インフェクションコントロール

Volume 30, Issue 9, 2021
Volumes & issues:
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目次
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連載
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新型コロナウイルス特別企画
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【新型コロナウイルスICTレポート】 札幌市保健所感染管理アドバイザーとしての取り組み
30巻9号(2021);View Description
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新型コロナウイルスは、未曾有の混乱をもたらし、その余波は現在も続いております。本連載は、編集室に届いた「どのような準備が必要なのか」「ICTの動き方について知りたい」といったご要望から企画しました。ぜひご活用いただければ幸いです。
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連載
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【えっ!感染対策担当者に任命ですか?!】 環境整備①
30巻9号(2021);View Description
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「新型コロナウイルスの影響で感染係になった」「新しく病棟のリンクナースになった」と新しく感染対策担当者に任命されたあなたのために企画しました。感染対策の定番知識をばっちり解説します! -
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Practical特集 【新型コロナウイルスにも対応!3択チェックテストつき! ICTが知っておくべき洗浄・消毒・滅菌のポイント】
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<1>洗浄・消毒・滅菌の基本
30巻9号(2021);View Description
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洗浄・消毒・滅菌は、医療関連感染対策の基本の一つであり、あらゆる職種が関与することになる。ICTは、適切な洗浄・消毒・滅菌の必要性をつねに意識し、基本的な考え方を理解したうえで現場の医療従事者の質問に答えられるようにしておく必要がある。さまざまな器具を、その使用目的によって要求される清浄度を決定できるように提唱されたのが、「スポルディングの分類」である。スポルディングの分類は、消毒・滅菌の基本中の基本である。その前提として、器材の洗浄や清拭による物理的な汚染除去が大切である。スポルディングの分類はシンプルで分かりやすいが、器材が複雑化した現代の医療には必ずしも適合していない面もあり、再整理が必要な状況となっている。新型コロナウイルスは、洗浄・消毒・滅菌の過程で特別な配慮が必要な病原体ではない。基本に忠実な洗浄・消毒・滅菌を確実に行うことが重要である。 -
<2>新型コロナウイルス対応における「洗浄剤・消毒薬」の基本から運用まで
30巻9号(2021);View Description
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新型コロナウイルスはエンベロープを持つウイルスであるため、消毒薬抵抗性が低い。また、新型コロナウイルスが存在する環境表面に接触したとしても感染する可能性は低いが、不特定多数の人が触れたものに触れた際には手指消毒を行う。その際は十分な濃度と量のアルコールが必要である。次亜塩素酸水と次亜塩素酸ナトリウムは使用方法を区別して用いることで、どちらも新型コロナウイルスに有効な効果を示す。最後に一句「withコロナ、手指消毒でwithout。1回量は最後まで押す」。 -
<3>環境整備に用いる殺菌装置
30巻9号(2021);View Description
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多剤耐性菌対策として、環境中の病原体に殺菌効果を発揮する蒸気化過酸化水素発生装置や紫外線照射装置などが、2011年ごろ国外で登場した。紫外線照射装置は、コロナ禍以前から、多剤耐性菌やClostridioides difficile(以下CD)対策として注目されており、国内外では、その有効性が複数報告されている。代表的な紫外線照射装置として、パルスドキセノン紫外線(PX‒UV)を照射する装置とUV‒C紫外線(UV‒C)を照射する装置がある。病室環境などの患者エリアだけでなく、トイレ、浴室、放射線検査室などあらゆる環境や機器や器具表面の殺菌装置としての活用範囲は広い。従来の消毒薬含有の清拭クロスによる清拭方法と組み合わせて活用することで、臨床現場において感染対策上の効果が期待される。一方、消毒剤のミストを発生する装置なども販売されているが、消毒剤の(空間)噴霧は、空気や環境表面の除染方法としては不十分であり、患者エリアにおける一般的な環境管理としては推奨されない。 -
<4>新型コロナウイルス感染症診療に用いる機器や使用物品の取り扱い
30巻9号(2021);View Description
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新型コロナウイルス感染症(COVID‒19)の流行に伴い、以前は使用頻度が低かった機器や、新規購入した機器を活用して対応している状況がある。しかし、普段使い慣れていない機器は、使用後の洗浄・消毒などの対応を間違えてしまうリスクも存在する。ICTは機器の導入から運用、使用後の取り扱いについて、関連部署と連携して監修する。 -
<5>新型コロナウイルスにおける環境整備のポイント(感染症病棟・検体採取場所)
30巻9号(2021);View Description
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環境表面はスポルディングの分類に基づくとノンクリティカルに該当する。ベッド柵、テーブルなどの高頻度接触面は1日1回以上の清拭消毒を行う。挿管や抜管などエアロゾルを産生するような処置を行った後は、速やかに清拭消毒を行う。一般的に低頻度接触面であるブラインド、壁などは汚染時に環境清掃が検討される。退院後に行う清掃は新型コロナウイルスが環境に残存している可能性を考慮し、ガウン、手袋、マスク、ゴーグル(フェイスシールド)を装着する。日常清掃・環境整備に使用する清拭消毒薬は新型コロナウイルスに有効な成分を用いて環境のウイルス量を減らす。また、耐性菌の検出がある場合は、それらにも効果がある消毒薬を選ぶ。患者を搬送する際に利用する廊下やエレベーターは、接触した場所を必ず清拭消毒をする(接触予防策)。 -
<6>材料管理部門としての対応ポイント
30巻9号(2021);View Description
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患者に使用した医療器具は、血液や体液で汚染されているため、標準予防策の観点からつねに感染性があるものとして取り扱う必要がある。新型コロナウイルス感染症(COVID‒19)の場合も特別な対応は不要であるが、使用現場から材料管理部までの搬送の際、スタッフが曝露しないように注意して取り扱うことが重要である。材料管理部においては、器材の受け入れから、洗浄まで担当する職員は曝露するリスクが高いため、つねに個人防護具を適切に着用する必要がある。材料管理部においてもCOVID‒19の場合の特別な対応は不要である。N95マスクの供給不足に伴い、厚生労働省新型コロナウイルス感染症対策推進本部より、「N95マスクの例外的取扱いについて」事務連絡が出され、滅菌器の活用などによる再利用に努めるよう求められた。しかし、使用済み器具を洗浄せず滅菌処理をするため、周辺環境や職員を守るため十分配慮しなければならない。 -
<7>高齢者施設での対応ポイント
30巻9号(2021);View Description
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高齢者施設で使用する、洗浄・消毒が必要な医療器材は日常的に汎用されているものが多く、ノンクリティカル器材であるため洗浄や消毒が重要視されず、いつの間にかルーズになっている可能性がある。新型コロナウイルス感染症のパンデミック下にある現在、感染対策につながる施設内の日常を見直し、根拠に基づいた対策を浸透していく必要がある。本稿では、吸引器や経管栄養関連器材、体温計や血圧計、手指消毒薬や環境消毒、そして新型コロナウイルス感染症対策について、その基本を述べる。
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Journal in Journal【Monthly IC Journal】
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新型コロナウイルス特別企画
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【Current Knowledge for ICT】 新型コロナウイルス感染症のクラスター発生により部署閉鎖となった職員への復職プログラムの立案と実際
30巻9号(2021);View Description
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当センターにおいて2020年5月、共通の患者が存在した複数部署でのCOVID—19のクラスターが発生した。2週間の部署閉鎖を経て業務を再開する職員に向けて、ICTメンバーとして経験した復職プログラムの立案とそのプロセス、実施の結果について報告する。 -
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Journal in Journal【Monthly IC Journal】
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【ICTのためのプラクティカルレッスン マネジメントと感染対策】 Checkその2:コミュニケーションを考える
30巻9号(2021);View Description
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Advanced & Focus特集 【新型コロナウイルス対応に必須! ICTのためのリスクコミュニケーションQ&A】
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<1>感染症危機におけるリスクコミュニケーションとは?
30巻9号(2021);View Description
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現在の日本において行われているのは、リスクコミュニケーションではなく、クライシスコミュニケーションである。クライシスコミュニケーションの欠点である曖昧な用語の使用を取りやめて、意味の明確な用語に置き換えることを提案する。コミュニケーションにおいては、お互いに伝わっているという思い込みがあるので、確認が重要である。保守的な政治態度の人はリスク認知が低いため、感染対策行動をとらない可能性が高い。 -
<2>COVID-19の公衆衛生対応におけるリスクコミュニケーション
30巻9号(2021);View Description
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COVID‒19のリスクコミュニケーションには、目まぐるしい状況推移、知識の不定性などゆえの難しさがある。リスクコミュニケーションの原則(迅速性、科学性、一貫性、誠実、透明性、共感、信頼、相手を理解する、パートナーとして位置付ける)を貫くことが求められる。COVID‒19の流行が長引くなかで感染対策行動の維持を促すうえでは、特に人々の主体性と自己効力感を高めるメッセージと仕組みがカギとなる。 -
<3>病院内におけるCOVID-19に関するリスクコミュニケーション
30巻9号(2021);View Description
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コミュニケーションには、言葉による言語コミュニケーションと、言語以外の手がかりによる非言語コミュニケーションがある。言語コミュニケーションのみでは、真意が伝わらないことがある。リスクコミュニケーションで伝達すべきことは、informationだけでは不十分であり、intelligenceを含んでいる必要がある。意思決定プロセスが透明性をもって説明されなければ、人々を納得させ協力を引き出すことは困難である。
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その他
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Campanio!
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【方言の専門家・岩城裕之の医療現場に化けてでる方言のちょっとコワ~イ話】排尿困難? それとも、トイレの詰まり?
30巻9号(2021);View Description
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【医療者のためのメンタルヘルス講座】それでもコロナの波をゆく
30巻9号(2021);View Description
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『路上飲み会のニュース、電車で大声で話す人々を見るたび、医療現場との温度差にあぜんとします。いら立ちを感じるのは私だけでしょうか?』 -
【~正解のない問題を解くヒントは「3つの視点」です~わたしたちの臨床倫理】“医学的無益”と誰が判断するのか
30巻9号(2021);View Description
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【言語聴覚士が贈る STARTブレインパズル】連想ワード~看護領域編☆~
30巻9号(2021);View Description
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看護領域にまつわる単語をパズルで楽しみましょう。■をつなげると、あるキーワードがでてきます。ピンク文字はヒントです。 -
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【Three wise monkeys 見ざる 聞かざる 言わざる良いプレゼンテーションから実りあるディスカッションへ】質問と回答
30巻9号(2021);View Description
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今更ながら「見ざる聞かざる言わざる」についてです。「言うな聞くな話すな」この慣用句は同じような表現が世界中にあり、余計なことをするなという意味の賢い処世術として知られています。なんだかテーマと全く逆のように思えますね。しかし、この慣用句の意味することは、「余計なことをするな」ではなく、蓋し「本質を見抜け、要点をつけ、大切なことを言え」なんだと解釈し、採用したわけです。英語でThree wise monkeys といいます。賢いのであって、ずる賢いわけではないんです。 -
【上品にコミュ力もアップ! あなたのマナー強化塾】他職種とのコミュニケーションにおけるマナー/【今日から使える手話講座】「注射します」「採血します」
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