Volume 31,
Issue 13,
2004
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総 説
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癌と化学療法 31巻13号, 2095-2099 (2004);
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ペプチドを中心とした癌ワクチン療法の臨床試験が欧米のみならず本邦でも精力的に進められておりその結果ワクチンにより腫瘍特異的細胞障害性T 細胞が癌患者生体内で誘導できることが判明した。一方癌ワクチン療法の問題点も明らかになってきた。具体的には使用できるエピトープペプチドのほとんどはメラノーマが対象であり上皮性腫瘍など頻度の多い癌種に対応するペプチドの数が限られていることや腫瘍のHLA 発現低下や消失腫瘍の多様性が問題であることがわかってきた。これらの問題点を解決する手段としてわれわれはゲノム包括的遺伝子情報の解析による新規腫瘍抗原の同定を進めている。また腫瘍新生血管を標的とする新しい癌ワクチン療法の可能性についても検討している。本稿ではこれらについて最近の知見について解説した。
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特 集
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【肝細胞癌の治療の進歩 】
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癌と化学療法 31巻13号, 2100-2104 (2004);
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肝細胞癌患者の予後は癌の進行度のみならず肝予備能にも大きく左右される。したがって治療成績の比較には腫瘍の進行度のみならず肝予備能も考慮に入れた比較が重要である。そのような比較の目的で統合ステージングシステムが注目を浴びている。われわれの5施設の共同研究による検討では従来統合ステージングシステムのglobal standardであったCLIP Scoreよりも日本肝癌研究会のTNM ステージとChild-Pugh Scoreを単純に足し算するJIS Scoreが層別化の点で極めて優れていることが判明した。このJIS Scoreを用いることにより治療効果の比較施設間比較などを行うことが可能となる。治療効果の比較ではJIS Score 0は局所療法のほうが切除よりもやや優る結果となったがJIS Score 1 2では切除のほうが局所療法よりも優る結果となった。またこのJIS Scoreごとの比較は施設間の治療成績を比較するあるいは同一スコアの局所治療成績を施設間で比較するといった上では極めて有用なstandardとなり得る。このような点を踏まえて今後は共通のスケールであるJIS Scoreによる治療法比較を行っていくことが重要と思われる。
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癌と化学療法 31巻13号, 2105-2109 (2004);
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肝細胞癌の経皮的治療は現在ではラジオ波焼灼療法(radiofrequency ablation:RFA)が主流となってきている。RFA は1回焼灼時間での凝固範囲が広いことから経皮的エタノール注入療法(percutaneous ethanol injection:PEI)や経皮的マイクロ波凝固療法(percutaneous microwave coagulation therapy:PMCT)と比較して少ない治療回数での治療が可能である。またPEI と比較して局所再発率も少ないのが利点である。最近ではRFA の焼灼範囲を広げる工夫が報告されておりわれわれも肝動脈バルーン閉塞下ラジオ波凝固療法(balloon-occluded RFA:BoRFA)を考案し通常のRFA より有意な焼灼範囲の拡大を認めている。本邦では導入からの経過観察が短いことからRFA の成績についてはまだ不十分であり数年後には適応および他の経皮的局所治療との使い分けについてもさらに明らかになることを期待したい。
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癌と化学療法 31巻13号, 2110-2113 (2004);
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肝細胞癌に対する治療の第一選択は系統的肝切除である。様々な術式の工夫により適応範囲は拡大されつつあり比較的良好な予後が期待できる。特に門脈腫瘍栓を伴うHCC には肝切除が唯一の根治的治療法である。
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癌と化学療法 31巻13号, 2114-2117 (2004);
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肝内多発や門脈浸潤を伴うような進行肝細胞癌においては手術PEIT ラジオ波凝固療法TAE など既存の局所療法では奏効が期待できないためしばしば動注化学療法が選択される。動注化学療法は様々なレジメの工夫により奏効率の向上が図られてきたが5-FU をkey drug としたlow-dose FP 療法やIFN 併用療法など多剤併用の持続動注による高い奏効率が現在注目されている。いずれも皮下埋込式のリザーバーの使用を前提としており良好な効果を得るには肝内薬剤分布や血管開存性も重要な要件である。最近新たにone-shot 動注用CDDP 製剤も登場し動注化学療法の選択肢がさらに広がっていくものと思われる。しかし動注化学療法の長期成績については併存する肝硬変の関与も大きくいまだ延命効果への寄与に関する客観的データは示されていない。いずれのレジメも標準的治療と評価される段階には至っておらず今後は厳密なプロトコールによる大規模な臨床試験による評価が必要である。
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癌と化学療法 31巻13号, 2118-2121 (2004);
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わが国における生体肝移植数は3,000例を超え最近では移植以外に治療法のない進行肝細胞癌に対する生体肝移植が増加している。脳死肝移植における提供肝の公平分配という原則にとらわれないためミラノ基準にこだわらずに他に有効な治療法がない症例を適応とする施設が多いのがわが国の特徴である。しかしミラノ基準外の症例は移植後の再発率も高い。今後の課題としては適応基準の適確化さらに移植後免疫抑制下での肝細胞癌再発やC 型肝炎再発の制御予防法の確立が移植成績の向上に重要であると思われる。
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癌と化学療法 31巻13号, 2122-2128 (2004);
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肝細胞癌は肝切除術や経皮的局所壊死療法などの根治的な治療が行われた患者においても治療後早期に再発することが多い。また診断時にすでにこれらの治療が困難な状態で発見される患者も少なくない。これらの患者の予後を改善するためには局所療法のみでは限界があり化学療法をはじめとする全身的な治療法の発展が必要である。現在肝細胞癌に対して確実な効果のある抗癌剤はなく延命効果の明らかなレジメンは確立していない。治療効果の高いレジメンの開発を目指して現在多くの臨床試験が行われている。
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原 著
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癌と化学療法 31巻13号, 2129-2131 (2004);
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発刊後3年を経過した胃癌治療ガイドラインに関する医師側患者側の意識調査を行った。本書の認知度および利用度に関しては医師側は十分満足のいくものであったが一方患者側にはいまだ不十分であった。このため医師—患者側の相互理解を深める意味でもガイドラインの啓蒙は必要であると思われた。さらにはガイドラインは常に時代に即したものでなければならずその時代時代の医療レベルに応じた内容の見直しが必要である。
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癌と化学療法 31巻13号, 2133-2137 (2004);
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既治療の非小細胞肺癌10例に対しpaclitaxel (TXL)のweekly投与を行いその安全性と有効性について検討した。TXL の投与方法は80mg/m2を1週間ごと3週間連続投与1週間休薬または6週間連続投与2週間休薬とした。6例に部分寛解(PR)が認められPR の期間は2〜11か月(中央値5か月)であった。副作用はgrade4の好中球減少症を1例grade3の白血球減少症を1例に認めたが非血液学的毒性は軽度であり末梢神経障害もgrade1が2例のみであった。10例中9例が外来通院治療可能でありQOL を重視した有効な化学療法と考えられる。
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癌と化学療法 31巻13号, 2141-2144 (2004);
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(目的)上皮性卵巣癌は近年paclitaxel(T)併用化学療法(TJ 療法)により奏効度および予後の改善がみられている。しかし依然化学療法抵抗例もありしばしば治療に難渋する。今回われわれはプラチナ製剤抵抗性の上皮性卵巣癌に対しT の毎週投与法(weekly-T 療法)を施行したのでその治療成績を文献的考察も加え報告する。(方法)weekly-T 療法を施行したプラチナ製剤耐性上皮性卵巣癌7例を対象とした。その内訳は初回手術時臨床進行期はすべてⅢ c期で組織型は漿液性腺癌4例明細胞癌3例であった。前治療は8〜16コース(平均9コース)施行されレジメン数は1〜3(中間値2)であった。4例においてPS は2以上であった。paclitaxel80mg/m2を3週間毎週投与1週間休薬を1コースとし2〜7コース(平均3.9コース)施行した。(結果)weekly-T 療法の奏効度はPR 2例NC 3例PD 2例であった。手指のしびれ関節痛などの末梢神経障害は7例中5例(71%)に出現するも投薬を必要としたのは1例のみであった。またヘモグロビンを除けば血液毒性も軽微であった。(結論)weekly-T 療法は薬物有害事象QOL の面から検討してもプラチナ製剤耐性の上皮性卵巣癌において有用であることが示唆された。
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癌と化学療法 31巻13号, 2145-2149 (2004);
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CD-DST 法が肝細胞癌(HCC)の抗癌剤感受性試験として有用であるかを検討した。HCC 患者25例と乳癌患者38例を対象としHCC では5-FU epirubicin(EPI) cisplatin 乳癌では5-FU EPI paclitaxelの3種類の抗癌剤を用いて測定を行った。T/C が50%以下を感受性ありとし薬剤非接触検体の細胞増殖率をgrowth rateとした。3薬剤すべてで抗癌剤の感受性測定が可能であったのはHCC では16例(64%)で乳癌では30例(79%)であった。HCC で感受性ありと判定されたのはEPI に対しての1例のみであった。乳癌では27例(71.1%)で1薬剤以上に感受性ありと判定された。乳癌のgrowth rateが3.61±0.59であったのに対してHCC は1.04±0.11でありほとんど細胞増殖がみられなかった。これが感受性の判定に影響があったと推察された。HCC では細胞増殖が不良であり有効な測定結果を得るためには培養法の改良が必要と考えられた。
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症 例
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癌と化学療法 31巻13号, 2151-2153 (2004);
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化学内分泌療法が奏効した椎骨および脊髄髄内転移を伴った乳癌症例を経験した。症例は49歳女性。急速に出現した右下肢麻痺尿閉を主訴に来院した。左乳房に潰瘍を伴う径5cm の腫瘤があり下腹部より下位の知覚異常両下肢運動麻痺膀胱直腸障害を伴っていた。MRI で多発性の椎骨病変と脊髄髄内の異常が認められ左乳癌および多発性の椎骨脊髄髄内転移と診断された。CAF 療法3クール後神経症状は劇的に改善原発巣に対し姑息的に単純乳房切除術が行われた。組織型は硬癌でエストロゲンレセプタープロゲステロンレセプターとも陰性であったが維持療法として5′-DFURMPA 療法が行われた。その後も症状は軽快椎骨脊髄髄内病変も消失にまでは至らないもののさらに縮小した。初診より4年経過した現在も再燃徴候なく外来通院中である。
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癌と化学療法 31巻13号, 2155-2158 (2004);
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局所進行乳癌に対してdocetaxel(TXT)+epirubicin(EPI)+doxifluridine(5′-DFUR)を用いた外来での術前化学療法を5例に施行しその安全性および有効性について検討したので報告する。平均年齢は49.6歳化学療法前stageはⅡa 1例Ⅱb 2例Ⅲb 2例であった。方法は5′-DFUR(800mg/day)の14日間投与とTXT(60または70mg/m2)およびEPI(50または60mg/m2)の8日目投与を3週ごとに4コース施行した。grade3以上の白血球減少と好中球減少が4例にみられたがG-CSF 製剤の併用により外来投与も可能であった。その他問題になる有害事象は認めなかった。化学療法後stageⅡaおよびⅡbの3例はstageⅠにdownstageした。5例中2例に乳房温存が行われた。病理学的にはGrade2:2例Grade3:1例で胸骨傍リンパ節転移が1例にみられたが腋窩リンパ節転移は認められず有効性が示唆された。本療法は重篤な有害事象は認められず外来においても安全に施行可能で今後期待できる治療法の一つになるものと思われた。
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癌と化学療法 31巻13号, 2159-2162 (2004);
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症例は66歳男性。リンパ節転移を伴う上部食道の1+0-Ⅱb型進行食道癌(T 3N 1M 0 StageⅢ)に対し術前化学放射線治療を施行した。化学療法としてTS-1(80mg/m2)の21日間経口投与とCDDP(20mg/m2)の週1回計3回の点滴静注投与を行った。放射線治療は1回2Gy 総量30Gyの照射を行った。治療により腫瘍の著明な縮小が認められた後外科的に根治的切除を行った。術前治療の組織学的治療効果はGrade2であった。手術後の病理組織学的進行度はpT 2N 1M 0 StageⅡとなりTS-1/weekly CDDP 併用化学放射線療法によりdownstaging が得られた。
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癌と化学療法 31巻13号, 2165-2168 (2004);
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症例は89歳女性。食欲不振体重減少を主訴に来院した。諸検査により進行3型胃癌と診断した。TS-1(75mg/day分2)を入院中は2週間連日投与後1週間休薬で退院後は2週間連日投与後2週間休薬で繰り返した。投与2週目には食欲不振が消失し体重減少もみられなくなった。投与開始2か月で㈼c病変に変化し10か月後にはcomplete response(CR)となった。この間重篤な副作用はみられなかった。TS-1の本投与スケジュールは超高齢者の胃癌症例に対して安全かつ有効な投与方法であると思われた。
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癌と化学療法 31巻13号, 2169-2171 (2004);
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症例は66歳の男性で2001年4月に著明な腹水で発症腹水中より腺癌細胞を検出上部消化管造影検査で胃幽門前庭部中心の著明な拡張不良を認めスキルス胃癌癌性腹膜炎と診断した。TS-1内服治療で急速な腹水の消失胃拡張能も改善し長期緩解を維持している。
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癌と化学療法 31巻13号, 2173-2177 (2004);
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症例1:62歳男性。多発性肝転移を伴う噴門部胃癌に対してTS-1/CDDP 併用療法を行った。1コース終了時に原発巣は著明に縮小し肝転移巣およびリンパ節転移巣は消失した。原発巣は4コース終了後まで縮小していたが2か月の休薬期間中に再び増大した。症例2:67歳男性。多発性肝転移を伴う噴門部胃癌に対してTS-1/CDDP 併用療法およびTS-1単剤投与を行った。TS-1/CDDP を2コースTS-1単独を4コース終了時に原発巣は著明に縮小し肝転移巣およびリンパ節転移巣は消失した。TS-1単独を6コース終了時に原発巣は再び増大し肝転移巣およびリンパ節転移巣も再び出現した。多発性肝転移を伴う噴門部進行胃癌に対してTS-1/CDDP 併用療法が著効し患者のQOL を高く保つことができた2例を経験した。
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癌と化学療法 31巻13号, 2179-2181 (2004);
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今回われわれはpaclitaxel weekly投与(3週連続投与1週休薬)が肺転移に奏効した胃癌2例を経験したので報告する。症例1は73歳の男性でBorrmann 1型胃癌(7.5×6.5cm 大pap P0cy(−)H0mpn 2 stage㈽A ly2 v 2)にて胃全摘術後1年4か月後に多発性肺転移を来した。paclitaxel weekly 110mg(80mg/m??)投与8回後に5cm 大の肺転移は線状瘢痕様に縮小し症状も軽快し自宅での酸素吸入も不要になった。症例2も73歳男性でBorrmann 3型胃癌(4×3.5cm muc P 0cy(−)H 0sen 2 stage㈽B ly1 v 0)の幽門側胃切除術後7か月後の多発性肺転移に対しpaclitaxelweekly110mg(80mg/m??)が投与された。27回投与後に肺腫瘤は消失し(CR) 44回投与後の現在までの8か月間CR の状態である。paclitaxel weekly投与は胃癌肺転移に有効な治療法の一つと思われる。
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癌と化学療法 31巻13号, 2183-2186 (2004);
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進行再発胃癌に対してはTS-1がfirst-line chemotherapyとして用いられることが多いがTS-1が無効または投与不可能となった症例の治療方針は一定していない。今回われわれはTS-1療法後のsecond-line chemotherapyとして低用量weekly paclitaxel(TXL)療法を行った6例を経験した。症例は男性3例女性3例で平均年齢56歳であった。このうち4例は再発胃癌症例で2例は切除不能進行胃癌症例であった。TXL は80または100mg を週1回投与した。grade3以上の有害事象はなくgrade 1の白血球減少とgrade 2のヘモグロビン低下がそれぞれ2例みられた。投与開始後の平均生存日数は139日で5例が癌死し1例が投与開始382日目で生存中である。投与開始後の1年生存率は16.7%であった。低用量weekly TXL 療法はTS-1療法後の進行再発胃癌に対しても安全に投与可能で有用な治療法である。
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癌と化学療法 31巻13号, 2187-2189 (2004);
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TS-1投与後にlow-dose paclitaxel(TXL)療法が有効であった皮膚肺転移を有する再発胃癌例を経験したので報告する。症例は73歳男性。2000年4月3日に食道浸潤胃癌に対し左開胸開腹下に胃全摘出術を行い外来通院中であったが術2年4か月後にCA19-9の上昇と両肺および腹部皮膚に転移巣を認めた。TS-1投与を開始したが下痢のため中止となった。皮膚転移巣を出血のため切除した後low-dose TXL 療法(100mg/body 週1回投与1サイクル6週投与2週休薬)を開始した。投与5か月後には肺転移巣はそれぞれ左:62% 右:100%の縮小が得られCA19-9は2か月後にはcutoff値以下となった。副作用としてはgrade 3以上はなくgrade 1のヘモグロビン減少がみられたのみであった。TS-1投与不可能例に対するlow-dose TXL 療法は副作用も少なく外来で投与可能であり再発胃癌に対する有効な治療法であると思われる。
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癌と化学療法 31巻13号, 2191-2194 (2004);
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悪性中皮腫はまれな腫瘍であり診断治療の困難な腫瘍でもある。悪性中皮腫は予後不良であり診断時よりの生存期間は12〜17か月といわれている。悪性中皮腫に対する化学療法ではgemcitabine vinorelbineなどが使用されるがまだ十分な効果は得られていない。今回われわれはthalidomide celecoxib vinorelbine CDDP を併用し腹水の消失ならびに胸水をコントロールし得た1例を経験したのでここに文献的考察を加えて報告する。
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短 報
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癌と化学療法 31巻13号, 2195-2198 (2004);
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この論文は英文抄録のみ存在します。抄録部分は原則的に和文抄録のみ表示しております。(本文はご覧いただけます)
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連載講座
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【センチネルリンパ節の研究最前線 】
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癌と化学療法 31巻13号, 2199-2202 (2004);
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子宮癌におけるセンチネルリンパ節(SN)の検討はようやく緒に着いたばかりである。頸癌についてはSN の検出率は15〜100%までまちまちであり感度も66〜100%と決して臨床応用できる成績には達していない。体癌における検討も始まったばかりである。検出に用いるトレーサーは大別するとアイソトープ法と色素法がある。検出率ではアイソトープ法が優位だが色素法を併用することで補完することができる。わが国では放射線薬剤は99mTc標識フチン酸色素では1% isosulfan blueを用いた報告が多い。頸癌では頸部4方向に99mTc標識フチン酸を注入した報告が多いが体癌では体部注入頸部注入子宮鏡による注入などが試みられている段階である。臨床応用には解決すべき問題点も多くさらに試験を積み重ねていく必要がある。
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【臨床検査,診断に用いる腫瘍マーカー 】
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癌と化学療法 31巻13号, 2203-2206 (2004);
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肝細胞癌(HCC)の腫瘍マーカーにはα-fetoprotein(AFP) AFP-L 3分画protein induced by vitamin K absenceor antagonist-Ⅱ(PIVKA-Ⅱ)がある。AFP は特異度が低いがPIVKA-Ⅱと相関を認めずHCC のスクリーニングや治療効果判定に今もなお重要である。AFP-L 3分画はHCC に対する特異度が高く治療後にAFP-L 3分画が陽性であることは予後不良の指標となる。PIVKA-Ⅱの特異度はAFP に比べ高くPIVKA-Ⅱ陽性は将来の門脈浸潤合併の予測因子となる可能性がある。これら三つの腫瘍マーカーには相補性があるが保険上は同時測定が認められないためHCC のスクリーニングには腫瘍マーカーの交互測定と定期的な画像検査が必要である。
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Journal Club
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癌と化学療法 31巻13号, 2163-2163 (2004);
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用語解説
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癌と化学療法 31巻13号, 2138-2138 (2004);
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