Therapeutic Research

NASHは進行性の脂肪肝で患者数も増加しているが，いまだ確立した治療法がない。今年（2024年）株式会社CureAppは新しい治療法として開発してきたNASH治療アプリの治験を開始し，2月に記者会見が開かれた。本稿では会見で行われたNASHの背景，診断や治療の課題についての発表，およびNASH治療アプリの治験に関する報告について概要を紹介する。

心房細動は加齢とともに増加する誰にでも生じうる不整脈である。心房細動の症状は無症状であることが多いが，オムロン ヘルスケアが行った意識調査では症状があっても半数以上が対処せず，中には更年期だと思って放置している人がいることが明らかとなった。3月8日の「国際女性デー」，3月9 ～ 15日の「心房再動週間」に合わせて開催されたメディアセミナーでは，副島京子氏が心房細動のリスクや早期発見の重要性について解説した。

長時間作用性抗コリン薬（LAMA）と長時間作用性β2刺激薬（LABA）の併用による吸入気管支拡張療法は，現在，慢性閉塞性肺疾患（COPD）に対する治療の主流となっている。治療ガイドラインでは，LAMA/LABA＊併用療法への吸入ステロイド薬（ICS）の追加は，頻回または重度の増悪かつ血中好酸球数高値例，あるいは喘息の合併例のみに推奨されている。しかし，リアルワールドデータからは，臨床医がこの指針を遵守しておらず，ICS が頻繁に過剰使用されていることが示唆される。これはおそらく，LAMA/LABA 併用療法で十分な効果が得られない場合，治療レジメンにICS を追加することが次の治療として合理的であるという誤った思い込みによるものであろう。このナラティブレビューでは，国際的およびドイツ，スペイン，日本の国ごとのガイドラインの推奨事項について解説し，実臨床におけるLAMA/LABA およびICS の使用に関するリアルワールドデータとの比較を行う。また，LAMA/LABA への上乗せ療法を行う際の臨床的指針について，①LAMA/LABA 併用療法にもかかわらず症状が改善しない（しかし増悪は認めない）患者，②LAMA/LABA併用療法にもかかわらず引き続き増悪を認め，血中好酸球数が高値を示す患者，③LAMA/LABA併用療法にもかかわらず引き続き増悪を認めるが，血中好酸球数が高くなく，喘息も合併していない患者，と表現型別に示す。　（本総説はTher Adv Respir Dis 2023；17：1‒15※に出版された総説を翻訳した二次出版である。翻訳にあたり新たに追加した情報は，注釈として示した。）

Aim：To clarify the factors that contribute to the change in HbA1c after increasing the dose of Luseogliflozin（LSF）from 2.5 to 5 mg. 　　Method：We retrospectively analyzed 109 patients with type 2 diabetes mellitus who increased the dose of LSF from 2.5 to 5 mg and continued taking it for more than 3 months. HbA1c, BMI, and metabolic factors were extracted 3 months before, at the time of, and 3 months after increasing LSF from 2.5 to 5 mg. Univariate analysis was performed on the relationship between ⊿HbA1c after increasing the dose and each factor, and factors contributing to ⊿HbA1c（after increasing the dose）were examined using multiple regression analysis. 　　Results：After increasing the LSF dose from 2.5 to 5 mg, ⊿HbA1c was correlated with HbA1c at the time of increase the dose and ⊿HbA1c before increasing the dose. Multiple regression analysis revealed that the independent variables of the dependent variable ⊿HbA1c（after increasing the dose）were HbA1c at the time of increasing the dose, ⊿HbA1c before increasing the dose, and ⊿BMI before increasing the dose. 　　Conclusion：Improvement in HbA1c by increasing the dose of LSF from 2.5 to 5 mg can be expected in 1）cases with high HbA1c, 2）cases with increasing tendency in HbA1c, and 3）cases with decreasing tendency in BMI.