整形外科看護
Volume 13, Issue 3, 2008
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特集
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- フローチャートでわかる 変形性膝関節症の治療と看護
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フローチャートでわかる 変形性膝関節症の治療と看護
13巻3号(2008);View Description Hide Description高齢化社会を迎えて,退行性変化による関節疾患の症例数は着実に増加する傾向にあります.また,患者のQOL に対する認識や要望も以前とは少しずつ変化しつつあり,健康指向は高いものがあります.このなかでも膝関節は,荷重関節であり,かつ下肢のなかでもキーとなる重要な関節です.これまでに変形性膝関節症は,病態や診断および治療法につき,精力的に研究され報告されてきています.現在,わが国では年間5 万例近くの人工膝関節の手術が行われていますし,最近ではヒアルロン酸の市販薬などがマスコミを通じて盛んに喧伝されています.本特集では臨床の第一線で活躍されているエキスパートの先生方に,それぞれのテーマに沿って詳しくわかりやすく述べていただきました.明日からの日常の看護において,きっと役に立つものと信じております. -
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検査〜診断
13巻3号(2008);View Description Hide Descriptionわが国の変形性膝関節症の患者数は1,200 万人にも及び,その半数以上が治療を要するといわれています.中高年の膝が痛む病気のなかで最も多い疾患です.そのため,中高年の患者が膝痛を訴えたときには,この疾患を最も疑って診察・検査を進めます.変形性膝関節症には,大腿骨と脛骨の間の軟骨変性によるものと,大腿骨と膝蓋骨の間の軟骨変性によるものがあります.本稿では,より発生頻度の高い前者について,その診断にいたるまでの①問診②視診・触診③検査−−を説明します.さらに,④鑑別が必要な疾患の特徴⑤治療方針の決め方−−を簡単に述べます. -
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ミニ特集
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新人さんをやる気にさせる 学んで実践! やさしいコーチング
13巻3号(2008);View Description Hide Description新人の入職を控え,プリセプターを任された皆さんは今,「どんな人を担当するのだろう」「私にちゃんと指導できるのかしら」と期待と不安でいっぱいではないでしょうか?私はプリセプターという立場にある皆さんに,このコーチングスキルを読んでいただきたいと思います.プリセプティにスムーズに指導できるようになるための,またプリセプティとのコミュニケーションが円滑に行えるようになるためのヒントがあることと思います.
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教育講座
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- 合併症予防の根拠がわかる! ケアに生かせる神経アトラス
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- 説明できる整形外科疾患 患者はココがわからない!!
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高齢者の橈骨遠位端骨折
13巻3号(2008);View Description Hide Description高齢者の骨粗鬆症に伴う骨折として,橈骨遠位端骨折は近年増加傾向にあります.しかも骨折部位の粉砕は著しく,骨質も不良なため整復固定に難渋する例も多くみられます.一方,固定法については種々のロッキングプレート(locking plate)1)というシステムが開発され,積極的に内固定を行うことが多くなっています.このシステムはねじとプレートを固定することによって,骨幹端部の骨質が不良な骨や粉砕例にも,早期可動域訓練を行うに足る固定性が得られる構造となっています.このため高齢者にも内固定を行う機会が増えています.今回はこの新しい固定法を中心に述べていきます.
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連載
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- これが私の生きる道
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- なにを見る?どうする?整形外科患者の基礎疾患
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- 施設訪問
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函館厚生院函館中央病院脊椎センター
13巻3号(2008);View Description Hide Description整形外科医の学会である,日本整形外科学会や日本脊椎脊髄病学会で,医学研究と同じ条件で投稿された看護研究が採用され,ナースが演題発表していることをご存じだろうか.そのナースが勤務するのが,今回おじゃました函館中央病院脊椎センターである.ドクターの学会で発表できるレベルの看護研究を支える同センターの取り組みや,日々の看護についてお話をうかがった. - 私のおすすめ本
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- NURSING LIFE
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療養環境を整える看護
13巻3号(2008);View Description Hide Description私の勤務する天理よろづ相談所病院は、奈良県にある815 床の総合病院です。そのうち、40 病棟は60 床あり、整形外科・腹部外科・眼科などの混合病棟で、整形外科は50 床を占めます。脊椎疾患、関節疾患、骨折などの手術適応の患者様が入院されています。今回は、私が3 年目に担当させていただいた患者様から学んだことを紹介させていただきたいと思います。 -
- 整形外科の歴史
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- Let's try くふうモノ
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- 投稿論文
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脊椎術後患者の口渇と飲水の検討第3 報 ペットボトルキャップを使用して
13巻3号(2008);View Description Hide Description整形外科での全身麻酔術後における身体的苦痛は,患者にとっても医療者にとっても大きな課題である.近年QOL の向上や痛みに対する意識の変化によって,手術は「痛いもの」「つらいもの」とあきらめていた時代から,より快適でより苦痛のない術後を過ごしたいという意識が高まっている.当院においても近年,術後に使用する疼痛管理の点滴1)の導入によってそれが可能になってきた.私たちは,2003 年,2004 年と,この術後の身体的苦痛の一つである口渇に着目し,その実態調査を行って結果を報告してきた2,3).術後口渇は手術侵襲に対する体液のサードスペースへの移行と,それによる循環血液量の減少という正常な生体反応であるが,水分を補うことによって是正すべきものである.そして当院での口渇の現状とその強さの変化を経時的に知ることで,その知識を術後看護に生かしてきた.そこで私たちは「今までの飲水にかかわる取り組みが有効に生かされているのか」,またそれに対し「患者は満足しているのか」を知るため,今までかかわってきたペットボトルキャップ(図1)の使用の実態を調べ,術後飲水の援助をさらに満足のいくものにしたいと考えアンケート調査を行った.