ニュートリションケア
Volume 1, Issue 6, 2008
Volumes & issues:
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特集
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- 食欲低下・嚥下障害・便秘・下痢 もう迷わない! 高齢者の栄養アセスメント
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- 特集1
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高齢者の栄養状態 アセスメントで何を発見したいのか
1巻6号(2008);View Description Hide Description近年わが国では高齢者の増加に伴い、医療・介護制度の基盤整備がすすみ、栄養管理に関する制度の導入も行われています。2005 年10 月には、介護保険法改正による栄養ケア・マネジメントの導入、経口移行加算が行われました。2006 年4 月からは経口維持加算が新設されました。さらに2008 年4 月からは、後期高齢者退院時栄養・食事管理指導料の創設・施行が始まっています。このような流れのなかで、高齢者の栄養アセスメントや栄養ケアは必要不可欠となり、栄養アセスメント抜きでは栄養療法や栄養管理は根拠のない無意味なものとみなされるほど、管理栄養士が栄養アセスメントを行うことは業務のなかで当然のこととなってきました。 - 特集2 ここがポイント! 高齢者の栄養アセスメント
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2-1 高齢者のフィジカルアセスメントの工夫Q&A
1巻6号(2008);View Description Hide Description栄養アセスメントのなかで最初に行われる栄養スクリーニングに、身体計測があります。身体計測には、一般に身長、体重、下腿周囲長(CC)、上腕周囲長(AC)、上腕三頭筋皮下脂肪厚(TSF)、肩甲骨下部皮下脂肪厚(SSF)などがあり、これらの計測値から体構成を分析することによって、個人の貯蔵エネルギーや身体機能を推測することができます。数値は対象者が成人であれば、一般に基準値(JARD 20011、2))と比較してアセスメントします。高齢者では個人差が大きく、加齢がすすむほど身体機能や精神面、健康状態の差が広がってくるため、基準値との比較は栄養状態評価の目安とし、フィジカルアセスメントを行う場合は、問診や食事摂取量の変化、身体計測値の変動をモニタリングすることが重要となってきます。 -
2-2 高齢者の客観的指標のアセスメントの読みとり方Q&A
1巻6号(2008);View Description Hide Description高齢者は暦年齢と生理的年齢、身体状況、活動状況、栄養状態、病状などの個人差が大きくみられます。そのため、高齢者の栄養アセスメントを行う場合には、より多くの情報を収集し、問題点を抽出していかなければなりません。つまり高齢者の栄養管理には、生活の実態を正しく把握し、全体像を知ることが重要です。 本稿では、高齢者をアセスメントする場合の客観的指標の読みとり方のポイントについて述べます。 - 特集3 まずここからチェック! 高齢者の栄養障害の原因
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3-1 嚥下障害Q&A
1巻6号(2008);View Description Hide Description嚥下障害(dysphagia、swallowing disorder)とは、飲食物や唾液の飲み込みに障害があることをいいますが、広義では「食べることができない」ことが摂食・嚥下障害として考えられています。その要因としては、脳血管障害による意識障害、運動麻痺、高次脳機能障害、心因的素因、食欲低下、廃用症候群などがあります。 -
3-2 便秘・下痢Q&A
1巻6号(2008);View Description Hide Description高齢化社会がすすむなかで、高齢者の方々が「QOL」を維持するために、つまり健康で安心できる生活を送り続けられるように、適切な栄養管理が必要不可欠となっています。高齢者に増加している栄養障害にはさまざまな原因があげられますが、そのひとつに便秘・下痢があります。本稿では、「なぜ高齢者は便秘・下痢に陥りやすいのか?」「なぜ便秘・下痢が栄養障害を引き起こすのか?」について述べながら、その改善のために管理栄養士はどのようにアセスメントを行い、アプローチしていけばよいかについて考えます。 -
3-3 咀嚼障害Q&A
1巻6号(2008);View Description Hide Description高齢者の身体的特徴として注目しなければならない基本的なことは、「加齢とともに生じる身体の変化」です。この身体的変化の度合いは、多少の個人差はありますが誰にでも起こる変化であり、高齢者の食生活に大きな影響をおよぼすといえます。 - 特集4
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老人福祉施設における栄養アセスメント・栄養ケア
1巻6号(2008);View Description Hide Description介護老人福祉施設は、自宅で生活することが困難な寝たきりや認知症の高齢者に対して生活全般の介護を行う場であり、安定した状態で生活を続けられるように自立支援するための場でもあります。2005(平成17)年10 月から、介護施設においても栄養ケア・マネジメントが施行されるようになりました。要介護状態にある高齢者の低栄養状態を早期に発見するとともに、生活機能の維持や改善ができるように、“ 多職種協働” で個別に対応した栄養管理を実施し、「口から食べること」をとおして、高齢者の尊厳を守る介護を支援していくことに重点が置かれています。
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レポート
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- がんばる栄養士を応援します! わたしたちの施設の期待の星
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箕面市立病院 畑亜希子さん
1巻6号(2008);View Description Hide Description今回の期待の星は、大阪府箕面市にある箕面市立病院、医務局栄養部の畑亜希子さんです。
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連載
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- イラストでわかる 臨床栄養にいかす生化学講座
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ビタミンE
1巻6号(2008);View Description Hide DescriptionビタミンE は動物(ネズミ)の不妊を防ぐ栄養素として、小麦胚芽油から発見された脂溶性ビタミンです。アルコール基(-OH 基)をもっており、「出産のためのアルコール性物質」という意味で、化学名をトコフェロールといいます。トコフェロールにはαアルファ体、βベータ体、γガンマ体、δデルタ体があり、もっとも活性が高いのはα - トコフェロールです。これは熱や酸には安定ですが、アルカリ・紫外線では分解されてしまいます。 ビタミンE は、コレステロールやリン脂質と同様にほとんどの臓器に含まれています。健常人では、体内に約3g のビタミンE があり、おもに皮下脂肪、心臓、筋肉、肝臓、骨などに貯蔵されています。また組織1g あたりの濃度が高いのは脂肪組織、副腎、脳下垂体、精巣などです。 - ベテラン栄養士からのメッセージ 思い出の扉を開けて
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患者さんの協力で得た仕事の楽しさ
1巻6号(2008);View Description Hide Description私が当院に入職して透析室に配属されたのは、ちょうど透析室への栄養士の配属が始まった時期でした。当時から腎センターは活気があり、石崎允先生のもとで看護師や臨床工学技士によるチーム医療が行われていました。私も何とかついていかなければと、本を読んで勉強したり、回診に同行したり、患者さんと話をしたりと無我夢中でした。 - フレッシュ栄養士のひとりごと 私の心に残った患者さん
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患者さんの笑顔に支えられて
1巻6号(2008);View Description Hide Description私がその患者さんと出会ったのは、管理栄養士として働き始めて1 年目が終わるころでした。当時、私は調理場で嚥下障害食をつくっていて、その食事を食べていたのがA さんでした。 - アレンジ簡単! 治療食からふるレシピノート
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クリスマス
1巻6号(2008);View Description Hide Description今回のクリスマス料理は、いつもと少し違った雰囲気を演出しました。主食はパンです。朝食用ではないパンを使用すると行事食らしくなります。定番のローストチキンは、鶏の皮つきむね肉に手羽の骨がついた部位を使用し、しょうゆ風味のオレンジソースをかけました。鶏のむね肉は脂肪分が少ないので栄養基準内で骨つき肉が提供できます。和風サラダと野菜たっぷりのミネストローネ、そして手づくりのクリスマスケーキを組み合わせました。 - 管理栄養士ぷらすワン 資格取得のススメ
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臨床工学技士
1巻6号(2008);View Description Hide Description私は当初栄養士として人工透析のクリニックに就職しましたが、そこでは栄養士の業務に加えて、透析室の業務を手伝う必要がありました。栄養士と透析室の仕事の兼務で忙しい毎日でしたが、透析室での勤務は透析について知識と理解を深めるのに役立ちました。また、つねに透析室にいることで、患者さんに気軽に相談してもらえるという利点もありました。 - ダメダメ指導にさようなら 栄養指導の○と×
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非アルコール性脂肪肝炎患者の栄養指導
1巻6号(2008);View Description Hide Description患者背景: 出産前体重52kg から、出産後(33 歳)60kg に増加。その後、大きな体重変化はありません。ここ2 年あまり、家族を送り出して一人で朝食。昼食は、パートに出かける前に菓子パンを摂取、もしくは15 時の和菓子を食事代わりに食べる生活を送っています。夕食は、子どもが好む揚げ物料理と煮物の組み合わせが多く、夕食後にスナック菓子やチョコレートを少し。就寝前(23 時)には牛乳を1 杯飲むような食生活(図1)が続いています。運動歴はなく、職場へも車で通勤しています。 - 臨床で自信がつく! 栄養アセスメントクイズ
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- 栄養療法・栄養指導に役立つ 特殊食品・栄養補助食品オススメファイル
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栄養補助食品(飲むタイプ)(1)
1巻6号(2008);View Description Hide Description使用者の評価(医療者の声)◎味の種類が豊富なので患者の嗜好に合ったものが提供できるようになり、喫食率も向上しました。◎喫食率が向上することにより、栄養状態に改善がみられました。◎濃厚流動食という商品名だったころより甘味が抑えられ、すっきりとした飲み口で味もよくなり、とても喜ばれています。◎おしるこ味は温めても味がよく、とくに冬場は高齢者に喜ばれています。 - フローチャートで一発理解! 疾患別栄養療法のすすめ方
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慢性腎臓病
1巻6号(2008);View Description Hide Description慢性腎臓病(chronic kidney disease;CKD)には、慢性糸球体腎炎、糖尿病性腎症、腎硬化症、多発性.胞腎などがあります。CKD は表1 に定義されているように、腎機能の低下がある、もしくは腎臓の障害を有する所見が慢性的に持続するものすべてを包括しています1)。日常診断では、CKD は検尿(たんぱく尿または血尿)、あるいは画像診断と糸球体濾過量(glomerularfiltration rate;GFR)< 60mL/min/1.73m2 で診断します。CKD のステージ(病期)は、腎機能の評価指標であるGFR により分類されます(表2)1)。 - NUTRITION ANTENNA
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