眼科グラフィック

Volume 12, Issue 3, 2023
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目次
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メイン特集 【まつげのすべて】
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3 【2章 睫毛の病気・異常】②睫毛脱落
12巻3号(2023);View Description
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睫毛脱落は睫毛が通常より少なくなっている状態であり,医学用語としてはmadarosis(睫毛および眉毛の脱落), milphosis(睫毛の脱落)などがある1). hypotrichosis(貧毛症),alopecia(脱毛症)は頭髪および全身の毛の病態を指す.問題は主に整容面であるが,広範囲になくなると眼表面の保湿などができなくなり,機能的問題が生じる可能性がある.原因は多岐にわたり,中には稀な疾患も多いが,本稿では日常の眼科外来診療で遭遇する,頻度の高いものや注意が必要なものを中心に述べる. -
4 【2章 睫毛の病気・異常】③上眼瞼睫毛内反症:lash ptosis
12巻3号(2023);View Description
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Lash ptosisとは睫毛が全幅的に下垂している状態であり,重度になると視野を妨げ,眼表面にも接することで角結膜障害や流涙を生じる.先天・後天眼瞼下垂に伴うことが多く,下垂状態とも関連しているにもかかわらず,看過されがちな症状である.Lash ptosis を客観的に評価することで,下垂状態の把握や術中の挙上量の判断にも役立つ.本稿ではその病態と治療法について解説する. -
5 【2章 睫毛の病気・異常】④下眼瞼睫毛内反症:epiblepharon
12巻3号(2023);View Description
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下眼瞼睫毛内反症とは,下眼瞼の睫毛が外側を向かず,皮膚,眼輪筋に押されて眼球に当たっている状態である.いわゆる「逆さまつげ」と全部を一括りにされがちであるが,睫毛が眼球に当たる疾患として,睫毛内反症のほかに眼瞼内反症や睫毛乱生などがあり,それぞれ病態や治療法が異なるため,診断をしっかり行う必要がある1). -
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7 【3章】睫毛内反症・睫毛乱生と睫毛電気分解
12巻3号(2023);View Description
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2022 年の診療報酬改定において,K217 眼瞼内反症手術は従来の①縫合法,②皮膚切開法に加えて,③眼瞼下制筋前転法が初めて追加された.このことは,LER(lower eyelid retractors)の手術すなわちJones法1),Jones-Kakizaki変法,lower eye lidretractor advancementが保険収載されたことを指す2).少なくとも筆者の出身大学である昭和大学において,およそ30 年前は若年者の場合,下眼瞼皮膚の折り返し位置の異常を矯正する河本法に代表される縫合法が主な術式とされ,高齢者の場合,皮膚弛緩があるため余剰皮膚切除とHotz法(眼瞼板外反)や横方向に緊張を高めるための眼輪筋短縮術が主な術式とされていた.ただし,横方向の瞼板短縮となり内反を助長する欠点もあった.本稿では,①眼瞼内反症の診断のポイント,②睫毛内反症・睫毛乱生の治療に関する考え方,③それらの治療,④睫毛電気分解の進め方,⑤ケアについて,異論もあるかと思うが私見も含めて解説する.また,⑥筆者が経験した症例を供覧する. -
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9 【5章】睫毛内反症と角膜乱視と弱視治療
12巻3号(2023);View Description
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先天性睫毛内反症は先天的に睫毛が角結膜に接触している状態であり(図1),アジア人の小児によくみられる疾患である.先天睫毛内反症の小児は乱視を伴うことが多く,6 ~ 9 %に弱視を有すると報告されている1 ~4).乱視は睫毛内反に起因する角膜乱視が原因である可能性が指摘されているが,手術治療によって改善するかどうかには議論がある2 ~ 7).外科的治療のタイミングに関しては,自然治癒するまで経過をみてから手術を検討するという考え方がある一方で,乱視の改善や弱視治療に有利であれば早期に治療を行うという考え方もある.このように,成長に伴って自然治癒する可能性の高い先天性疾患に対する外科的治療のタイミングは一概には決められず,症例ごとに考える必要があり,迷うことが多い.睫毛内反症の小児の視機能と治療に関して,これまでの知見や論点をまとめ,具体的な症例を提示し,治療の方針について考えてみたい. -
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サブ特集 【近視進行抑制の術】
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1 【1章】オルソケラトロジーによる近視進行の抑制
12巻3号(2023);View Description
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オルソケラトロジー(orthokeratology:オルソK)とは,特殊なデザインの酸素透過性ハードコンタクトレンズ(contact lens;CL)を就寝時に装用し,角膜中央部を平坦化することにより近視矯正を行う治療である.眼軸伸長抑制効果のエビデンスも積み上げられ,諸外国では近視抑制治療として承認されているものもある.我が国においても,日中は裸眼で過ごせる点や保護者の監視下でCLを使用できるという利点から,近視管理目的に低年齢での使用が増加しているが,重篤な合併症を予防するためにも,患者や保護者に対し適切な管理を指導する必要がある.本稿では,オルソKの理論的背景から小児への処方における実践上の注意点まで解説する. -
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3 【3章】多焦点ソフトコンタクトレンズによる近視進行の抑制
12巻3号(2023);View Description
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近年,本邦でも学童の近視抑制手段としてオルソケラトロジー(orthokeratology;OK)の有用性が広く認知されるようになり,治療を希望する子どもが急増している.しかし希望するすべての症例にOK を適応できるわけではない.近視度数がOK 適応範囲を大きく超えていたり,自由診療であるOK の治療費用を捻出するのが困難であったり,いったんOK 治療を開始したものの何らかの理由で継続が難しくなる場合もある.ここではOKとならぶ近視抑制手段として急速に存在感を増している多焦点ソフトコンタクトレンズ(multifocal soft contact lenses;MF-SCL)について解説したい.
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連載
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【今さら誰にも聞けない 眼科レセプトQ&A】白内障手術(水晶体再建術)前後の眼科検査
12巻3号(2023);View Description
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開業医や将来開業を考えている眼科医が,診療所を経営していく上で,必ず知っておくべき知識を,Q&A 形式でわかりやすく解説します.
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その他
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