インフェクションコントロール

①医療機関は，感染性医療材料の消毒・滅菌を第三者機関に外部委託してはならない．②滅菌業務の院内委託基準は近々示される．③規模の大きい医療施設ほど，業務委託の利用を導入している．④廃棄処分する汚染器材は，廃棄物処理法が適用される．⑤滅菌業務受託者が用いる容器は，密閉性，防水性および耐貫通性のものに変更される．

①酵素系洗浄剤は40℃で洗浄力が最も強い．②手洗浄は立派な洗浄方法である．③ウォッシャーディスインフェクタの熱水処理は，必須要素ではない．④汚染物が乾燥した場合，洗浄が困難になる．⑤酵素系洗浄剤に浸漬すると効果がある．⑥残存蛋白質量を測定することで，洗浄効果が判定できる．⑦残存蛋白質量は，拭き取りまたは抽出法で測定できる．⑧インジケータを使用することで，洗浄機の不調（洗浄不良）を判定できる．

①耐熱性のない軟性鏡の再処理には，高水準消毒あるいは低温滅菌を行う．②軟性内視鏡を消毒する場合は，洗浄，消毒，すすぎ，乾燥，保管の5つのステップを確実に行う．③マニュアルには，これらのステップについて具体的に記載する．④管理ノートを作成し，再処理のプロセスについて記載する．⑤感染症の有無に関わらず，すべての被験者に対して同様の再処理を行う．

①人工呼吸器関連の器材の消毒には，熱水が最も適している．②肺結核患者に使用した器材の消毒は，熱水や消毒薬（グルタラール，フタラール，過酢酸，次亜塩素酸ナトリウム，アルコールなど）により行う．③肺結核患者が使用した病室の消毒は，基本的には不要である．

①高圧蒸気滅菌での生物学的インジケータの使用頻度は，週に1回以上実行すべきである．酸化エチレンガス滅菌では毎回使用を，過酸化水素低温ガスプラズマ滅菌では1日に1回以上の使用を，可能な限り採用すべきである．なお，すべてのインプラント類では，生物学的インジケータを滅菌ごとに使用し，培養結果が陰性であることを確認して払い出しする．②滅菌物のすべての包装外部に，クラス1のプロセスインジケータを貼布（印字）し，包装内部にはクラス4以上の化学的インジケータを挿入し，滅菌工程の確認を行う．滅菌バッグやコンテナの内部では，最も滅菌の困難と思える部位にインジケータを設置するのが望ましい．

①滅菌バリデーションとは，滅菌終了後に無菌性保証レベルの製品を定常的に得るため，「滅菌工程が適格に行われること」を，科学的根拠に基づき検証・確認することである．②滅菌器材の材質，包装材やその形態，また積載量などが滅菌工程に影響を及ぼす．③滅菌の前処理としての洗浄は重要である．④滅菌する器材に適した滅菌方法と適合性を有し，バリア性のすぐれた包装材を使用して滅菌が完全に行われたものには，「菌のないところに菌は生えない」といわれるように，その無菌状態のままでは新たに菌は発生しない．⑤滅菌物に材質の保証期限はあるが，滅菌有効期限はない．⑥滅菌物の質保証が損なわれるのは，時間の経過とともにではなく，滅菌物に対するさまざまな出来事（event）による．

言葉だけでは伝わりにくい，感染対策に関連する“手技”．「職員にうまく伝えられない……」というあなたのために，本連載では，カラー写真でわかりやすく手技のポイントを解説します．職員の教育などにご活用ください！