Therapeutic Research
Volume 36, Issue 8, 2015
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Information:日本循環器学会 第10回プレスセミナー心臓弁膜症の最新治療
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Information
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日本におけるVPD(ワクチンで防げる疾患)の疫学的現状
36巻8号(2015);View Description Hide Description7 月6 日は,ルイ・パスツールが1885 年の同日に初めて狂犬病ワクチンを接種したことにちなみ,“ワクチンの日”とされている。2015 年7 月6 日,在日米国商工会議所の主催により,講演会“日本の予防接種政策に関する現状と問題点”が開催された。3 人の演者が招かれ,GAVI,The Vaccine Alliance(GAVI:Global Alliance for Vaccines and Immunization)資金調達担当上級マネージャーの北島千佳氏が『GAVI ワクチンアライアンスとは』,Plus Action forChildren 代表の高畑紀一氏が『国民の立場から見た我が国の予防接種を取り巻く状況』,川崎市健康安全研究所所長の岡部信彦氏が『日本におけるVPD(ワクチンで防げる疾患)の疫学的現状と麻疹の排除(編集部訳)』と題して,それぞれの立場から予防接種の重要性を述べた。ここでは岡部氏による講演を取りあげた。 -
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Report:第26回日本在宅医療学会学術集会
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Report:日本製薬医学会 第6回年次大会
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Symposium:第64回日本アレルギー学会学術大会
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Symposium:第19回腸内細菌学会
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原著
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食事・運動療法または前治療薬で効果不十分な2型糖尿病患者に対するダパグリフロジンの血糖・体重改善効果の検討
36巻8号(2015);View Description Hide Description目的:SGLT2 阻害薬は,血糖値と体重の双方をコントロールしうる新規経口糖尿病治療薬として,2014 年に複数製剤がわが国で発売された。しかし,国内使用経験はまだ浅く,実臨床において血糖値や体重にどのような影響を及ぼすのかを検討する必要がある。そこで,SGLT2 阻害薬の一つであるダパグリフロジンについて,投与12 週後の血糖値および体重の変化を検討した。方法:当院に通う2 型糖尿病患者のうち,血糖コントロールが不十分かつ肥満傾向の患者にダパグリフロジン5 mg/日を単独または追加投与した。投与開始時と12 週後のHbA1c および体重の記録のある患者21 例を解析の対象とし,血糖値,体重,その他臨床検査値の前後比較を行った。また,ダパグリフロジン投与開始4 週後に,食に対する意識について当院独自のアンケートを行った。結果:12週間のダパグリフロジン投与によって,HbA1cは8.5±0.3%から7.3±0.2%へ,体重は76.6±2.1 kgから75.0±2.1 kgへ,BMIは29.4±0.8 kg/m2 から28.8±0.7 kg/m2 へ,いずれも有意に減少した。また,中性脂肪,肝機能値,尿酸値の有意な改善もみられた。アンケートでは,前治療時と比較して食欲が減少する傾向がみられた。結論: ダパグリフロジン投与12 週間で,HbA1cと体重の有意な減少,および中性脂肪などの改善がみられた。また,食行動の変容も認められ,血糖値の改善と体重の減少が治療モチベーションの向上をもたらしたことが考えられた。 -
ステージG4およびG5の保存期慢性腎臓病患者に対する炭酸ランタンの使用経験
36巻8号(2015);View Description Hide Description背景:慢性腎臓病(CKD)患者の早期では,血清リン(P)値は正常範囲内に保たれているが,骨・ミネラル代謝の異常がステージの進行に伴い出現することはよく知られている。そのため食事制限やP吸着薬によりCKDステージにかかわらず血清P値を各施設の基準値内に保つことが推奨されているが,従来使用されてきたカルシウム(Ca)含有P吸着薬は,Ca非含有P吸着薬よりも血管石灰化への影響が大きいことが問題視されている。2013 年からCa非含有P吸着薬である炭酸ランタン(LC)が保存期CKD患者にも使用可能となったことから,その有用性について検討を行った。方法:2013 年10 月から2014 年9 月までにLCの投与が開始されたCKDステージG4およびG5の保存期CKD患者24 例について,LC投与後の腎機能の変動と血清P値の推移を後ろ向きに検討した。結果:対象患者のCKDステージは,22 例(92%)がG5,他の2例(8%)もG4の高度腎機能低下例であった。LC の開始時投与量は,18 例(75%)が500mg/日で最も多く,750 mg/ 日が3 例(13%),250 mg/日が2例(8%),1000 mg/日が1例(4%)であった。LC投与開始時の血清P値(平均値± 標準偏差)は5.4 ±1.0 mg/dLで,6 ヵ月後の値は5.0 ±1.3 mg/dLと有意な変化は認められなかった。血清P値が当院の基準値内(2.5 ~ 4.5 mg/dL)であった症例数は,炭酸Caによる前治療ありの症例では,LC投与によっても増加は認められなかったが,LC新規投与症例では,LC投与開始時の2/18 例(11%)から6 ヵ月後には7/16 例(44%)に増加した。LC投与開始時の血清クレアチニン(Cr)値は,4.82 ±1.26 mg/dL であったが,6 ヵ月後には5.66 ±1.85 mg/dLへ有意に増加した(p=0.003)。観察期間中,2 例に嘔気が認められた以外には有害事象は認められなかった。結論:ステージG4およびG5の保存期CKD患者へのLC投与は,腎機能低下進行に伴い合併する高P血症を抑える可能性が示唆された。 -
日本人成人難治部分てんかんに対するレベチラセタムの併用療法-二つのプラセボ対照無作為化二重盲検試験の併合解析-
36巻8号(2015);View Description Hide Description日本人におけるレベチラセタム(LEV)の有効性および安全性を検討するために,既存の抗てんかん薬1 ~ 3 剤でコントロール不十分な部分発作を有する日本人難治部分てんかん患者に対し,LEV併用療法の効果を検討した二つの多施設共同,プラセボ対照,無作為化二重盲検比較試験(N165試験およびN01221試験)より,両試験に共通したLEVの1 日用量である1000mg群および3000mg群の併合解析を探索的な目的で行った。N165試験の有効性主要評価項目である,評価期間における週あたりの部分発作回数の対数化調整済平均値から算出されたLEV群のプラセボ群に対する発作回数減少率(95%信頼区間:95%CI)は,1000mg 群 10.9(1.8 ~19.2)%(p =0.020,参考値),3000mg群 16.7(8.2 ~24.5)%(p< 0.001,参考値)であった。N01221 試験の有効性主要評価項目である,評価期間における観察期間からの週あたりの部分発作回数減少率の中央値(Q1 ~ Q3)は,1000mg群 18.78(-6.02 ~47.76)%(p = 0.020,参考値),3000mg 群 28.64(- 1.94 ~ 53.49)%(p<0.001,参考値)で,いずれの用量群においてもLEVは両試験の主要評価項目でプラセボ群と比較し高い発作抑制効果を示した。50%レスポンダーレートは,プラセボ群,LEV 1000mg群および3000 mg群で,それぞれ12.7%,24.2%および31.0%とLEV群で高く,プラセボ群に対するオッズ比(95%CI)は,LEV 1000mg 群2.2(1.2 ~ 4.2)(p = 0.016,参考値),3000mg 群3.1(1.6 ~ 5.8)(p < 0.001,参考値)であった。さらに,発作消失例がLEV1000mg 群で4 例(2.9%),3000mg 群で5 例(3.6%)認められたが,プラセボ群では発作消失例は認められなかった。安全性評価において,いずれかの群で発現率が5%以上の有害事象は,LEV 3000mg群の好中球数減少の1 例を除き重症度が高度な事象はなく,ほとんどは軽度であった。因果関係が否定できない有害事象(副作用)の発現率は,プラセボ群 54.3%(76/140例),LEV 1000mg 群 59.2%(84/142 例)および3000mg群 59.6%(84/141例)で,LEV群で発現率の高かった主たる副作用は,傾眠と3000mg群における好中球減少であった。以上のことから,日本における二つの臨床試験の探索的併合解析により,LEVは欧米での試験と同様に日本人の部分発作を有する難治部分てんかん患者に対しても有効かつ安全であることが示唆された。 -
24時間デジタルホルター心電計による心房遅延電位の評価と日内変動
36巻8号(2015);View Description Hide DescriptionBackground:P–wave signal averaged electrocardiography(P–SAECG) could detect imperceptible conduction abnormalities and allowed to predict paroxysmal atrial fibrillation. Recently, digital–Holter ECG has been developed and could measure atrial late potentia(l ALP) on P–SAECG. The aim of the study was to evaluate ALP measured by digital –Holter ECG, and to investigate circadian rhythm of ALP.Methods:The subjects were 58–male volunteers with normal cardiac function underwent P –SAECG. The filtered P wave duration(FPD) and the root –mean–square voltage for the last 20 ms(RMS20) of the P –SAECG wave were measured as ALP. ALP were evaluated the frequency of measurable and the difference of FPD or RMS20 between day–time and night –time. Results:The frequency of measurable ALP were more at night –time than at day–time. Forty–nine of 58 subjects(84.5%) could be measured circadian rhythm of ALP(more than 8 times measurement during 24hours). An abnormal ALP was found on 28.6% . Mean of FPD was 129.0±9.3msec. FPD at night time was significantly prolonged than that at day –time(FPD at night –time; 131.3±10.2msec, at day –time; 125.9±9.2msec, p<0.0001). Regarding RMS20, mean of whole day was 4.83±1.98μV. There were no difference between day –time and night –time(RMS20 at night –time; 4.72 ± 2.10μV, at day –time; 4.71±1.81μV, p=0.15). Conclusion:P–SAECG by digital –Holter ECG could be circadian rhythm of ALP. FPD was prolonged at night –time.
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