インフェクションコントロール
Volume 25, Issue 12, 2016
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特集 【part1 結局どうなった? これからどうなる? 私の視点・私の予測 論点&要点2016/part2 感染対策における総括2016】
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part1 結局どうなった? これからどうなる? 私の視点・私の予測 論点&要点2016/part2 感染対策における総括2016
25巻12号(2016);View Description Hide Description -
【p a r t 1】 <1>NHSN、JANIS、JHAISは、これからどうなる?
25巻12号(2016);View Description Hide Description私の視点 (1)NHSNに関する注目すべき話題として、参加施設の急増と報告義務制度導入に伴うデータの品質低下の問題、デバイスサーベイランス手法の大幅改定、という2点をあげることができる。(2)JANISでは、参加要件の緩和と加算要件への追加の影響で参加施設が急増している。データの品質管理という観点から、参加施設の急増にどのように対処していくかが課題になっている。(3)JHAISに関する話題としては、医療器具関連感染サーベイランスをNICUと急性期一般病棟へ拡大したこと、NHSNに合わせてデバイスサーベイランス手法の大幅改定が行われたこと、VAEサーベイランスが導入されたことなどをあげることができる。 私の予測 (1)NHSNは、サーベイランス手順の標準化と自動化をさらに推進するために、今後も大小さまざまなルール変更、定義変更を実施していく可能性が高い。(2)JANISの参加施設は今後もさらに増加する可能性が高く、品質管理の問題はさらに大きくなる可能性があるので、その対応に注目したい。また、ナショナルサーベイランスデータとして、研究などへの二次利用の可能性にも期待したい。(3)JHAISには、迅速に意思決定できる組織的な利点を生かし、利用者の要望や国際的な流れに迅速に対応できるシステム構築を期待したい。 -
【p a r t 1】 <2>抗菌薬使用量、削減できる?
25巻12号(2016);View Description Hide Description私の視点 (1)薬剤耐性菌は長らく病院内の問題ととらえられ対策が進められてきた。しかし、市中での耐性菌の広がりや畜産・漁業領域での抗菌薬使用など従来の枠組みでは対応しきれない課題も多く、広い視野での取り組みが求められる。国際的にもWHOをはじめ公衆衛生の問題として耐性菌問題に取り組もうという動きが大きくなっている。(2)日本ではこの4月に政府による薬剤耐性(AMR)対策アクションプランが発表された。アクションプランのなかでは抗菌薬適正使用も大きなテーマとなっており、経口広域抗菌薬を中心に抗菌薬使用量を減らしていく方針が打ち出されている。そのために公的な立場からのガイドラインやマニュアル作成、抗菌薬適正使用チームの運用などの方策が検討されている。 私の予測 (1)今後具体的な対策が打ち出されていくものと予想され、各医療機関でも積極的に取り組んでいくことが求められている。 -
【p a r t 1】 <3>感染防止対策加算は、結局どうなった?
25巻12号(2016);View Description Hide Description私の視点 (1)平成22年の診療報酬改定で新設された感染防止対策加算が、平成24年改定で感染防止対策加算1・2、感染防止対策地域連携加算へと発展し、現在に至っている。(2)平成28年改定では、「感染制御チームにより、1週間に1回程度、定期的に院内を巡回し、院内感染事例の把握を行うとともに、院内感染防止対策の実施状況の把握・指導を行なう」ことが施設基準に追加された。(3)感染防止対策加算のほか、診療報酬上、入院基本料の算定要件として、「委員会の開催」「感染症情報レポートの作成」「手指衛生」などの院内感染防止対策が規定されている。 私の予測 (1)感染防止対策加算1・2、感染防止対策地域連携加算の仕組みは、日本の医療機関における感染対策の在り方を大きく変更・発展させるとともに、病院内でのICT活動や感染対策に係る地域連携を根付かせる原動力になったと思われる。(2)現在の院内感染対策体制の仕組みを維持・発展しつつ、新たな課題である薬剤耐性(AMR)へ対応するには、感染防止対策加算とは別に、新たな施策が必要になると思われる。 -
【p a r t 1】 <4>保健所からみた地域連携、どうなっている?
25巻12号(2016);View Description Hide Description私の視点 (1)保健所の約3割では、感染防止対策加算のカンファランスに関与するとともに、感染防止対策加算を算定していない病院も参加できるネットワークが管内にあり、一層の増加が望ましい。(2)新興感染症対策について、保健所の約半数は医療関係者などとの連携会議を開催している。(3)災害感染症対策について、保健所や医療関連感染対策の関係者において、連携・支援に関する検討が行われている。 私の予測 (1)日本公衆衛生学会の感染症分野モニタリング・レポートにおいては、感染症についての対策推進、資質向上、情報発信などに関して、公衆衛生、医療関連感染対策、感染症診療、微生物など各分野の関係者の一層の連携・協力が望ましいことが提言されている。 -
【p a r t 1】 <5>ワクチンの定期接種化、何が起こった?
25巻12号(2016);View Description Hide Description私の視点 (1)小児用の肺炎球菌、インフルエンザ菌b型、ヒトパピローマウイルス、水痘・帯状疱疹ウイルス、B型肝炎ウイルスのワクチンが定期接種化され、細菌性髄膜炎や水痘の減少がみられている。(2)感染対策では、空気予防策が必要な幼児の水痘が減少しているのは朗報であり、2016年に始まったB型肝炎の定期接種の効果も今後、期待される。(3)ヒトパピローマウイルスのワクチンが有害事象の因果関係調査のために、接種勧奨が差し控えになっている。 私の予測 (1)水痘・帯状疱疹ウイルスワクチンの定期接種の世代でなく、未罹患者が今後の発症のリスクとなり、感染対策での課題となる。(2)B型肝炎ウイルスの定期接種化で肝がんなどの減少が将来的に予測されるが、ヒトパピローマウイルスの定期接種の勧奨差し控えが続くことは、国民を悪性疾患のリスクにさらすことであり、科学的な根拠に基づいて、通常の定期接種にされると思われる。(3)思春期および成人期に使用できる百日咳のワクチンの導入が望まれる。 -
【p a r t 1】 <6>ジカ、対岸の火事?
25巻12号(2016);View Description Hide Description私の視点 (1)ジカウイルス感染症は、デング熱と同じ種類の蚊が媒介するため、東南アジアでは通年性に流行する。よって、日本では、近隣諸国に渡航した旅行者の持ち帰りが通年性に発生する。(2)ヒトスジシマカが媒介し、5〜10月の活動期には、ウイルスが持ち込まれれば、国内での感染が起きうる。さらにジカウイルスは涙や唾液、精液や腟分泌液などの体液に分泌され、体液を介して感染する。(3)ジカウイルスは脳障害を起こし、必ずしも小頭症を伴わない。形態異常がないと、医療資源の少ない国では診断が困難である。よって、報告されているより多くの脳障害を有する児が出生している。 私の予測 (1)日本では性行為感染症の梅毒が増加している。ジカウイルスが国内に持ち込まれれば、性交渉による感染事例が少なからず発生する。(2)世界ではワクチンの開発が進んでおり、数年以内には販売が開始されると予想される。一方、ワクチン行政が遅れている日本では、定常的に流行しない感染症に対するワクチンは販売されない。 -
【p a r t 2】 <1>2016年の感染制御領域総括
25巻12号(2016);View Description Hide Description(1)診療報酬の改定とその疑義解釈および算定要件に関する医政局地域医療計画課通知において齟齬がある。(2)「地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律の一部の施行(医療事故調査制度)」が、今後の日本の医療にどのように生かされていくべきかについて考える。
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【感染対策そのまま貼れるイラスト集 Renewal】/【ちょっと聞いてくださ~い! IC誌的“お悩み人生相談室”】
25巻12号(2016);View Description Hide Description -
【いいね! ICD】 木を見て森も見られるようなICDを目指して/【キラキラ☆プレゼンTIPS12】 プレゼンは、ホップ・ステップ・ジャンプよ!
25巻12号(2016);View Description Hide Description -
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ICTレベルアップ特集 【森兼先生&笠原先生&塚本先生が独断で選ぶ! 注目の論文・ガイドライン ベスト12】
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【投稿】 当院中央材料室における手術器械洗浄方法の評価 -クロイツフェルト・ヤコブ病二次感染予防のための洗浄方法の検討-
25巻12号(2016);View Description Hide Description
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