インフェクションコントロール

Volume 17, Issue 2, 2008
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特集
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- 現場の疑問解消!「一歩踏み込んだサーベイランス活動」のための相談室
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1 血管内留置カテーテルサーベイランス
17巻2号(2008);View Description
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①サーベイランスで用いる疾患定義は,感度,特異度など妥当性を評価し,公表されているものを用います.日本では,CDCのNNISシステムの疾患定義が多く用いられています.②判定に迷うときは,主治医や現場スタッフからも情報収集を行い,収集した情報をもとにICDと,あるいはICT内で協議します.③判定に迷ったケースは,なぜ「感染あり」としたか,あるいは「感染なし」としたかを記録に残しておき,つねに一定の判定が可能なようにしておきます. -
2 手術部位感染サーベイランス
17巻2号(2008);View Description
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①手術部位感染は,NNISマニュアル診断基準に照らし合わせて判定します.②判定は基準を熟知した者が行い,判定に迷う場合は外科医と協議します.③手術部位感染か逆行性感染か判断がつかない場合は,個々の施設でどのように取り扱うか一定の基準を作るとよいでしょう.④観察して感染の徴候が疑われる場合は,培養検査をしてみましょう. -
3 尿路感染サーベイランス
17巻2号(2008);View Description
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①尿路感染は,急性期で起こる感染症のうち約4割という高い割合を占めています.そのうちの約7〜9割が尿道留置カテーテルの挿入に関連しているといわれています.②尿道留置カテーテル挿入中は感染徴候・症状をしっかり観察する必要があります.③無症候性細菌尿の診断基準を使用して尿路感染サーベイランスを行う場合には,対象と目的を明確にして行うことが必要です.④尿路感染サーベイランスは継続して行う必要があります. -
4 人工呼吸器関連肺炎サーベイランス
17巻2号(2008);View Description
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①人工呼吸器関連肺炎(以下,VAP)は,X線写真と臨床における症状・徴候,さらに検査所見の項目がアルゴリズム形式になった判定基準を用いて,感染を判定します.②医師・看護師・臨床工学技師などの臨床現場のスタッフと,いかに連携・協働できるかが,サーベイランス継続と成功の鍵になります. -
5 現場スタッフへの効果的なフィードバック
17巻2号(2008);View Description
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サーベイランスの目的である感染率の低減は,効果的なフィードバック無しでは達成できません.フィードバックでは,アウトカム(感染率)やプロセス(過程)を,改善活動を行える対象者(現場のスタッフや管理責任者)に対して,効果的なタイミングと手法をもって提供します.そのうえで,感染対策担当者と協働して改善のためのサイクルを展開していくことが大切です.サーベイランスに関する現場の正しい理解と協力を得る努力を図り,信頼関係を築くことで,効果的なフィードバックが可能になります. -
6 サーベイランス全般についての疑問
17巻2号(2008);View Description
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①効果的なサーベイランスを行うために大切なことは,「適切な対象を選択する」「妥当性の検証された一定の診断定義で感染診断を行う」「リスク調整された比較可能な感染率を求める」の3点です.②ベースライン感染率を知るには,少なくとも数ヵ月程度の期間を要します.③対象患者が少ない場合や発生頻度の低い感染症を対象にする場合は,さらに長い期間を要します.④統計処理を行う場合の注意点は,その結果を過信しないことが大切です.⑤症例数の少ないサーベイランスデータに統計処理を行う場合には,特に注意が必要です. -
7 厚生労働省院内感染対策サーベイランス事業(JANIS)新システムについて
17巻2号(2008);View Description
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厚生労働省による院内感染対策サーベイランス事業(以下,JANIS)は,薬剤耐性菌,院内感染(病院感染)に関する全国的なサーベイランスです.2007年に,還元情報や収集データ項目の見直しなど,サーベイランスシステムの大幅な更新が行われましたので紹介します.
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連載
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- フロントエッセイ
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サイエンス,コミュニケーション,アート,癒し
17巻2号(2008);View Description
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最近,医療に限らず,人の健康に関わる仕事には「サイエンス,コミュニケーション,アート,癒し」が重要なキーワードではないかと思うことが多い. - 感染管理認定看護師 私の研修ライフ
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北海道医療大学認定看護師研修センター
17巻2号(2008);View Description
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この連載では,感染管理認定看護師を目指す全国の研修学校の生徒の方々にスポットを当て,研修生活の模様をリレー形式で紹介していただきます. - 写真で教えよう!感染対策の“手技”
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ラウンド時のチェックポイント(2)
17巻2号(2008);View Description
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言葉だけでは伝わりにくい,感染対策に関連する“手技”.「職員にうまく伝えられない……」というあなたのために,本連載では,カラー写真でわかりやすく手技のポイントを解説します.職員の教育などにご活用ください! - 月刊CDCガイドラインニュース
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帯状疱疹と水痘ワクチン
17巻2号(2008);View Description
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一般人の約十五〜三〇%が生涯に帯状疱疹を経験する。そして、この割合は平均余命が増加するに従って増加すると推測されている。CDCが公開した「水痘の予防」(http://www.cdc.gov/mmwr/PDF/rr/rr5604.pdf)を読んでいたら、帯状疱疹と水痘ワクチンの関連には、大変興味深いものがあることに気付いた。 - IC日記
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システム情報を活用した感染対策
17巻2号(2008);View Description
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当院は聖徳太子建立の四天王寺の近隣に位置し、「和を以て貴しと為す」の教えを引き継ぐチーム医療を実践しています。院内感染対策チーム(ICT)は平成十二年四月に発足しました. - ICMTから発信!微生物検査室のSign/北国の教壇から
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感染症検査・感染対策との出会い/認定看護師教育と私
17巻2号(2008);View Description
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初めまして.本コラムを担当させていただきます山本と申します.私はとある地域中核機能病院で,微生物検査とICTを兼任する臨床検査技師です.感染症検査・感染対策に関与して今年で14年目(年齢がばれる…),2007年にICMTを取得し,感染対策活動に日々精を出しています./北海道医療大学の認定看護師研修センターは,札幌から電車で約50分の自然に囲まれた当別町にあります.大学の窓からは,春は渡りの白鳥,夏は広がる水田,秋には山の紅葉,そして冬にはどこまでも続く一面の銀世界を見ることができます.つねに多くの自然に囲まれながら,こちらの研修生は勉強しています. - ICN Sachikoの感染対策奮闘記
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ICNだけど敷地内禁煙見回りおばはん出陣
17巻2号(2008);View Description
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皆さんの施設も,敷地内全面禁煙ですよね? ウチは,以前は外に喫煙場所が1ヵ所あったのですが,その後全面禁煙が労働安全委員会で決定され,承認を得ました.私も委員会メンバーとして(ICNは,労働安全委員会にも入っていることが多いですよね),リーダシップ(何でも噛みたい)を発揮して成功しました…いいえ,したはずでした. - カンセナー救済企画 現場の疑問氷解Q&A
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卓上型吸引式管状器械洗浄機の検討成績
17巻2号(2008);View Description
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"""鏡視下手術は,体壁を大きく切開する従来からの術式と比較して,術後の回復が早いなどの利点があり,泌尿器科や消化器外科などの手術に広く採用されている.さらに,今後は画像処理技術の進歩に伴って,臓器と血管などの位置関係がより鮮明に把握可能となり,鏡視下手術はますます増加すると思われる.使用後の鏡視下手術器械(以下,管状器械)内腔には,感染性を有する血液や微細組織片が混入しており,これらを洗浄によって分解・除去して機能を維持するとともに,確実な滅菌を保証して再使用しなければならない.現在,管状器械の洗浄には手洗浄,ウォッシャーディスインフェクタ(以下,WD)管状器械専用ラックによる洗浄などがあるが,今回我々は卓上型吸引式管状器械洗浄機を検討する機会を得,種々実験を重ねた結果,管状器械内腔を高い清浄度を保って洗浄可能である成績が得られたので報告する."""