Volume 17,
Issue 10,
2008
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特集
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なぜできない?マニュアル徹底のための秘訣
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インフェクションコントロール 17巻10号, 967-967 (2008);
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インフェクションコントロール 17巻10号, 968-972 (2008);
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大阪府済生会千里病院(以下,当院)は,平成18 年4 月大阪府立千里救命救急センターを救急部として併合,343 床を有する急性期医療機関となりました.また,平成18 年7 月に新病院へ移転したため,ハード面での著しい変化に伴い,マニュアルの内容の統合にとどまらず,感染対策マニュアルを新たに作成していくことにしました.さらに,病院機能評価機構の受審を控えていたため,マニュアルの整備を急がねばならない状況でもありました.
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インフェクションコントロール 17巻10号, 974-981 (2008);
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インシデントや“ ヒヤリ・ハット” ケースなどの原因を追究するなかで,業務手順やマニュアルが明確になっていないことが指摘され,基準,手順,マニュアル,ガイドラインなどの標準化が求められてきました.看護の領域では,こうした基準,手順,マニュアルなど(以下,マニュアル)が看護業務の標準化体系として位置付けられています1, 2). また,財団法人日本医療機能評価機構審査を受け,質の高い医療を提供しているといえるためにも,標準化したマニュアルは必須です3).たとえば,「適切な血管内留置カテーテル管理が行われている」という評価項目があるとすれば,サーベイヤーは何をもってそれを評価するでしょうか.第一には,適切な管理が行えるための標準化されたマニュアルがあることで,これがなければ当然,その施設で統一された血管内留置カテーテル管理が行われていると判断し難いでしょう.第二は,マニュアルに沿った適切な管理が確実に行われているかという指標です.この場合,マニュアルを活用して血流感染が減ったというアウトカムではなく,血流感染の発生動向を観察しているというプロセスが求められます. 医療の質を保証することは医療安全の提供につながります1).よってマニュアルは,なくてはならないもの,かつ守らなければならないものです.しかし,現場ではマニュアルを十分活用したケアや処置が提供されないために起こる,ヒヤッとする場面に遭遇することがあります.こうした問題を解決するための当院の取り組みを紹介します.
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インフェクションコントロール 17巻10号, 982-985 (2008);
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病院感染による細菌尿やカンジタ尿を発症する患者は,7 日以上の尿道留置カテーテル挿入患者の25%に達し,1 日あたりの感染リスクは5%である1-3)とされています.また,カテーテル留置後30 日までには閉鎖式ドレナージシステムを使用しても,カテーテル留置患者のほぼ全員に細菌尿が認められ1, 4),尿道留置カテーテルを介した耐性菌による院内伝播がしばしば報告されています.当院では2005 年に多剤耐性緑膿菌(Multidrugresistant Pseudomonas aeruginosa,MDRP)*のアウトブレイクを経験し5),より有効な対策を模索してきました.緑膿菌の伝播に際しては,尿路は呼吸器とともに重要な因子であり,尿道留置カテーテル使用の適切な管理,対策の維持は,リスク低下に大きく寄与することになります. 本稿では,当院における取り組みを中心に,尿道留置カテーテル管理マニュアルの周知徹底について考えたいと思います.
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インフェクションコントロール 17巻10号, 986-990 (2008);
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米国疾病予防管理センター(Centers forDisease Control and Prevention,CDC)は1999年に「手術部位感染防止ガイドライン」(Guidelinefor the Prevention of Surgical Site Infection:以下,CDC ガイドライン)を発表しました1, 2).これには多くの文献レビューによるエビデンスが収載されており,周手術期における感染予防対策が示されています. 当院では,2001 年より手術部位感染(SurgicalSite Infection,SSI)サーベイランスを開始しています.CDC ガイドラインで勧告されている項目を対策に取り入れ,サーベイランスを行い対策の評価を行うことで,マニュアル改訂に結び付けています. 当院で実施している方法を紹介します.
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インフェクションコントロール 17巻10号, 991-994 (2008);
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平成19 年4 月の医療法改正により,病院・有床診療所だけでなく無床診療所にも「医療安全管理指針」の策定が求められるようになりました.また,「医療安全管理指針」に即した病院感染対策マニュアルの整備および定期的な見直しをすることも病院としての責務となっています. しかし,いくら立派なマニュアルが作成されても,院内の状況に合わない内容であったり,マニュアルの内容が徹底されていなければ意味がありません.特に針刺し防止対策においては,施設により採用されている安全装置付き器材や耐貫通性の針捨て容器が異なるため,施設の実情にあったマニュアルの作成が必要となります.また,「針刺し防止マニュアル」にかぎらず,マニュアルの内容を1 人1 人の職員に徹底させることは容易ではなく,さまざまな働きかけが必要となってきます. 今回は,当院の「針刺し防止マニュアル」改訂のポイントと,徹底のための工夫を紹介します.
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インフェクションコントロール 17巻10号, 995-1002 (2008);
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マニュアルに検体採取のポイント(表1)を掲載する場合,特に必要な内容は以下の事柄です.①検体容器の種類と適応検体について②適切な採取と保管方法について ③提出場所・受付時間など,院内の取り決めごと④マニュアル整備の活用案内(改訂時の通知) このなかで,マニュアルの上位項目に当てはまるのは検体容器で,特に嫌気性や好気性といった容器の違いが重要です.しかし容器に多くの種類はありません.容器自体に関する説明もさることながら,容器の準備には時間的猶予がありますので,マニュアルに掲載することで活用されるでしょう.
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インフェクションコントロール 17巻10号, 1003-1007 (2008);
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国内で新型インフルエンザが発生し,その伝播力が従来のインフルエンザ同様であれば,一般外来および救急外来は患者で溢れ,職員や入院患者が二次感染の曝露を受けるリスクは大きいと考えられます.東京都および地域保健所の新型インフルエンザ対策行動計画を受けて,当院でもICTが中心となりワーキンググループを作成し,当院における対策および平常時からの予防についての検討を行ってきたので紹介します.
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インフェクションコントロール 17巻10号, 1008-1009 (2008);
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耐性菌に困っていない医療機関は日本のどこにも,いや世界中のどこを探しても無いでしょう.数年前までは,耐性菌ができてしまっても,耐性機構に打ち勝つような新たな抗菌薬が開発されてきましたので,耐性菌の治療にはそれほど困難をきたすことはなかったのですが,最近は抗菌薬の開発速度も鈍っています.耐性菌に関する将来展望は決して明るくありません.感染症を正しく診断し,その起因菌を迅速に同定し,現在ある抗菌薬を上手に使う(抗菌薬の適正使用)ことが必要であることは言うまでもありません.
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新連載
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院内指導にそのまま使える 感染対策まちがい探し
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インフェクションコントロール 17巻10号, 947-951 (2008);
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場面写真による「まちがいさがし」方式で,感染対策の基礎を学ぶ連載です.勉強会などの院内指導の場で,上手に活用しましょう!
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グローバル化時代をどう生きるか
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インフェクションコントロール 17巻10号, 1015-1015 (2008);
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私は,米国から帰国して丸3 年,自治医科大学にて,感染症の診療および教育に全力を注いできた.当院の感染制御部長の森澤雄司先生らと,一生懸命よりよい医療を患者に提供するための努力をしている. しかしながら,医療現場では,耳を疑うような事故・事件があとを絶たない.
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プロの真価が問われる コンサル手順 冒頭10分
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インフェクションコントロール 17巻10号, 1026-1035 (2008);
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現場からの第一報を受け,担当者は限られた時間のなかでまず何を伝えられるか? 初動「10 分」こそプロの真価が問われる瞬間です.その場で役立つ手順書を感染症ごとに連載します.
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連載
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フロントエッセイ
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インフェクションコントロール 17巻10号, 937-937 (2008);
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インフルエンザは毎年秋から冬にかけて流行するよく知られた呼吸器感染症ですが,近年,アジアを中心とした高病原性鳥インフルエンザの家禽での流行と散発的にみられるヒトへの感染およびその死亡率の高さで注目を浴びています.インフルエンザウイルスに感染しないためにはどうすればよいでしょうか.ワクチンを接種すれば,ウイルスに感染しなくなるでしょうか.
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IC日記 感染対策、戦国時代。
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インフェクションコントロール 17巻10号, 952-952 (2008);
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当院は、回復期リハビリテーション(以下、回復期リハ)病床一五二床を含む、五八一床を有する療養病床です。私は七年前から感染対策委員会に所属していましたが「療養病床での感染対策はどこまで進めたらよいのだろう」という迷い・疑問がいつも気持ちの隅にありました。そこで、療養病床での感染対策を深めたいと、平成十九年七月に感染管理認定看護師の資格を取得しました。 教育課程在学中には「感染対策活動で最初に取り組むことは、自施設の状況を知り戦略を立てること」と教わり、SWOT分析で自施設の状況を分析しました。
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月刊CDCガイドラインニュース
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インフェクションコントロール 17巻10号, 953-953 (2008);
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妊娠中や授乳中のインフルエンザワクチンの接種について、胎児や乳児が心配で不安を感じる人がいるが、心配はない。むしろ接種すべきである。「インフルエンザの予防と制御」(http://www.cdc.gov/mmwr/pdf/rr/rr57e717.pdf)を紹介する。
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院内勉強会に使える 感染対策問題集
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インフェクションコントロール 17巻10号, 954-956 (2008);
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自己学習や院内での啓発活動・勉強会時に活用できる問題集です.感染対策の知識を短時間で正確に理解しましょう.
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ICMTから発信! 微生物検査室のSign/広尾の教壇から
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インフェクションコントロール 17巻10号, 1014-1014 (2008);
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ICMT として感染対策に従事していると,切っても切れないものに“ 微生物” があります./本学の教育課程も,8 月で研修の半分が終了しました.前期カリキュラムのなかで,研修生にとって「楽しかった」という声の多い研修の一つは,微生物検査の演習です.
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カンセナー救済企画 現場の疑問氷解Q&A
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インフェクションコントロール 17巻10号, 1021-1025 (2008);
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皆さんの日常現場での疑問やお悩みに,ICN がズバッとお答えします!