治療学

慢性骨髄性白血病（CML）に対する標準治療であるイマチニブの抵抗性メカニズムには，点突然変異以外に付加染色体異常などの遺伝子の二次的変化も報告されている1）。当院においてダサチニブを投与して，付加染色体異常を有する移行期慢性骨髄性白血病（CML−AP）に対して有効であった 48歳男性の治療経過について，文献的考察を加え報告する。

ATRA（all−trans retinoic acid）治療後の急性前骨髄球性白血病の再発症例に対して，亜砒酸を用いた再寛解導入療法を行った。血液学的寛解導入に成功後，亜砒酸で地固め治療を行い，分子学的寛解となった。さらに自家末梢血幹細胞移植を行い，現在まで分子学的寛解を維持している。亜砒酸は ATRA 治療後の急性前骨髄球性白血病再発に対する標準療法として確立しており，使用法・副作用とともに紹介する。