インフェクションコントロール

感染対策の目標は，「患者を守る」「職員を守る」「医療資源の適正使用」そして最終的には「良質な医療の提供」である．これらを達成するために，各現場の責任者であるリンクナース（LN）の役割は大きい（表1）．専任の感染対策担当者を配置できず，また職員の異動の激しい当院では，LNは短期間に感染対策の知識と技術を身に付けなければならない．さらに，サーベイランスを実践してその意味を解釈できるようになるために，さまざまな工夫を行ってきた1）．ここではLNを成長させるための宿泊研修（以下，合宿）について述べる．

沖縄県立中部病院は，救命救急センターを併設するベッド数550床の臨床研修病院である．臨床検査技師，診療放射線技師，薬剤師は3交代制を導入している．検査技師総数は45名で，細菌検査室は6名が配置されている．現在89名の若い医師が研修中であり，検査技師も研修医の教育に積極的に携わっている．ここでは，当院における細菌検査室の教育への取り組みについて述べる．

今回の執筆にあたり，プランナーの藤本先生からご依頼があった時にお約束したことがあります．それは「今まで有識者の方々が述べている学問的なプレゼンテーション技法に関わりなく，私がつね日ごろ考え行っている方法でよいですか？」という私の問いかけに対して「それを記載していただきたい」ということでしたのでお引き受けいたしました．もちろん専門家の方々が行っておられるプレゼンテーション技法を否定するものではありませんが，今回記載する内容は，読者の皆さんが，いわゆる有識者の専門家の方々から学ばれたプレゼンテーション技法とはかけ離れた経験的な内容であることをご容赦いただきたく存じます．