泌尿器Care&Cure Uro-Lo
(旧:泌尿器ケア)
Volume 26, Issue 4, 2021
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目次
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特集 【日常診療に役立つ 下部尿路機能検査の基礎知識】
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【chapter1〈総論〉】 01 下部尿路の解剖と機能
26巻4号(2021);View Description
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下部尿路とは膀胱から尿道までの尿が排泄される経路で、男性と女性で解剖が大きく異なる。下部尿路の解剖では、膀胱と尿道と、これを取り巻く骨盤底の筋肉や筋膜などの周囲の骨や筋肉が支えている構造を理解する。下部尿路の機能としては、蓄尿と排尿(尿排出)がある。これらの機能は膀胱や尿道、骨盤底筋に加え、神経が支配して、膀胱にためることと、排尿することを可能にしている。 -
【chapter1〈総論〉】 02 下部尿路機能検査を行う際の心得
26巻4号(2021);View Description
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検査の前に情報収集を行い、心の準備をする。精度管理を行うことでデータの信頼性を高める。自分だったらどうか?と考え、検査環境を調える。 -
【chapter2〈尿流動態検査の実際〉】 03 尿流測定
26巻4号(2021);View Description
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尿流測定検査は、排尿機能を評価する基本的な検査である。非侵襲的検査であることで、トイレ排尿が可能なすべての患者さんで施行可能である。尿流測定検査は、最大尿流量、排尿量、排尿時間などを測定し、波形から排尿のパターンを分類することが可能である。尿流測定検査は有意義な検査であるが、排尿量や年齢などに影響を受けるので、結果の解釈は慎重に行うべきである。 -
【chapter2〈尿流動態検査の実際〉】 04 残尿測定
26巻4号(2021);View Description
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残尿測定とは、排尿直後に膀胱内に残った尿量を測定する検査のことである。50 mL 未満が一般的であるが、100 mL 以上の場合は下部尿路機能障害があると考えられ、泌尿器科受診が必要である。なるべく複数回測定し、簡易型の残尿測定器による測定値が疑わしい場合は、腹部超音波検査で確認することが必要である。 -
【chapter2〈尿流動態検査の実際〉】 05 膀胱内圧測定(腹圧下漏出時圧測定、排尿筋漏出圧を含む)
26巻4号(2021);View Description
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膀胱内圧測定は、頻尿や尿失禁の原因を特定するのに必要な優れた情報を提供してくれる。カテーテルの挿入を伴う検査のため、患者さんに検査の重要性・必要性を十分に説明することが大切である。 -
【chapter2〈尿流動態検査の実際〉】 06 内圧尿流検査
26巻4号(2021);View Description
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排尿筋圧と尿流量から、尿排出相の排尿筋機能と膀胱出口部の状態を診断する。正確な診断には、排尿筋圧と尿流量の正確な測定が必須である。測定機器が報告するデータを鵜呑みにせず、実際のトレースをよく観察することが重要。 -
【chapter2〈尿流動態検査の実際〉】 07 尿道内圧測定
26巻4号(2021);View Description
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尿道内圧測定の代表的な検査に、尿道の締まり具合をみる、安静時尿道内圧測定がある。安静時尿道内圧測定の対象は腹圧性尿失禁であり、主に女性患者に行われる。論議があるものの、腹圧性尿失禁の要因である内尿道括約筋機能不全(ISD)の有無(MUCP <20 cmH2O)の判定に使用される。検査後は、排尿時痛、血尿などの膀胱炎様症状を呈することがあるので、飲水励行や、感染予防のため抗菌薬を投与することがある。 -
【chapter3〈実症例からみる正常・異常〉】 08 前立腺肥大症
26巻4号(2021);View Description
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前立腺肥大症は、中高年男性にみられる下部尿路症状の代表的疾患です。前立腺肥大症の診断では、下部尿路症状に加えて、前立腺腫大、前立腺による閉塞を評価することが重要です。前立腺肥大症の正確な診断には、基本評価(必須検査)を系統的、効率的に行うことが求められます。 -
【chapter3〈実症例からみる正常・異常〉】 09 過活動膀胱
26巻4号(2021);View Description
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過活動膀胱は尿意切迫感を主症状とする症状症候群であり、その診断に侵襲的なウロダイナミクスは必須ではない。薬物治療である抗コリン薬とβ3 作動薬が治療の根幹となるが、難治性過活動膀胱では仙骨神経刺激装置植込み術やボツリヌス毒素注入療法も選択される。過活動膀胱には原因疾患があることも念頭に置き、初期治療に反応の乏しい場合や神経疾患を疑う場合には侵襲的なウロダイナミクスを行う。 -
【chapter3〈実症例からみる正常・異常〉】 10 腹圧性尿失禁
26巻4号(2021);View Description
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腹圧性尿失禁の検査において特徴的なものは、パッドテストや鎖膀胱尿道造影検査がある。漏れの重症度によって保存的加療や手術療法などを選択する。 -
【chapter3〈実症例からみる正常・異常〉】 11 前立腺手術後の尿失禁
26巻4号(2021);View Description
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前立腺手術後の尿失禁は医原性であり、尿失禁予防および症状の軽減のために、術中マネジメントが最も重要である。尿失禁を起こす主たる原因は、手術操作による尿道括約筋の機能不全と膀胱機能障害である。治療として骨盤底筋訓練などの行動療法、神経変調療法、薬物療法、手術療法(人工尿道括約筋手術など)があり、なかでも骨盤底筋訓練、人工尿道括約筋手術が中心となる。 -
【chapter3〈実症例からみる正常・異常〉】 12 神経因性下部尿路機能障害(脊髄疾患)
26巻4号(2021);View Description
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脊髄損傷患者の尿路管理では、尿路合併症の防止(上部尿路障害、症候性尿路感染など)、尿禁制の獲得、生活の質の改善が重要である。尿路合併症のリスク因子を評価するには、膀胱内圧測定と膀胱造影を組み合わせた尿流動態検査が必要である。ボツリヌス毒素膀胱壁内注入療法は、神経因性膀胱に伴う難治性尿失禁および膀胱内圧を調整する治療として有用な選択肢である。 -
【chapter3〈実症例からみる正常・異常〉】 13 神経因性下部尿路機能障害(脳血管障害)
26巻4号(2021);View Description
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脳血管障害の下部尿路機能障害には、急性の病変によるものと、知らず知らずに生じている慢性の病変によるものがあります。両者ともに、経過により下部尿路機能障害のパターンや程度が変化するため、排尿機能検査による正確な病態の把握が重要です。下部尿路機能障害のマネージメントにあたっては、夜間多尿や合併・併存する神経症状などを考慮しながら行う必要があります。 -
【chapter3〈実症例からみる正常・異常〉】 14 神経因性下部尿路機能障害(パーキンソン病)
26巻4号(2021);View Description
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パーキンソン病による下部尿路症状は、頻尿、切迫感が主体。膀胱内圧測定では、排尿筋過活動が見られることが多い。治療の主体は抗コリン薬、β3 作動薬。
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【排尿自立に結び付く間欠自己導尿カテーテルの選択】
26巻4号(2021);View Description
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適切な清潔間欠導尿による排尿管理は、排尿自立につながると考えられる。清潔間欠導尿で使用できるカテーテルの選択肢が広がり、手順や手技習得の面で、親水性コーティングディスポーザブルカテーテルは従来型カテーテルよりも大きなメリットがあると思われる。自己導尿指導に関する診療報酬が改定され、費用の面を心配せずに、個々の症例に合ったカテーテルの選択が可能になった。
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【イラストと写真で解説!これもおさえておきたい 研修医・若手医師のための泌尿器科の小手術 最終回】 経鼠径アプローチ精巣固定術
26巻4号(2021);View Description
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JOURNAL IN JOURNAL -Focus On Your Direction-【泌尿器科 専門領域の最新情報 vol.9】
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連載
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【ナースのお悩み背負い投げ 鳥ボーイのコミュニケーション鬼道場】 vol.4 時を戻そう……じゃなくて、「未来質問」を使いこなせ!
26巻4号(2021);View Description
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転倒してしまった患者さんに対して「なぜナースコールを押してくれなかったのですか?」と聞いたのですが、問い詰めるような雰囲気になってしまいました。私は患者さんにナースコールを使ってほしいだけなのに……。こんなとき、どうすればいいでしょうか。 -
【臨床の場面をキリトル! 泌尿器科の医療器具・医療機器・医療製品・ケア用品一挙紹介】 腹腔鏡手術中のヒトコマ
26巻4号(2021);View Description
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本連載では、泌尿器科にかかわる製品を、一般の泌尿器科医・ナースが知らないようなものも、新・定番問わず、大小かかわらず取り上げます。診察の場面や手術の場面などの1シーンを切り取り、場面ごとに使う商品写真・商品情報・使い方・おすすめポイント・使用上の注意点、管理の仕方などを紹介したいと思います。執筆者ならではの視点(現場の目線)で現場に役立つ情報をお届けいたします! -
【泌尿器科領域の抗がん薬の曝露対策】
26巻4号(2021);View Description
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泌尿器科のがん治療は多種多彩です。どの治療を選択するにしても、医療者、治療を受ける患者さん、そしてその家族が、日々安全に治療を継続できることが大切です。本連載は、その道のプロに基本からしっかりと教えてもらおう! ということで、泌尿器科腫瘍を専門とする医師、薬剤のことを熟知する薬剤師、そして使命感をもち、日々看護にあたる看護師の3名がチームとなって、すぐに役立つ曝露対策を解説していきます。それぞれの知識を、わかりやすく、楽しく、ときにはマニアックにお届けしたいと思います!
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その他
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