Therapeutic Research

Volume 45, Issue 10, 2024
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Topics:日本医学会連合TEAM事業 加齢性難聴の啓発に基づく健康寿命延伸事業セミナ-
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多領域の専門家が挑む加齢性難聴とその社会的課題-Healthy Agingと認知症対策における聴こえの役割-
45巻10巻(2024);View Description
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加齢性難聴はコミュニケ-ションの低下のみならず社会的孤立を引き起こし,認知症やうつ病のリスクであり,高齢になっても聴力を保つことは重要である.しかし,加齢性難聴が疾病であるとの認識が不足しており,難聴の自覚があっても耳鼻科を受診するのは4割弱となっている.日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会は「聴こえ8030運動」を通して聴力保持や受診率向上について啓発活動を行ってきた.さらに,2023年度より日本医学会連合のTEAM事業に採択され,日本医学会連合加盟7学会と日本言語聴覚士協会と連携し,加齢性難聴の早期発見と適切な介入による健康寿命延伸を目指し活動を強化している.本稿では加齢性難聴および認知症を中心に本事業における各領域の取り組みについて紹介する.
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Information:日本整形外科学会 令和6年度記者説明会
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健康日本21(第三次)におけるロコモティブシンドロ-ムの減少のための方策-『自分で動ける』を支えるには? 1万人調査からわかったこと-
45巻10巻(2024);View Description
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2024年4月から始まった健康日本21(第三次)で,ロコモティブシンドロ-ム(以下,ロコモ)の減少が目標に盛り込まれている.記者説明会(9月5日)で,理事長の中島康晴氏が学会創立100周年に向けた取り組み,健康日本21(第三次)におけるロコモ減少の意義を紹介し,山田恵子氏(埼玉県立大学)が日本整形外科学会による20歳以上の1万人を対象としたロコモに関する調査結果,ロコモに進行する人の最初の自覚症状として明らかにされた4つの「ロコモサイン」とその対応などについて解説した.
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Symposium:第63回埼玉不整脈ペ-シング研究会
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- 一般演題
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左肺全摘術による急性右心室圧上昇の致死性不整脈発生に関するOptical Mappingを用いた実験的検討
45巻10巻(2024);View Description
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心不全発症時に致死性不整脈が発生する.心室圧上昇による機械的刺激(Cardiac Mechano–Electrical Arrhythmia)が機序と推定される.急性右室圧(RVBP)上昇時の催不整脈性をopticalmapping analysis(OMP)にて検討した.SDラット(n= 15)で左片肺全摘手術を実施し右室圧負荷を作成し,心室頻拍・心室細動(VT/VF)が誘発されるRVBPを測定した.心摘出・ランゲンドルフ灌流でdi –4–ENEPPS染色し,不整脈誘発法(EPS)を含むOMPを実施した.RVBPの変化と活動電位(APD)不整脈指標(APD dispersion)・EPSのVT/VF誘発率を検討した.左片肺全摘でRVBP は58±4 mmHg に増加し,RVBP が55mmHg以上でVT/VFが誘発された.左片肺全切除で右室APD dispersion は12±4 msから32±10 msまで有意に延長し,EPSでVT/VF誘発された.結語:左片肺全切除後ラットモデルでRVBPの上昇によるAPD dispersion 増加とVT/VF発生増加が認められた.RVBP上昇に伴うAPD dispersion の増加が機序と示唆された. -
HD gridにおける“Reversed-U curveテクニック”の有用性
45巻10巻(2024);View Description
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Advisor HD Grid Mapping Catheter(以下HDGrid)は,扇形の先端に16 個の電極が配置された多極マッピングカテ-テルであり,高解像度のマッピングが可能である(図1)1).しかし,扇形の先端は柔らかく,ときとして心内でのカテ-テル保持は困難である.また,HD Grid は扇の根元に磁気センサ-が配置されているため,扇全体の可動域のすべてを網羅する磁気情報の取得が困難な場合がある.今回われわれは,これらの問題点を解決しうるマッピング方法を紹介する. -
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報告
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エスフルルビプロフェン・ハッカ油製剤の手指の変形性関節症(ヘバ-デン結節,ブシャ-ル結節)に対する有効性・使用感に関する患者調査-アンケ-ト調査による検討-
45巻10巻(2024);View Description
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ヘバ-デン結節(DIP 関節),ブシャ-ル結節(PIP 関節)は手指の変形をきたす変形性関節症であり,平均年齢65.6 歳のコホ-ト研究における有病率はDIP 関節で85.5%,PIP 関節で57.5%であったとの報告がある1).このように有病率は高いものの,指の変形は美容的なものとして積極的な治療対象とみなされない場合もあることや,外見やX 線上の変形と患者の症状(疼痛)が一致しないことから,治療方法が明確なものがない状況にある2). エスフルルビプロフェン・ハッカ油製剤(S‒flurbiprofen plaster:SFP‒P)は,フルルビプロフェンが活性本体で,強いシクロオキシナ-ゼ(COX)阻害薬であるエスフルルビプロフェンとハッカ油を有効成分とする経皮吸収型非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)であり,2016 年1 月より変形性関節症(OA)における鎮痛・消炎を効能・効果として発売されたテ-プ剤(製品名ロコア® テ-プ)である. SFP‒P は変形性膝関節症(膝OA)に対して,従来のフルルビプロフェン貼付剤と比較して優れた鎮痛効果を示し3),アンケ-ト調査においても日常生活動作(ADL),生活の質(QOL)を有意に改善していた4).さらに,NSAIDs 経口剤と貼付剤の併用と比較して遜色のない効果もみられている5).変形性頚椎症(CS)に対してもSFP‒P は鎮痛効果に優れ,ADL,QOL を有意に改善した6).手指OA に関しては,少数例ながら優れた鎮痛効果についての報告はある4,7,8)ものの,ADL,QOL に関する報告は,われわれが渉猟しえた範囲では見出せなかった. 今回,SFP‒P を処方された手指の変形性関節症患者に対して,Suzuki らが作成したHand209)による本剤の有効性評価に加え,夜間痛および使用感に関するアンケ-ト調査を実施したので報告する.
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