ニュートリションケア
Volume 3, Issue 4, 2010
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目次
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特集
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- 低栄養を見逃さない!−在宅から医療施設まで− 低栄養患者のスクリーニング・アセスメント
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- 特集(1)基本をおさえよう! 栄養スクリーニング・アセスメントツール
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1-1 栄養スクリーニング・アセスメント総論 栄養障害とその評価
3巻4号(2010);View Description Hide Description栄養管理は、すべての疾患治療のうえで共通する基本的医療の一つです。欧米では1970 年代以降、nutrition support team(NST、栄養サポートチーム)を中心に、この基本的医療の確立を目指してきました1)。わが国においても心ある先駆者たちは、欧米に遅れることなく早くから栄養管理の重要性を提唱し、その普及に努めてきました。しかし、欧米と異なり医学教育上栄養管理はあまり重視されず、また治療技術や先端医学の開発、導入が優先され、長年に渡り医療の現場では栄養療法や栄養管理を軽視する傾向にありました。詳細な栄養管理が必要とされる重症患者の医療においてさえ、外科治療や薬物療法の効果が得られない場合にのみ栄養管理が登場するありさまでした。もっと早期から適切な栄養管理が実施されていれば、種々の治療効果をさらに増幅できたであろうと悔やまれる場面に何度も出会いました。 1998 年以降、わが国においてもNST が急速に普及し(図1)、しかも、(1)栄養管理実施加算(2006 年)、(2)栄養サポートチーム加算(2010年)が認められ、NST 活動に対する診療報酬の取得が全面的に可能となりました。すなわち、重症患者はもちろんのこと、すべての症例に対して栄養管理を実施することの重要性や有用性が認識されるようになってきたのです2-4)。 そこで、本稿では栄養管理や栄養療法を行う際のもっとも基本となる「栄養スクリーニングとアセスメント」について、最新のトピックスを加えて概説します。 -
1-2 主観的包括的評価(subjective global assessment;SGA)
3巻4号(2010);View Description Hide Description主観的包括的評価(SGA)とは、医療者が主観的に患者の栄養状態を判定するという意味で、6 つの項目の評価から成り立っています。すなわち、(1)体重変化、(2)食物摂取量の変化、(3)消化器症状、(4)身体機能、(5)疾患と栄養必要量の関係、(6)栄養状態を評価するための身体計測になります。基本的に問診と理学的所見からの視診、触診で、特別な検査や機器を必要としません。SGA は個々の医療者の主観的評価であるため、各段階に明確な区分けは存在しませんが、高い信頼性を確保するためには、評価をする医療者が一定のトレーニングを受けていることを前提とします。 -
1-3 客観的栄養評価法
3巻4号(2010);View Description Hide Description客観的栄養評価法は、主観的包括的評価(SGA)により栄養スクリーニングを行った後に、おもに栄養障害患者や栄養障害ハイリスク患者に対し、明確な栄養アセスメントをさまざまな客観的な指標を用いて行う方法です。この客観的な栄養指標には、(1)個人あるいは特定の集団における栄養障害の有無、程度、種類をあきらかにする静的栄養指標、(2)病態の推移や栄養治療などに伴う栄養状態の変化を測定する動的栄養指標、(3)とくに、外科患者において手術後などの予後を推測する総合的栄養指標1)などがあります。 -
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- 特集(2)症例で学ぶ 適切な栄養スクリーニング・アセスメント
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2-4 急性期病院の栄養スクリーニング・アセスメントとNST 介入症例
3巻4号(2010);View Description Hide Description急性期病院の栄養スクリーニング・アセスメントは、非常に広範囲におよびます。とくに大学病院においては、急性疾患(急性肺炎、急性腎炎、急性呼吸器疾患などの内科疾患)、炎症性腸疾患(IBD)や膠原病などの難治性疾患はもとより、重度外傷などの救急疾患、集中治療(intensive care)を要する急性呼吸窮迫症候群(ARDS)に代表される急性呼吸器疾患、周産期の高度医療、急性冠症候群、急性脳血管疾患、高度の技術を要する外科治療など、多岐にわたります。本稿では、それらのなかでも、私が外科医である立場から、外科治療前後(いわゆる周術期)の栄養スクリーニング・アセスメントについて、今話題となっているERAS(enhancedrecovery after surgery)に触れつつ、述べます。
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特別企画
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PEG と排便障害−原因から考える対策−
3巻4号(2010);View Description Hide Description小児外科領域で開発されたPEG は、わが国ではおもに経口摂取が困難な高齢者に実施されており、年間約14 万件造設されています。PEG は同じ経腸栄養である経鼻チューブによる栄養法より利点は多いのですが、合併症も少なくありません。本稿では、そのうち排便障害に的をしぼって原因を解説し、そこから対策を導き出すことにします。
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レポート
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- がんばる栄養士を応援します! わたしたちの施設の期待の星
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連載
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- 味・予算・見た目・大量調理のコツもばっちり! 野菜スクラップブック 病院食のPoint
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- ベテラン栄養士からのメッセージ 思い出の扉を開けて
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- フレッシュ栄養士のひとりごと 私の心に残った患者さん
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- ダメダメ指導にさようなら 栄養指導の○と×
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- 栄養療法・栄養指導に役立つ 特殊食品・栄養補助食品オススメファイル
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- NST回診日誌
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- イラストでわかる 臨床栄養にいかす生化学講座
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- なんでもお答えします! NST Q&A
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- ほんとうは大切な義歯のはなし 管理栄養士が知っておきたい口腔機能を学ぶ
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NUTRITION ANTENNA
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