インフェクションコントロール
Volume 15, Issue 1, 2006
Volumes & issues:
-
特集
-
- リスクマネジメントから捉える感染対策−重要なケアの基盤にある倫理的配慮−
-
-
1 感染対策に関わる倫理的諸問題
15巻1号(2006);View Description Hide Description①倫理とは社会を規律する規範である.その実現のために規則や法律がある.②患者隔離や医療従事者の就業制限の際には,基本的人権を制限していることに注意する.③基本的人権を制限することに合理性があるのは,公共の福祉が優先する場合のみである.④すべての当事者への十分な説明と同意により,感染対策に主体的に取り組む体制を作る. -
2 針刺し・切創発生時の倫理的な対応
15巻1号(2006);View Description Hide Description①針刺し・切創防止のために必要な情報を,医療従事者の目線に立って伝達する.②当事者に適切な対処が行えるよう,針刺し・切創直後のサポート体制を整える.③曝露後の対応を行う者は,当事者が自己決定できるよう,情報提供とサポートを行う.④感染性の有無を確認する検査を行う場合は,患者さんへのインフォームドコンセントを行う.⑤当事者のプライバシーには十分に配慮する.⑥報告システムにおける個人情報の取り扱いについて確認する. -
3 病院感染発生時の家族への対応—新生児集中治療室でのMRSA感染の事例経験から—
15巻1号(2006);View Description Hide Description①新生児集中治療室では,患者である新生児だけではなく,代諾者である両親に対しても倫理的配慮が必要である.②サーベイランスによって得られた情報をどのように共有するかということは,公益と個人情報保護の観点から十分に検討されなければならない.③オープンスペースである新生児集中治療室では,プライバシーに対する配慮が重要である.④感染管理担当者との協働によって,より適切な情報を両親に提供することができる. -
4 感染管理担当者と医療安全管理担当者の連携と協働—医療安全の推進—
15巻1号(2006);View Description Hide Description病院感染に関わる問題の多様化,また感染対策の実施における安全管理の視点の必要性,さらに,ともに組織横断的活動を行う役割を持つことからも,ICNと医療安全管理部門の連携は欠かせない.特に医療安全管理者とは風通しのよい関係性を保つことが望ましい.ICNの活動をアピールするとともに,医療安全を推進させていく力となれるよう,ICNの資質を高めていく必要がある. -
5 病院感染対策と倫理的な配慮—感染管理担当看護師の役割—
15巻1号(2006);View Description Hide Description①病院感染対策は,医療倫理原則の「恩恵・無害の原則」に基づく行動といえる.②病院感染対策上の倫理的配慮において,感染管理担当看護師の役割には,「アドボカシー(表2参照)」「責務・責任」「協力」が挙げられる.③感染管理担当看護師は,患者の擁護者・代弁者として患者の利益を守る役割を持つ.④病院感染発生時は,疫学的視点からの調査を行うとともに,エビデンスに基づく最善の対策を立案・実行する責任を持つ.⑤病院感染対策は関係部門との協力・協働が必須であり,感染管理担当看護師はその中心的役割を担う. -
6 針廃棄容器の改善計画の導入とその評価
15巻1号(2006);View Description Hide Description患者を病院感染から守ると同時に,医療施設で働く職員を感染から守ることは,安全管理上極めて重要である.職業感染対策のなかでも,血液・体液曝露,特に針刺し・切創は大きな問題である.医療の高度化に伴い観血的処置が日常的に行われるなか,その発生リスクはますます高くなると考えられる.当院では,針刺し・切創防止策の一つとして,携帯型針廃棄容器の導入を行った.本稿ではその経緯と評価について述べる. -
-
新連載
-
- 沖縄美ら島だより
-
- ロールプレイDe サーベイランス
-
-
連載
-
- フロントエッセイ
-
- TOPIC
-
- 月刊CDCガイドラインニュース
-
- IC日記
-
- TOPIC
-
- 今さら聞けない感染対策の“常識”
-
- 知っているようで知らなかった! 感染症と微生物検査Q&A
-
- 感染対策に使える! 特選海外文献
-
- ICD活動報告書−ICD's Pearls−
-
- CDC客員研究官のウラ話
-