Therapeutic Research
Volume 37, Issue 1, 2016
Volumes & issues:
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OPINION
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Information:日本循環器学会 第14回プレスセミナー大動脈疾患(大動脈解離を中心に)
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Information:日本抗加齢医学会エデュケーショナルセミナーアンチエイジング医学最先端!2015
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総説
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原著
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選択的SGLT2 阻害薬ダパグリフロジンの血糖改善効果と体重・内臓脂肪への影響
37巻1号(2016);View Description Hide Description目的:SGLT2 阻害薬ダパグリフロジンの血糖改善効果と体重・内臓脂肪に及ぼす影響について検討する。方法:当院に通院治療中の2 型糖尿病患者17例(男性9 例,平均年齢62.4 歳,平均HbA1c7.3%,平均BMI 24.1 kg/m2)にダパグリフロジン5 mg/日を投与し,12 週以降で効果が不十分であれば10 mg/日に増量してHbA1c と体重の変化を1 年(52 週)間検討した。投与12 週後に腹部CT を用いて内臓脂肪面積も測定し,ベースライン時のdisposition index(DI:HOMA‒β×HOMA‒R)と内臓脂肪面積の投与後の変化量の関連性を検討した。安全性については,投与後の副作用発現を評価した。結果:HbA1c は,ベースライン時の7.3%から投与52 週後に6.7%まで有意に低下した(p<0.05)。体重は,ベースライン時の63.0 kg から52 週後に60.2 kg まで有意に減少した(p<0.05)。内臓脂肪面積は,ベースライン時の128.6 cm2から投与12 週後に105.7 cm2に有意に減少し(p=0.009),内臓脂肪面積の減少率が25%未満であった患者と25%以上であった患者のベースライン時のDI を比較した結果,減少率が小さい群ではDI が有意に高かった(p=0.010)。ダパグリフロジン投与に関連すると判断した有害事象はなく,すべての患者で1 年間の投与を継続できた。結論:実地診療下において,日本人2 型糖尿病患者にダパグリフロジンを1 年間投与した結果,HbA1c 改善効果,体重の減少および忍容性が認められた。また,投与12 週後に内臓脂肪面積の減少も認められ,ベースライン時のDI によって本剤投与後の脂肪減少量が予測できる可能性が示された。 -
糖尿病血液透析患者に対するレパグリニドの安全性・有効性の検討
37巻1号(2016);View Description Hide Description本研究では,コントロール不十分あるいはアドヒアランスが不良な維持透析の2 型糖尿病患者に,胆汁排泄型であるレパグリニドを投与した15例を後方視的に検討した。レパグリニド投与によって,前治療と同様に食後1時間血糖値,グリコアルブミンを管理することができた。また,インスリン使用困難例でレパグリニドを安全に使用することができた。今回の検討によって,レパグリニドは糖尿病血液透析患者に安全に使用できる可能性が示唆された。糖尿病血液透析患者の治療オプションの一つとして,レパグリニドも考慮されるべきかもしれない。 -
高尿酸血症を合併した心血管疾患ハイリスク患者におけるトピロキソスタットの使用経験
37巻1号(2016);View Description Hide DescriptionBackground:Recently, hyperuricemia has been reported to be a risk factor for cardiovascular diseases and renal dysfunction, but their relationships have not been fully elucidated. In some intervention trials, existing xanthine oxidase(XO) inhibitors showed the renoprotective effect and inhibited cardiovascular events. However, some results suggest that each XO inhibitor has different activity on pulse wave velocity (PWV). Topiroxostat, a novel XO inhibitor, showed an albuminuria‒lowering effect in a double‒blind study, but evidence from vascular system is limited. In this study, we evaluated the effects of topiroxostat on renal function and cardiovascular disease. Methods:Thirty two patients with hyperuricemia at high risk of cardiovascular disease were given topiroxostat. Of these, two were changed from allopurinol to topiroxostat, and twenty one were from febuxostat. We examined the serum uric acid(UA)and renal function markers(serum creatinine, estimated glomerular filtration rate(eGFR), urinary albumin‒to‒creatinine ratio(ACR), oxidized low‒density lipoprotein(ox‒LDL),high sensitive C‒reactive protein(hs‒CRP), brain natriuretic peptide(BNP)and blood pressure(BP). Results:Topiroxostat significantly improved UA, ACR, hs‒CRP, BNP and BP. Additionally, it demonstrated the tendency of improvement in eGFR. Conclusion:These results suggest that topiroxostat has not only the hypouricemic action but also the renoprotective and anti‒atherogenic effects in patients with hyperuricemia at high‒risk cardiovascular disease. -
胃食道逆流症(GERD)患者に対するエソメプラゾールとボノプラザンの症状改善効果の検討
37巻1号(2016);View Description Hide Description背景:胃食道逆流症(GERD)は,胃酸を主とした胃内容物が食道に逆流することにより発症する酸関連疾患であり,GERD 症状の発現は患者のQOL を低下させることが報告されている。目的:実地臨床において,プロトンポンプ阻害薬(PPI)であるエソメプラゾールとカリウムイオン競合型アシッドブロッカー(P‒CAB)であるボノプラザンのGERD 症状改善効果を検討する。方法:当院を受診した逆流性食道炎患者を対象とし,エソメプラゾールまたはボノプラザンを4 週間投与したときの臨床効果を前向きに評価する2 試験を独立して実施した(それぞれUMIN000018456 またはUMIN000018455)。両試験とも,GERD に特異的な質問票であるGerdQ およびGERD 患者での薬物療法による治療効果を定量的かつ簡便に評価できるF スケール問診票(FSSG)を用い,エソメプラゾールまたはボノプラザンの症状改善効果を検討した。安全性については,投与後の副作用発現を評価した。結果:エソメプラゾールおよびボノプラザンの検討での対象患者数は,それぞれ73例および42 例であった。平均年齢は56.0~65.4 歳であり,女性患者の割合が若干多かった(それぞれ42 例および28 例)。GerdQ 調査票を用いて評価したエソメプラゾールおよびボノプラザンの治療有効率ならびに逆流症状消失率は高く,またFSSG 総合スコアおよび酸逆流症関連症状スコアともに,両薬剤投与2 週後から有意な改善が認められ(p<0.0001),4 週後においても有意に改善していた(p<0.0001)。試験期間中にエソメプラゾールまたはボノプラザン投与による副作用発現を認めず,両薬剤ともに4 週間投与時の忍容性が示された。結論:実地臨床での検討においてエソメプラゾールおよびボノプラザンはGERD 患者の症状を有意に改善するとともに,忍容性も良好であったことから,GERD 患者のQOL 向上に貢献できる薬剤であると考えられた。一方で,これらPPI またはP‒CAB を選択する際には有効性だけでなく安全性のエビデンスも考慮する必要があると考えている。 -
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症例
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Information
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