Therapeutic Research
Volume 43, Issue 1, 2022
Volumes & issues:
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Roundtable:J–CLEAR 特別座談会
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COVID–19:治療薬の現状と展望-エビデンスからの検証
43巻1号(2022);View Description Hide Description2019年12月31日に中国の武漢から病因不明の肺炎症例のクラスター発生が世界保健機構(WHO)に報告されてから,2年が経過しています。多くのCOVID–19治療薬が使用できるようになりましたが,エビデンスに基づかない情報や治療が広まることも危惧されています。今回のJ–CLEAR特別座談会では,COVID–19治療薬をエビデンスから検証し,新たな予防療法,血栓症との関係などについても,それぞれ専門家の立場から解説されています。
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Series:臨床高血圧125周年~論点の整理と将来展望
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高齢者の適正降圧療法について
43巻1号(2022);View Description Hide Description高齢者は高血圧の有病率が高く脳心血管への寄与が大きいことから,確実な降圧が必要な一方で,合併症,認知機能,身体的および社会的フレイルといったさまざまな背景を考慮しながら降圧療法を行う必要があり,単純ではない。治療を行う前に必要な評価,安全かつ有効性の高い降圧療法について解説する。
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原著
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肺動脈性肺高血圧症患者におけるアンブリセンタンの安全性および有効性の評価―使用成績調査の最終報告―
43巻1号(2022);View Description Hide Description肺動脈性肺高血圧症(pulmonary ar terialhypertension:PAH)は,さまざまな血管作動性物質の不均衡により肺血管収縮および細胞増殖が惹起され,血管構造のリモデリングが進展した結果,肺血管の機能障害が生じるといわれている。PAH はまれで致死率の高い疾患であり,未治療の場合,生存期間の中央値は2.8 年,5 年生存率は34%と報告されている1)が,近年,肺血管拡張薬の登場により,生命予後が改善されてきている2~4)。 肺血管拡張薬は,プロスタサイクリン経路に属するプロスタサイクリンおよびその誘導体,プロスタサイクリン受容体作動薬,一酸化窒素経路に属するホスホジエステラーゼ5(phosphodiesterasetype 5:PDE5)阻害薬,可溶性グアニル酸シクラーゼ刺激薬,エンドセリン経路に属するエンドセリン受容体拮抗薬(endothelinreceptor antagonist:ERA)がある5)。ERA は強力な血管収縮および細胞増殖促進作用を有するペプチドであるエンドセリン‒1(endothelin‒1:ET‒1)のエンドセリン受容体への作用を阻害する,重要なPAH 治療薬の一つとされている6,7)。近年では重症度に応じてこれら単剤での使用のみならず異なる作用機序をもつ薬剤を組み合わせる2 剤,3 剤での併用療法が推奨されるに至っている8~10)。 アンブリセンタン(製品名:ヴォリブリス錠,以下,本剤)は,エンドセリンA 受容体を選択的に阻害することで,ET‒1 による血管収縮および細胞増殖作用を抑制することにより,PAH の臨床症状を改善させると考えられている。 本剤は,成人におけるPAH 治療薬として,2007 年6 月に米国,2008 年4 月に欧州,2010年7 月にわが国で承認を取得しており,現在までに60 ヵ国で承認されている。また,わが国では2021 年3 月,8 歳以上の小児PAH 患者に対する用法および用量追加にかかわる製造販売承認事項一部変更の承認を取得した。 今般,販売開始以降に本剤が投与されたPAH 患者全症例を対象として,長期的な安全性および有効性の情報収集を目的とした承認条件に基づく使用成績調査の最終評価を終えたことから,その結果を報告する。なお,本調査の結果は,2015 年6 月14 日までに登録された症例を対象に中間報告を行っている11)。 -
Real World Evaluation of the Safety and Effectiveness of Primaquine for Prevention of Relapse of Plasmodium Vivax or Plasmodium Ovale Malaria Results of a Drug‒use Results Survey
43巻1号(2022);View Description Hide DescriptionBackground:Primaquine(PRM), an 8‒aminoquinolone, is the only widely used anti‒malarial that eradicates Plasmodium(P.). vivax and P. ovale hypnozoites to prevent malaria relapse. Objective:To evaluate the safety and effectiveness of PRM for prevention of P. vivax or P. ovale malaria relapse in Japanese patients. Methods:This was a prospective, multicenter, open label, post‒marketing surveillance study in Japanese patients with P. vivax or P. ovale malaria without prior PRM exposure. Primaquine 30 mg or 0.5 mg/kg(up to 30 mg)was orally administered to adults and children, respectively, for 14 days, per the package insert. Safety(during the 14‒day treatment period)and effectiveness(prevention of relapse for 1 year after the last PRM dose) were assessed. Results:Thirty‒three patients were enrolled and received ≧1 dose of PRM and comprised the safety analysis set. Of these, 23 had ≧1 evaluation for malaria recurrence after their last PRM dose and comprised the effectiveness analysis set. Mos(t n=24, 72.7%) had P. vivax malaria, followed by P. ovale malaria(n=9, 27.3%). Two patients experienced 6 treatment‒related adverse events, including blood creatinine increased, abdominal pain, abdominal pain upper, decreased appetite, nausea, and vomiting. No episode/s of malaria relapse occurred during follow‒up(median[Q1, Q3]379[369, 422]days). Conclusions:The safety profile of PRM in Japanese patients with P. vivax or P. ovale malaria was consistent with the established profile of PRM. No unknown or critical safety concerns were identified. PRM was effective for the radical cure of P. vivax and P. ovale malaria.
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