インフェクションコントロール

Volume 21, Issue 8, 2012
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目次
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連載
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TOPIC
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連載
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取材
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【第1回 日本感染管理ネットワーク学術集会】
21巻8号(2012);View Description
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一般社団法人 日本感染管理ネットワーク(ICNJ)は今年で設立10周年を迎え,これまで年に2度開催されてきたICNJ 研修会は,形態を新たに「学術集会」となった.その記念すべき第1回学術集会は,2012年5月18日~ 19日,川崎市教育文化会館で開催された.大会長は森下幸子先生(医療法人永広会).参加者は,感染管理認定看護師(ICN)のほか,感染対策に関心のある学生などを含めて855名が集まった.「進化する感染管理に向かって」をメインテーマに,これまでの10年を振り返るとともに,現状の課題を共有する機会となった. -
【院内マニュアル改訂とICN の活動】
21巻8号(2012);View Description
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「血管内カテーテル関連感染防止CDC ガイドライン」が2011年4月,9年ぶりに改訂されたことを受け,各施設ではカテーテル管理の見直しが図られている.福島県立医科大学附属病院での中心静脈(CV)カテーテル管理の実際について,同院 感染管理認定看護師の森 浩子先生が紹介した.2012年5月19日,第1回日本感染管理ネットワーク学術集会ランチョンセミナー(協力:吉田製薬株式会社)にて.司会は内山正子先生(新潟大学医歯学総合病院).
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連載
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特集
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1.抗菌薬の使い方,どこがどう間違っているか
21巻8号(2012);View Description
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抗菌薬スチュワードシップを行うにはICT は感染症診療の基本をよく知るべきである.まずは病歴と身体所見,適切な検査をもとに感染臓器(フォーカス)を絞る.次にフォーカスと患者因子(ホストファクター),グラム染色などで起因菌を予想して適切な抗菌薬を選ぶ.治療開始後も患者の状態と培養結果により抗菌薬を変更する必要があるかを判断する.ICT は単純に抗菌薬の使用制限を行うのではなく,積極的に病院全体の感染症診療の支援を行うことが重要である. -
2.抗菌薬の適正使用には現場の医師をこうやって取り込め
21巻8号(2012);View Description
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抗菌薬処方を適正化する第一歩は,最も頻繁に遭遇する感染症に対するマニュアルを作成することである.ただし,遵守率の高い抗菌薬マニュアルをつくるための第一歩は,ICTが単独で製作して配布しないことである.ICT が作った「上から目線」のマニュアルでは,「やらされている感」が避けがたいからである.そこで各診療領域の専門家を抗菌薬マニュアル製作の場に引き込んで作る「オレたちのマニュアル」を目指せば,この問題は比較的簡単に解決へ向かうのである. -
3.米国における専門薬剤師の役割とその教育課程
21巻8号(2012);View Description
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米国では薬剤師レジデンシープログラムによる臨床薬剤師・専門薬剤師の系統的な教育が行われている.薬学部から薬剤師レジデンシープログラムまで感染症教育は一貫して実践的に行われ,臨床薬剤師と感染症専門薬剤師の育成により米国の感染症治療/感染対策に貢献している.筆者が米国における薬剤師レジデンシープログラムを修了した経験から,米国における臨床薬剤師・専門薬剤師教育を紹介する. -
4.ICT 所属薬剤師がサポートする適切な抗菌薬投与に向けた検討
21巻8号(2012);View Description
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①抗菌薬の投与は症例ごとに検討していく必要がある.② 抗菌薬投与における有効性の検討は,薬物動態学(PK)的検討と薬力学(PD)的検討からなる.③ PK 的検討は感染部位への薬物の移行性の検討であり,PD 的検討は抗菌薬の起因微生物への抗菌活性の検討である.④ 血中薬物濃度を用いたTDM は,抗菌薬投与の検討において有用であるが,数字の独り歩きには十分に注意する必要がある. -
5.ICN は抗菌化学療法にどう介入するか
21巻8号(2012);View Description
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抗菌化学療法の適正化が臨床の現場に求められるようになって久しいが,治療は医師の領分であり看護師が介入することは難しい.近年,感染対策チーム(ICT)を中心に,組織的に抗菌薬の適正使用を進める施設が増えている.施設内でコンセンサスがある対策には感染対策担当看護師(ICN)も積極的に関与していくべきである.本稿では,看護師も知っておくべき抗菌化学療法の知識をまとめ,ICN として関わるべきことについて記述する. -
6.ICN は抗菌化学療法に関して臨床現場に何を求めて,ICD に何を求めているか
21巻8号(2012);View Description
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①抗菌薬適正使用のゴールは,患者の予後を改善させることである.②チーム医療とは,各職種が連携して患者中心の医療の実現を目指すものである.③抗菌薬適正使用の推進はチーム医療の1 つであり,ICN とICD の連携は欠かせない.④医師とともに看護師が感染症の診療に参加することで抗菌薬適正使用が実現する.⑤ 感染対策の実施により感染の拡大を予防し,感染症の発症を減少させることで抗菌薬の使用が減少し,抗菌薬適正使用の本質的なゴールに到達する. -
7.抗菌薬選択に関わるICMT の役割
21巻8号(2012);View Description
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臨床微生物検査は,感染症に対する抗菌薬治療に大きく関わっている.その成績を迅速かつ正確に臨床側に伝えるのは臨床微生物検査技師の使命である.とりわけそのなかでも,ICMT はその役割において,感染症治療に寄与できる的確な助言を臨床側に行わなければならない立場にある.本稿では感染制御認定臨床微生物検査技師(ICMT)もしくは臨床微生物検査技師が抗菌薬治療にどう関わっていくかを考えてみたい. -
8.アンチバイオグラム活用のすすめ
21巻8号(2012);View Description
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「アンチバイオグラム」は微生物検査室で得られた薬剤感受性試験の成績を基準に作成される.作成する際には,自施設での薬剤感受性試験方法および採用されている判定基準とブレイクポイント値(感性,耐性のMIC 値)を正しく理解することが重要である.アンチバイオグラムを医療従事者に提示する場合には,感性率や耐性率のみを報告するのではなく,判定基準などの条件を詳細に明記するのが重要なポイントといえる.
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取材
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【第86回 日本感染症学会総会・学術講演会】
21巻8号(2012);View Description
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2012 年4 月25 日(水)~ 4 月26 日(木)の2 日間,第86 回日本感染症学会総会・学術講演会が,河野茂先生(長崎大学病院)を会長に長崎市の長崎ブリックホールなど3 会場で開催された.「感染症学の未来を創ろう」をテーマに,領域における最新のトピックから,人材育成や病院感染対策まで幅広いテーマでセッションが企画され,多くの参加者を集めた.
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その他
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連載
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【Hospital Epidemiologist のイキイキ活動日記】 謎解きはシリーズのはじめに/【感染症から歴史がみえる! IC 誌的医史学よもやま話】 天然痘:あばたもえくぼ 漱石の頬
21巻8号(2012);View Description
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その他
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取材
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第2特集
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1.マラリアの最近の話題と院内伝播の危険性について
21巻8号(2012);View Description
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①ヒトに感染するマラリアは現在5 種類ある.②熱帯熱マラリアは致死的であり,診断に急を要する.③マラリアの診断の基本はギムザ染色である.④イムノクロマト法はマラリア診断の補助として有用である.⑤針刺しによるマラリアの感染が報告されている.⑥針刺し発生時には抗マラリア薬投与も考慮する.⑦マラリアの予後判定にプロカルシトニンが有用である. -
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3.トラベルワクチンの考え方と接種状況
21巻8号(2012);View Description
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① トラベルワクチン接種の主な対象は,1. 渡航先への入国にワクチン接種が要求される疾病(黄熱,髄膜炎菌),2. 重症度は低いが感染リスクが高い疾病(A 型肝炎,腸チフスなど),3. 感染リスクは低いが重症度が高い/ 慢性化する疾病(破傷風,狂犬病,B 型肝炎など)である.② トラベルワクチン接種にあたっては,渡航地域別に推奨されるワクチンを選択し,渡航までの期間に基礎免疫が終了するようなスケジュールを立案する.③ トラベルワクチンの種類は,a. 国産ワクチン,b. 国産ワクチンのオフラベル使用,c. 国内未承認輸入ワクチンに分類され,原則として副反応出現時の補償制度が確立しているa を優先するのが無難であり,b・c が必要な場合は,接種にあたり十分な説明と同意が必要である. -
4.性感染症と感染対策
21巻8号(2012);View Description
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① 感染症に詳しい医療従事者であっても,性感染症は個人の問題とみなしがちである.このため施設や地域における迅速対応や予算確保の障壁となりやすい.② 本来プライベートな行為で広がる性感染症のなかには,施設の感染対策担当者が対応すべきものもある.③ 性感染症の治療において薬剤耐性菌が問題となっており,国内外における抗菌薬適正使用,耐性菌モニタリング,サーベイランスシステムが課題となっている.④ 患者だけでなく職員にもHIV,HBV,HCV に感染している人はいる.職員の職務上の権利や安全を擁護することも感染対策担当者の責務の一つである.
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連載
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【感染対策の弱点克服! レベルアップのための特別講義】 すすぎにご注意(2)すすぎ不良と中毒性前眼部症候群
21巻8号(2012);View Description
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