Therapeutic Research
Volume 33, Issue 6, 2012
Volumes & issues:
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OPINION
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今こそこれまでの臨床試験を検証し,信頼しうるエビデンス構築のための方法論を確立させるべき時
33巻6号(2012);View Description Hide Description日本にEBM が導入されて約20 年が経ちました。その間に,エビデンスそのものの問題点,またその評価,実臨床への当てはめについて,いくつかの課題も浮き彫りになってきたのではないかと思います。EBMという概念・手法に限界のようなものがあるのか,あるいは,日本における特殊事情が関連しているのか,循環器系のエビデンスを中心に,ご意見をお願いします。
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ROUNDTABLE
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脳・心血管系イベントの抑制を目指す新しい糖尿病治療
33巻6号(2012);View Description Hide Description医療の進歩により,脳卒中や心筋梗塞による死亡者数は減少したものの,発症患者数は増加し続けている。さまざまな糖尿病治療薬が登場した今だからこそできる,心血管系イベントの抑制を目的とした最良の糖尿病治療のあり方について,白熱した議論が交わされた。
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Symposium:第76回日本循環器学会学術集会ファイアサイドセミナー
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心筋梗塞二次予防における硝酸薬の位置づけ―心筋梗塞二次予防に関するガイドライン(2011年改訂版)を踏まえて―
33巻6号(2012);View Description Hide Description
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Symposium:第8回メタボリックシンドローム研究会
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- 研究成果発表
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3.肝特異的SREBP1c過剰発現マウスを用いた新規NASHモデルに対する,電解質コルチコイド受容体阻害による治療効果とその機序の検討
33巻6号(2012);View Description Hide Description -
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7.骨格筋のインスリン感受性制御における転写因子HIF–1αの役割の解明とインスリン抵抗性解除法開発への応用
33巻6号(2012);View Description Hide Description -
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9.ホモジーニアス法によるSmall dense LDL– cholesterol 測定法の開発とその臨床的意義
33巻6号(2012);View Description Hide Description -
10.メタボリックシンドロームにおけるResidual Cardiovascular Risk としての高レムナントリポ蛋白血症の重要性
33巻6号(2012);View Description Hide Description -
- 特別講演
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Adipose Tissue Remodeling and Metabolically Healthy Obesity
33巻6号(2012);View Description Hide Description
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Review
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糖尿病性神経障害に伴う疼痛に対するデュロキセチンの治療―病態と臨床試験成績―
33巻6号(2012);View Description Hide Description糖尿病性神経障害に伴う疼痛は,慢性疼痛の一種である。痛みの抑制メカニズムには,セロトニンとノルアドレナリン神経系が深く関与していると考えられており,セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)であるデュロキセチンは糖尿病性神経障害に伴う疼痛の治療薬としても承認されている。既報のプラセボ対照試験より,12 週間の投与期間においてデュロキセチンはプラセボと比較して統計学的に有意に痛みを軽減し,26 週間の長期投与試験では,デュロキセチンは長期的に効果を維持し痛みを悪化させないことが示されている。デュロキセチンの忍容性は概して良好であるが,主な有害事象として悪心やめまいなどの発現が認められており,治療に際しては注意が必要である。 -
慢性気道疾患における咳・痰のリスクと治療―主に COPD 患者の喀痰・咳嗽症状を理解し治療することの意義―
33巻6号(2012);View Description Hide Description
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原著
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安定冠動脈疾患に伴う高血圧・脂質異常症に対するアムロジピン・アトルバスタチン配合剤の有用性―心血管イベントリスクスコアに与えるインパクト―
33巻6号(2012);View Description Hide Description -
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パーキンソン病の振戦と抑うつ症状に対するプラミペキソールの効果―徐放錠と速放錠の第 I I I 相試験のサブ解析―
33巻6号(2012);View Description Hide Descriptionプラミペキソール徐放(PPX-ER)錠とプラミペキソール速放(PPX-IR)錠の運動症状および非運動症状に及ぼす効果を比較する目的で,日本人 PD 患者を対象として実施したランダム化二重盲検比較試験(第 I I I 相試験)の事後解析を行った。調査項目は UPDRS part I および I I I スコアである。両剤は UPDRS part I サブスケールのうち,抑うつ状態(項目 3)および意欲/自発性(項目4)スコアを有意に低下させ,その低下率は両剤で有意差なく,ベースラインに比べて投与 12週目で 61.9~69.2%であった。運動症状に対する効果は,Temperli らの方法に従い,UPDRSpart I I I スコアを四つに区分して検討した。両剤は振戦,固縮,動作緩慢,体軸徴候を有意に低下させ,なかでも振戦スコアの改善率が大きかった(PPX-ER 錠-55.7%,PPX-IR 錠-49.5%)。以上,両剤は PD 患者の運動症状だけでなく,非運動症状の中の抑うつ症状に対しても有効な薬剤であった。また,PPX-ER 錠の効果は PPXIR錠と同等であった。 -
維持透析患者における炭酸ランタン(LC)内服継続と炭酸カルシウム(CaC)単剤内服継続の比較検討
33巻6号(2012);View Description Hide Description背景:われわれは各 3 ヵ月間の炭酸ランタン(LC)と炭酸カルシウム(CaC)のクロスオーバー(CO)試験を行い,LC はビタミン D 製剤の増量が高カルシウム(Ca)血症を回避して行えることを報告した1)。今回は,その後 9 ヵ月間におけるビタミン D 製剤の使用状況と,血清学的データの変化について検討した。方法:対象は,CO 試験を行った患者で,その後の長期試験への参加に同意が得られた患者39 名。その中から,試験期間中,LC 内服を継続できた患者 18 名(LC 群)と CaC 単剤内服を継続できた患者 13 名(CaC 群)を抽出し,2 群比較を行った。結果:両群で血清 P(P)値に有意差は認めず,Ca 値は試験開始時点では LC 群で有意に低かったが,9 ヵ月後では有意差はなかった。LC 群の iPTH 値は試験開始時点では有意に高い値であったが,観察期間中に低下を認めた。ビタミン D 製剤については,CaC 群では LC 群と比べ減量の患者数が有意に多かった。結論:長期的にも LC は CaC と同等の P 低下作用を有するとともに,高 Ca 血症を回避してビタミン D 製剤の増量を可能とする。 -
血友病の家庭療法における輸注記録の重要性とその改善策-血友病治療薬輸注記録システム「モバ録」の使用を通じて-
33巻6号(2012);View Description Hide Description
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Topic
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リンの管理 新時代へ-質を問う治療“Better–living phosphate control” とは-
33巻6号(2012);View Description Hide Description透析患者における適正な血清リン(P)の管理は,生命予後の観点から極めて重要です。さらに今日では,単に管理目標値の達成・維持を図るのではなく,患者の服薬アドヒアランスやQOL(quality of life)も視野に入れた治療が求められています。こうした質の高い治療の実践に炭酸ランタン(ホスレノール)はどのような有用性をもつのか,昭和大学医学部内科学講座腎臓内科学部門教授,秋澤忠男氏にお伺いしました。
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