泌尿器Care&Cure Uro-Lo
(旧:泌尿器ケア)Volume 27, Issue 6, 2022
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目次
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特集 【いま一番新しい前立腺肥大症の診断・治療・看護】
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【chapter1〈総論〉】 01 前立腺肥大症の最近の動向
27巻6号(2022);View Description Hide Description超高齢社会を迎えて、前立腺肥大症は今後ますます増加することが予想される。メタボリックシンドロームや生活習慣病は、前立腺肥大症のリスク因子。系統的な検査とそれぞれの治療特性を知ることが前立腺肥大症診療成功の鍵 !? -
【chapter2〈Diagnosis〉】 02 前立腺肥大症の検査~診断
27巻6号(2022);View Description Hide Description前立腺肥大症は、中高年の男性にみられる進行性の疾患で非常に頻度が高い。前立腺肥大症の評価としては、症状の評価(困窮度の評価)、前立腺腫大の評価、膀胱出口部閉塞の評価を行う。 -
【chapter3〈Treatment(薬物療法)〉】 03 1st line:α1遮断薬or PDE5阻害薬
27巻6号(2022);View Description Hide Description下部尿路症状に対する有効性はα1 遮断薬とPDE5 阻害薬でほぼ同等である。副作用の傾向はα1 遮断薬とPDE5 阻害薬で異なり、後者には注意を要する禁忌事項がある。有効性、起こり得る副作用、禁忌事項を考慮してよりよい薬剤を選択する。 -
【chapter3〈Treatment(薬物療法)〉】 04 いま一番新しい5α還元酵素阻害薬単剤療法
27巻6号(2022);View Description Hide Description5α還元酵素阻害薬は前立腺体積30 mL 以上の前立腺肥大症患者がよい適応となる。5α還元酵素阻害薬は症状改善まで6ヵ月程度かかるため、新規に単剤で処方する際は患者さんとよく相談する。5α還元酵素阻害薬はPSA を半減させるため、内服後にPSA が基準値以下になってもPSA フォローを行う。 -
【chapter3〈Treatment(薬物療法)〉】 05 併用療法:α1遮断薬+PDE5阻害薬
27巻6号(2022);View Description Hide Descriptionα1 遮断薬とPDE5 阻害薬の併用療法は、前立腺肥大症例の下部尿路症状を改善させる可能性がある。小規模な研究が多く、エビデンスレベルは低い。頻度は低いものの、起立性低血圧などの心血管相互作用に注意が必要である。 -
【chapter3〈Treatment(薬物療法)〉】 06 併用療法:α1遮断薬+5α還元酵素阻害薬
27巻6号(2022);View Description Hide Description前立腺体積が30 mL 以上の患者さんにおいては、α1 遮断薬と5α還元酵素阻害薬の併用療法が有効である。α1 遮断薬と5α還元酵素阻害薬の併用療法を約1 年行うと、前立腺体積が約24%減少する。5α還元酵素阻害薬投与6ヵ月後および1 年後のPSA 値はそれぞれ平均42%および46%減少するので、5α還元酵素阻害薬を6ヵ月以上服用している患者さんのPSA 値(前立腺がんの有無)を評価する際には、測定値を2 倍した値を目安として基準値と比較することが推奨される。 -
【chapter3〈Treatment(薬物療法)〉】 07 併用療法:α1遮断薬+抗コリン薬orβ3作動薬
27巻6号(2022);View Description Hide Description前立腺肥大症に過活動膀胱症状を伴う頻度は高い。治療としてα1 遮断薬と抗コリン薬、もしくはβ3 作動薬の併用療法は有効である。ポリファーマシーや副作用について考慮することが重要である。 -
【chapter3〈Treatment(薬物療法)〉】 08 前立腺肥大症に対する単剤療法vs併用療法
27巻6号(2022);View Description Hide Description前立腺肥大症(BPH)に対する薬物治療の基本はα1 遮断薬またはPDE5 阻害薬の単剤療法で、排尿障害、蓄尿障害とも改善する可能性がある。排尿障害が強い場合には、α1 遮断薬+ PDE5 阻害薬または5α還元酵素阻害薬の併用療法はα1 遮断薬の単剤療法と比べてより効果的な場合がある。過活動膀胱(OAB)の症状が残存する場合には、α1 遮断薬にOAB 治療薬(抗コリン薬またはβ3 作動薬)を追加する。併用療法によって患者さんごとの個別化治療が可能となった反面、医療費の増大や多剤内服によるポリファーマシーの問題を引き起こす可能性がある。 -
【chapter4〈Treatment(手術療法)〉】 09 経尿道的前立腺切除術(TURP)
27巻6号(2022);View Description Hide DescriptionTURP の新たな手法としてバイポーラTURP が期待されている。特徴的な術中合併症に注意が必要である。レーザー手術に比較し劣る面もある一方、高い汎用性を有する。 -
【chapter4〈Treatment(手術療法)〉】 10 経尿道的バイポーラ電極前立腺核出術(TUEB)と経尿道的前立腺蒸散術(TURisV)
27巻6号(2022);View Description Hide Description経尿道的バイポーラ電極前立腺核出術(TUEB)は、大きな前立腺肥大症にも有効な手術である。経尿道的前立腺蒸散術(TURisV)は、中等度の前立腺肥大症に術後合併症が少ない手術である。TUEB とTURisV はバイポーラ高周波焼灼電源装置に専用ループを用いるので、設備コストが低く抑えられる。 -
【chapter4〈Treatment(手術療法)〉】 11 ホルミウムレーザー前立腺核出術(HoLEP)
27巻6号(2022);View Description Hide DescriptionHoLEP は全身麻酔もしくは脊椎麻酔が可能であれば、・前立腺体積にかかわらずに・抗血小板薬、抗凝固薬を継続したままで施行可能な手術である。 -
【chapter4〈Treatment(手術療法)〉】 12 光選択式前立腺蒸散術(PVP)
27巻6号(2022);View Description Hide DescriptionPVP はLBO レーザーを使用した前立腺肥大症に対する代表的な蒸散術。ヘモグロビンを選択して蒸散するため出血リスクが非常に少なく、経口抗凝固療法や抗血小板療法を施行中の患者さんに対しても内服を継続した状態で施行可能。術後の浮腫が軽度のため、翌日の尿道カテーテルの抜去が可能。 -
【chapter4〈Treatment(手術療法)〉】 13 新しい前立腺肥大症手術~経尿道的前立腺吊り上げ術~
27巻6号(2022);View Description Hide Description経尿道的前立腺吊り上げ術は、インプラントを埋め込むことによって閉塞の原因となる前立腺葉を圧迫する術式である。経尿道的前立腺吊り上げ術は、局所麻酔で施行可能であり、術後尿道留置カテーテルは必要ない。経尿道的前立腺吊り上げ術は、従来の外科的治療と同等のQOL 改善が期待でき、逆行性射精などの合併症が少ない。 -
【chapter5〈Care〉】 14-1 外来薬物療法中患者の留意点:医師の立場から
27巻6号(2022);View Description Hide Description訴えが不変でも、検尿と残尿測定は定期的に実施すべき。残尿の多い例では、感冒薬内服で急性尿閉(救急)リスクがある。尿道閉塞例は、薬物療法から手術療法への移行を考慮すべき。 -
【chapter5〈Care〉】 14-2 外来薬物療法中患者の留意点:看護師の立場から
27巻6号(2022);View Description Hide Description患者さんに処方されている薬剤を把握し、その効果と副作用を理解することが重要。薬に対しての勘違いや自己判断での服用がないよう、服用状況の聞き取りを行う。日頃のかかわりを大切にし、言い出しにくい副作用も話せる信頼関係をつくることが大切。 -
【chapter5〈Care〉】 15 術前~術後ケアと、退院後の生活指導
27巻6号(2022);View Description Hide Description【術前看護】手術への意思確認と術後への理解度の確認、内服薬(とくに抗凝固薬)の中止の確認を行う。【術後看護】バイタルサインの変動と血尿の変化を観察する。【術後看護】膀胱刺激症状やその他の痛コントロールがされているかを観察し、必要な手当てを実施する。【術後看護】バルーン抜去後は、排尿状況を確認する(尿の性状・回数・量・尿勢など)。【退院指導】患者さんによる尿の観察(性状・量・回数・尿の勢い)、しっかり水分摂取をすること、異常(血尿・発熱・尿閉)を感じたら、手術を受けた医療機関に相談することを指導する。
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JOURNAL IN JOURNAL -Focus On Your Direction-【泌尿器科 専門領域の最新情報vol.17 遺伝性疾患】
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遺伝カウンセリングの実際
27巻6号(2022);View Description Hide Description病気の発症素因として、遺伝的な体質(生まれつきの体質)があることが知られており、その診療や研究が行われています。近年、遺伝子解析の技術が進んだことにより、今後の医療では遺伝子の情報を活用する時代となります。ここでは、遺伝カウンセリングの実際について解説したいと思います。また、泌尿器科の疾患のなかでもがん易罹患性症候群(遺伝性腫瘍といわれることもあります)が疑われる患者さんの特徴について、少し触れたいと思います。 -
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Meeting Report
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その他
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