インフェクションコントロール

新型コロナウイルスは、未曾有の混乱をもたらし、その余波は現在も続いております。本連載は、編集室に届いた「どのような準備が必要なのか」「ICTの動き方について知りたい」といったご要望から企画しました。ぜひご活用いただければ幸いです。

新型コロナウイルス感染症（COVID‒19）が国内で発見されてから約1年が経過し、この間多くの施設で感染やクラスターが発生している。COVID‒19患者の対応に当たる医療従事者にとって自らの感染への不安はつねにあり、罹患した場合の施設や家族など周囲に与える影響を考え、より一層不安な思いを募らせている。COVID‒19への罹患で、疾患による身体的負担以上に精神的な負担が大きくのしかかり、回復過程や回復後の勤務にも影響を及ぼす。そのようななかで、当院がCOVID‒19に罹患した職員への対応を工夫してきた内容について紹介する。

症候群サーベイランスは、感染症の疫学的な流行の把握のために実施する場合と、医療施設におけるアウトブレイクの早期探知のために用いられる場合に分けられる。前者は一般社会におけるインフルエンザなどの季節性感染症の早期対策や未知の感染症の発生確認に有用であり、後者は医療施設内での感染拡大防止に寄与するサーベイランスである。医療施設における症候群サーベイランスを中心に、方法論や特徴について概説する。

外来部門の症候群サーベイランスは、陽性者の症状を分析し、新型コロナウイルス感染症（COVID‒19）を疑う症状を現場へフィードバックすることでトリアージに役立つ。入院部門の症候群サーベイランスは、発熱や咳などの症状がある人数のカウントだけではなく、入院後新規に発生した症状の早期発見が重要である。症候群サーベイランスは、データ収集、分析した結果をフィードバックするだけでなく、リアルタイムに介入することが肝心である。

想定している感染症の特徴（症状と経過）を周知する。確認すべき症状を明確にし、抽象的な表現は避ける。データの正確性よりも、基準を満たせば機械的に報告・相談する体制の構築を優先する。平日・夜間休日の対応方法をあらかじめ整備しておく。ルールが形骸化しないよう定期的に見直す。サーベイランスのみで満足せず、標準予防策の強化も並行して行うことを忘れない。

『看護師5年目のプリセプターです。後輩のやる気が感じられず「普通はもっと調べて看護にあたるでしょ」と、指導のときにイラッとします。怒りは自制しなければと思うのですが…』

看護領域にまつわる単語をパズルで楽しみましょう。■をつなげると、あるキーワードがでてきます。ピンク文字はヒントです。