾過(CHDF)のいずれか,または両方が施行された患者を対象にした。実施された血液浄化法,PMXの使用本数,入院日数,生存率を調査した。DPC方式と出来高方式との診療報酬額の差額,および収支がマイナスとなった(赤字)患者の割合を調べた。結果:対象は 30 の社会保険病院の 379 例で,生存率は 53%であった。血液浄化法別の生存率は,PMX-DHP 単独実施群 71%,CHDF 単独実施群 34%,PMX-DHP と CHDF の併用実施群 45%であった。PMX の使用本数で生存率に差はなかった。入院日数は死亡例では生存例に比べて短かった。診療報酬額では,全症例での収支は赤字ではなく,大多数の症例が黒字の範囲に分布した。生存例に比べて,死亡例では赤字となる症例が多かった。PMX-DHP 実施群でも,大部分の症例が黒字であった。赤字患者の割合は併用実施群で高かったが半数以下であった。考察:PMX-DHP の実施は患者救命率を向上させることが示唆された。DPC 方式による診療報酬額では,PMX-DHP の実施が赤字の要因とはならないと考えられた。したがって,敗血症の病態から適用と判断される患者には PMXDHPを積極的に実施することが,患者の予後にも病院経営にも有用である。 -
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Toremifene Inhibits IGF-1 Stimulated Cell Growth of Breast Cancer by Inhibiting the MAPK Signaling Pathway
33巻4号(2012);View Description Hide DescriptionToremifene(TOR)is a selective estrogen receptor modulator, and it is usually administered to patients with estrogen dependent breast cancer in a daily dose of 40 mg orally. However, when drug therapy, radiotherapy, etc., have become ineffective, TOR is administered to the patients in a daily dose of 120 mg orally. To elucidate the mechanisms of action of the high-dose TOR treatment, we evaluated action of TOR and its metabolites TOR-1, TOR-2, and TOR-4 on the MAPK signaling pathway of IGF-1 stimulated MCF-7 breast cancer cells. The results suggested that TOR and its metabolites suppress the IGF-1 stimulated cell growth of breast cancer by inhibiting phosphorylation of ERK1/2 protein in the MAPK pathway. These findings showed a novel molecular mechanism of high-dose TOR treatment to inhibit the growth of IGF-1 dependent breast cancer, especially emerging in recurrent cancer. -
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