糖尿病ケア
Volume 6, Issue 9, 2009
Volumes & issues:
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特集
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- 患者70人に聞きました! 糖尿病への思いを知ってケア力アップ
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- 1.患者70 人アンケート
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(1)自分が糖尿病だと知ったときの気持ち
6巻9号(2009);View Description Hide Description糖尿病を発症したことが予想外であるという人は約40%ということに対し、予想通りという人も30%以上を占め、両極端の反応があることがわかります。また不安や驚きが大変多いのは注目すべき点です。初めて糖尿病といわれた患者さんには、脅しになるような合併症の怖さの説明ではなく、「よいコントロールをすれば合併症は防げる」ということを強調する必要がありますね。全体的にネガティブな意見が多く、興味深い結果です。 -
(2)糖尿病になってつらいと思うこと
6巻9号(2009);View Description Hide Description糖尿病になったことが「毎日つらい」と思う人は20%、「めったにつらいと思わない」という人は36%と、糖尿病を受け入れている患者さんも多いようです。つらいと思う理由としては、インスリン治療と食事、特に甘いものが食べられないことについての意見が多いですね。どのようにすれば好きなものも食べることができるのか、医療者から提案していくことが重要です。 -
(3)糖尿病になって驚いたこと
6巻9号(2009);View Description Hide Description自覚症状がないことや、食事、インスリンなど、生活と比べてのギャップが、驚きの原因のように思います。初めて糖尿病といわれたときはさまざまな知識が必要であるために、初期の糖尿病患者教育が大切であることを、改めて感じます。 -
(4)糖尿病になってよかったと思えること
6巻9号(2009);View Description Hide Description糖尿病に限らず、誰もが「病気になってよかったことはない」と思ってしまいます。しかし、禁酒・禁煙、体調がよくなった、食事や運動が楽しい、精神的に成長したことなど、糖尿病になったことを前向きにとらえている患者さんの言葉は、われわれ医療者にやる気を与えてくれますね。 -
(5)通院をやめようかと思うとき
6巻9号(2009);View Description Hide Description5%の患者さんが通院のたびに通院をやめようと思っており、79%の人は通院をやめようとはほとんど思わないという結果です。しかし、通院をやめようと思う理由としては、経済的な理由が主のようです。合併症を起こすと、合併症がない場合より医療費が3 〜 5 倍がかかることを説明することも、効果的といえます。 -
(6)糖尿病治療を支えるもの
6巻9号(2009);View Description Hide Description患者さんの糖尿病治療を支えるものとしては、家族、医療者(特に主治医)、趣味が三大要素です。医療者への依存は、一般にインスリン患者で強い傾向にあります。また、患者さんが男性の場合は妻の支援に依存することが多いのに比べ、患者さんが女性の場合には、「夫が支えてくれる」という意見が少ないようです。 -
(7)医療者とのやりとりでうれしかったこと
6巻9号(2009);View Description Hide Description励ましてもらうことやほめてもらうことは、誰でもうれしいものです。患者さんは認めてほしいという思いが強いようです。また、「話を聞いてもらうだけでも安心する」という意見も見受けられます。 -
(8)医療者とのやりとりで傷ついたこと・いやだったこと
6巻9号(2009);View Description Hide Descriptionほとんどの意見は、自分の努力を認めてもらえないことが不満の原因となっているようです。「自分に甘いと血糖値が上がりますよ」なんていってはいけないですね。反省……。 -
(9)糖尿病治療を行ううえで気にかかること・不安なこと
6巻9号(2009);View Description Hide Description治療費と合併症についての意見が大半を占めますが、糖尿病を取り巻く社会環境についての意見も少なくありません。日本糖尿病協会などの社会活動についても、もっと知ってもらう必要がありますね。 -
(10)人生の目標・楽しみについて
6巻9号(2009);View Description Hide Description家族や友人といったキーパーソンの有無など、個人を取り巻く環境によってさまざまな意見があるようです。患者さんの人生の目標は千差万別。「だからこそ、この仕事に飽きがこない」ということもあると思います。 -
2.糖尿病治療における患者さんの役割・医療者の役割
6巻9号(2009);View Description Hide Descriptionよく、「糖尿病は自己管理の病気だ。主治医は患者さん自身だ」といわれます。筆者も以前は糖尿病教室でそのように講義していました。しかし、この言葉は下手をすると、医療者の「責任転嫁」あるいは「立ち去り型サボタージュ」になってしまう場合があると思っています。初期教育を受けた患者さんのうち3 割ほどの人は「自己管理」だけでうまくいきますが、残りの人はそうではありません。3 割の患者さんとは、教育入院後も血糖値が低下した状態を保てる人のことです。残り7 割の患者さんには、自己管理に加えて医療者の援助が必要です。 この7 割の患者さんは、一般的な教育入院や糖尿病教室に参加したあと、HbA1C の低下が6か月ほどで頭打ちの人になることが多くみられます。そういった人には、㈰自分自身をどう感じているか、㈪他人をどう感じているか、㈫どのように糖尿病とつきあっているかについて、石井均先生が翻訳したPAID(problem area indiabetes)調査票などで、問題点を明らかにするとよいと思います。 実際、本特集の患者アンケートでも質問㈰「自分が糖尿病であると知ったときの気持ち」では、「不安」>「予想外」>「驚き」>「悲しみ」という結果が出ています。質問㈪「糖尿病になってつらく思うこと」では、2 割の人は「毎日ある」、さらに「1 週間に2 〜 3 回」と「1 週間に1 度ほど」を合わせると2 割の人が毎週つらいと答えています。そこで以下のメッセージを患者さんに贈りたいと思います(表1)1)。 また、自己管理を長続きさせる秘訣はストレスの解消とコントロールだと思っています。ストレス解消方法の「STRESS」を紹介します。 - 糖尿病スタッフのプチエッセー
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連載
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- 巻頭言
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- その案いただき! 糖尿病患者さん指導用アイデアグッズ
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- 1型糖尿病患者日記 糖尿病と向き合う瞬間
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- 2型糖尿病患者日記 糖尿病と向き合う瞬間
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- Dr.サトーがアドバイス! 療養指導おなやみ解決塾
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- 明日の指導に加えたい 糖尿病のくすりのはなし
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- 知っておきたい! 深めたい! 糖尿病の用語解説
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- デンナースのヒュゲリな生活
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- おさえておきたい 糖尿病の海外文献
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- あなたの町の糖尿病看護認定看護師
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- これからの食事療法がかわる! カーボカウント・マスターガイド
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