脳神経外科速報

Volume 34, Issue 5, 2024
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目次
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特集【How To学術活動 研究・学会発表・論文・留学】
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【特集1】学術活動の概要と意義
34巻5号(2024);View Description
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別に学術活動なぞしなくともよい臨床医になれる.むしろ,現役の脳神経外科医を名乗りながら,患者の診療を怠って学術活動にうつつを抜かすような愚か者は許しがたい.そう思っているのに,なぜこんな企画を提案したのか? 学術活動とは何か? それに意義はあるのか? -
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【特集2】研究とは何か:進め方と注意点
34巻5号(2024);View Description
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「研究とは何か」―漠然とした問いだが,既存の医学の知識の蓄積のなかで,疑問に感じたことや解決されていない課題に対して,新たな解決策をみいだしたり,これまで知られていないことを発見したりすることと認識している.習った医学知識がすべて正しいものであると信じて疑わないでいると,発想が乏しくなり,研究力は身につかない.新しいことを発想するのは,とてもワクワクすることだと思うが,過去の報告・知見を調べ尽くして新規性を証明するためには,必要なデ-タを収集して,科学的な分析や統計学を用いる必要がある.さらに,ヒトを研究対象とする臨床研究では倫理観がとりわけ強く求められており,昔のように医師のモラルに任せた性善説では臨床研究はできず,「臨床研究法」を遵守しなければならない. -
【特集3】「レギュラトリ-サイエンス」の今後のさらなる重要性
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「レギュラトリ-サイエンス」という言葉は,我々医師の間にも徐々に浸透してきたが,具体的にどのような科学であるのかイメ-ジしづらいのではないかと思われる.そこで本稿では,レギュラトリ-サイエンスの概念と目的,取り組みなどを紹介し,レギュラトリ-サイエンスがどのような点で重要であるかについて考えてみたい. -
【Column 2】脳卒中・脳神経外科大規模デ-タベ-スの構築と利活用に向けて:J-ASPECT Study
34巻5号(2024);View Description
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【特集4】学会発表とは何か:進め方と注意点
34巻5号(2024);View Description
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学会(学術集会)とは,ある特定の学術分野(本誌の読者であれば脳神経外科学)の研究者たちが,自らの研究成果を発表したり,その内容について議論したりする場です.その場においては,当該研究分野の最新情報を得たり,研究者同士で意見交換を行ったりすることができます.一方で,会場で先輩や友人と再会することができたり,開催場所での観光などを通じて見聞を広めたりする機会にもなっていると思います.特に,日々の臨床業務に忙殺されている若手医師の場合には,一歩外に出て,息抜きができる機会でもあります.息抜きに関しては特に多く語れますが,本特集のコンセプトからは外れてしまうので,学術活動としての学会発表について話を進めていこうと思います. -
【Column 3】勢いのある学会発表のコツ
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発表には,症例報告,臨床研究,基礎研究,レビュ-など,いろいろな種類があります.どのような発表でも,与えられた時間内でメッセ-ジを伝えて終わらなければなりません.そのためには,スライドをいかに分かりやすく作るかが非常に大切です.スライドの枚数についていわれることがよくありますが(大抵は多すぎる),気をつけるのは枚数だけではありません.最も重要なのは,話している内容と表示している内容を一致させることです. 今から30 年以上前,私が初めて学会発表をした時のことです.痛いところを質問されてもうまく乗り切る能力は,まだありません.そんな時に上司からいわれたのは「発表の途中で聞いている人に疑問をもたせないように,スライドに書いてあることを述べて,余分なことはいうな」ということでした.学会発表については,このアドバイスは意外と的を射ていて,私は今でもそのように発表しています.本稿では,私が考える分かりやすい学会発表のためのスライド作成のポイントをいくつか挙げます. -
【特集5】論文とは何か:進め方と注意点
34巻5号(2024);View Description
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日本の研究力の低下が問題視されて久しいですが,年々,低下傾向との情報もあり憂慮すべき問題であると考えられます.本稿で日本全体の科学研究の問題点や解決法などに関してあえて述べることは差し控えますが,若手医師の研究が全体の科学研究力の底上げには必須であり,筆者の経験が若手医師の研究活動の参考になればと,筆を執りました. 論文には大まかに基礎研究と臨床研究を基にしたものがあり,筆者は京都大学大学院にて基礎研究を行い,その後,米国ピッツバ-グ大学へ留学し,ガンマナイフの臨床と研究を15 年間にわたり行いました(図1).筆者のピッツバ-グ大学留学後,Faculty として採用された後の200 本あまりの原著論文執筆の経験を基に臨床論文の書き方を述べます. -
【Column 4】投稿を進めているうえでの苦労
34巻5号(2024);View Description
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先日,はじめてのOriginal Article がアクセプトされましたので,私なりの論文執筆の苦労とその克服方法について紹介します.今後,はじめて論文を書く若手脳神経外科の先生方への一助となれば幸いです. -
【Column 5】研究の実施からaccept まで苦労した1 編〜ランダム化比較試験 RESCUE-Japan LIMIT〜
34巻5号(2024);View Description
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【特集6】留学先の選定と成果を得るために:直達手術編
34巻5号(2024);View Description
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専門医取得後,市中病院で4 年間勤務し,主に脳血管障害の治療に携わりました.よいトレ-ニングを受けている自覚はありましたが,日々の臨床が忙しく,自分の将来を考える余裕はありませんでした.そんな折,欧米の脳神経外科医は我々の数倍の手術数をこなしていると聞き,そのような異なる環境で働けば何か自分の目指す方向のヒントが得られるのではないかと考えたのが,臨床留学を志した理由です. 筆者は留学先としてトロント大学の臨床フェロ-プログラムのなかで,St. Michael’s Hospital のGeneral and vascular neurosurgery のコ-スを選びました(図1).このコ-スのボスはDr. R. Loch Macdonaldで,くも膜下出血の基礎研究・臨床研究の世界的な大家であり,その仕事ぶりに触れたいというのも大きな動機でした. 本稿では,脳神経外科直達手術への参加を主とした臨床留学の様子と成果を紹介します. -
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【特集8】留学先の選定と成果を得るために:脳血管内治療編
34巻5号(2024);View Description
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筆者は,フィンランド,カナダに臨床留学する機会に恵まれ,以前本誌で報告した 1,2).今回は本特集に沿った内容で,Toronto Western Hospital (TWH)でのInterventional Neuroradiology(INR)クリニカルフェロ-シップに関する筆者の経験について述べたい.なお,勤務の概要については既報を参考にされたい 1). -
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【Column 7】留学昔ばなし
34巻5号(2024);View Description
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先日,シカゴのAANS(American Association of Neurological Surgeons)で,新しくフェロ-になったと思しき何人かの先生が談笑している姿をみて,私がトロントでフェロ-をはじめたころを懐かしく思い出しました. 20年も前の自身の留学経験にこのような執筆の機会を与えていただきました本特集プランナ-の太田剛史先生に感謝申し上げます.私はスタンフォ-ド大学とトロント大学でそれぞれリサ-チフェロ-,クリニカルフェロ-として勤務しました.このように十分な時間をいただきました橋本信夫先生(京都大学名誉教授)に改めて深謝申し上げます. -
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【Column 9】現地での生活基盤の築き方:UCLA
34巻5号(2024);View Description
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2021 年5 月から2023 年3 月まで,私はカリフォルニア大学ロサンゼルス校 放射線科神経血管内治療部に留学する機会をいただきました.本稿では,この期間を通じて,現地での生活基盤をどのように築き上げていったのかについて,「渡航前の準備」「渡航直後の生活立ち上げ」「実際の生活」の3 つのフェ-ズで述べたいと思います.
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連載
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【脳神経外科随想 第3回】 Serendipity
34巻5号(2024);View Description
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「脳神経外科随想」への寄稿とともに「若手脳神経外科医へのエ-ルにつながる記事を」とのご依頼をいただき,少々当惑した.振り返れば,若いころから必ずしも長期プランをもって歩んできたわけではない私が,自身の経歴を紹介したところで,脳神経外科の道を究めようという高い志とともに具体的な処方箋を期待している読者にとって,果たして参考となるのだろうか…….しかし,こんな生き方もあるという“症例報告”も,これからどのように歩んでいくべきか迷っている若手医師には,多少は参考となることもあるかと思い直した.私が学生時代から現在まで,その時々で出会った諸先輩からどのような影響を受け,何を考えながらこの道を歩んできたのか,研究との付き合い方という側面から紹介する. -
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【専門医に求められる最新の知識 脳腫瘍】 小脳橋角部髄膜腫に対する経錐体骨法手術と周術期管理
34巻5号(2024);View Description
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頭蓋底髄膜腫手術は,頭蓋底骨削除やモニタリング,狭く深い術野での腫瘍摘出操作など,種々の技術を必要とする手術である.本稿では小脳橋角部髄膜腫を取り上げ,特に経錐体骨法(anterior transpetrosal approach:ATPA)手術における術前評価から術中留意点,周術期合併症について概説する.
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その他
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投稿論文
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【投稿論文:Case Report】 ミスマッチ修復遺伝子異常を伴う膠芽腫に対してペムブロリズマブが奏効した1 例
34巻5号(2024);View Description
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【投稿論文:Case Report】 未破裂脳動脈瘤頚部クリッピング時に生じた左島皮質の損傷が術後房室ブロックと心停止の発生に関与した可能性がある1 例
34巻5号(2024);View Description
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