みんなの呼吸器Respica
継続前誌:呼吸器ケア
Volume 17, Issue 1, 2019
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目次
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連載
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特集 【急性期・回復期・生活期 みんながつながる 呼吸管理のフロントライン】
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【Keyword 1 ARDS】
17巻1号(2019);View Description
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ARDSは症候群であり、肺炎や外傷、敗血症など多くの疾患に合併する重症の急性呼吸不全です。原疾患の治療を行いつつ軽症の場合はNPPVを導入して改善を待ちますが、中等症以上では「肺保護戦略」に則った呼吸管理を行います。ポイントは①低い一回換気量と②末梢気道の開存であり、6~8mL/kg の一回換気量と高めのPEEPを用います。重症例では腹臥位療法や筋弛緩薬 投与を加えます。通常の人工呼吸管理で管理困難の場合、体外膜型人工肺 (ECMO)を用いる場合もあります。 -
【Keyword 2 敗血症】
17巻1号(2019);View Description
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本稿では『日本版敗血症診療ガイドライン2016』に基づき、敗血症の早期発見と介入、人工呼吸管理、鎮静・鎮痛・せん妄管理について解説します。感染症が疑われ、SOFAスコア合計2点以上の急上昇がある場合に敗血症 と診断します。診断後は早期の抗菌薬使用、感染部位のコントロール、循環管理を中心とした加療を行います。人工呼吸管理が必要な場合には肺障害の予防 を意識した管理を行います。また早期離床を目指し、適切な鎮痛を基盤として状況に合わせた鎮静管理を行います。せん妄が発生した場合にはその原因を除去しつつ、敗血症の治療を継続します。 -
【Keyword 3 ICU-AWおよびPICSとリハビリテーション】
17巻1号(2019);View Description
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重症患者の生存率の向上に伴い、退院後の長期間にわたって後遺症を有する患者の存在とその生活状況が明らかになってきました。集中治療後症候群(post-intensive care syndrome;PICS)は、主としてICU獲得性筋力低下(ICU acquired weakness;ICU-AW)によって影響を受けた身体機能障害に加えて、認知機能と精神の障害を伴ったものであり、患者の生活や予後、さらには家族の精神にも影響を及ぼします。PICSは何よりも「予防」が重要であり、ICU入室後から早期対応を意識した集中治療とケアの展開、さらには早期からのリハビリテーションおよびその長期的継続が必要不可欠です。 -
【Keyword 4 人工呼吸器】
17巻1号(2019);View Description
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機械としての人工呼吸器は成熟期に入っています。将来的には、人工呼吸療法の専門家向けの多機能機種と、高性能でありながら自動化されたシンプルな機種の二極化が進むと考えられます。安全性の向上とトリガー方式の改良による同調性向上に進化の余地があります。各種診断機能の搭載と人工知能の応 用で、呼吸管理の中心的役割を果たす装置への発展も期待されます。低消費 電力・低酸素使用量を強化した災害時モードの開発も望まれます。 -
【Keyword 5 人工呼吸器離脱】
17巻1号(2019);View Description
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人工呼吸器から離脱するための明確な指標は現段階で存在しません。そのため抜管するときには総合的な判断が必要となるのですが、一定の割合で再挿管になってしまいます。そこで再挿管を少しでも減らすため、医療従事者はどういったことに着目して介入していくべきなのか、人工呼吸器早期離脱成功の一助となるべくプロトコル作成から SAT、SBT、RSBI、カフリークテスト、ステロイド投与など、順を追って説明していきます。 -
【Keyword 6 NPPV】
17巻1号(2019);View Description
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呼吸不全に至った患者やそのハイリスク患者に対して、「酸素化の改善、換気の改善、呼吸仕事量の軽減」を目標として呼吸療法は行われます。非侵襲的陽圧換気(non-invasive positive pressure ventilation;NPPV)は気管挿管と異なり、侵襲の少ないインターフェース(鼻マスク、口鼻マスクなど)を用いて行う人工呼吸(陽圧換気)です。絶対的禁忌もほとんどなく、徐々にその使用は増えています。しかし、呼吸不全といってもその原因は多岐にわたります。本稿では、どのような呼吸不全にNPPVが向いているのか、近年の報告を中心に考えていきたいと思います。 -
【Keyword 7 ハイフローセラピー】
17巻1号(2019);View Description
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ハイフローセラピーは最大 60L/minまでの加温加湿されたガスを、広径の鼻カニューラで直接鼻咽頭内に投与する酸素療法です。これまで経鼻的には通 常6L/minの酸素流量が限界でしたが、ハイフローセラピーではガスを適切に加温加湿することで高流量ガスの投与が可能となりました。わが国では2012 年頃より使用され始めましたが、有効性が高く患者の受け入れも良いため、院内での急性呼吸不全の患者を中心に使用される頻度が急速に高まっています。また最近では、急性呼吸不全のみならずさまざまな用途での有効性が報告されています。本稿ではハイフローセラピーの現況と最近のトピックスを取り上げて解説したいと思います。 -
【Keyword 8 小児の呼吸管理】
17巻1号(2019);View Description
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この項では、小児の呼吸管理の生理学的特徴、一般病棟管理、集中治療管理、在宅人工呼吸管理について整理します。成人と異なる部分が注目され、苦手意識を持っている方が多いかもしれません。しかし、基礎疾患が複数ない場合が多く、ポイントを押さえることができれば対応がしやすいのが小児の呼吸です。苦手意識を克服し、小児の呼吸管理を楽しめるようになりましょう! -
【Keyword 9 鎮痛・鎮静とせん妄管理】 <1>鎮痛・鎮静
17巻1号(2019);View Description
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・ICUでは痛みは過小評価されやすいです。重症患者は痛みがあると考え、NRSやCPOTなどを用いてルーチンに痛みの評価を行いましょう。・鎮痛を主体とした浅い鎮静、あるいは無鎮静による合併症を最小限にすることを目指した管理を行いましょう。「鎮痛なくして鎮静なし」です。そして可 能な限り深い鎮静は避け、浅い鎮静を目指しましょう。・集中治療室でよく使う、鎮静・鎮痛薬の使用法、副作用、注意点について習熟しましょう。 -
【Keyword 9 鎮痛・鎮静とせん妄管理】 <2>せん妄管理
17巻1号(2019);View Description
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J-PADガイドライン(※)では、重症患者管理においてせん妄(delirium) を重要な問題として取り上げています。せん妄は治療の妨げとなり、看護する者の負担を増大させるだけでなく、ICU患者の死亡率の上昇や入院期間の長期化と関連していると考えられています。ICUでのせん妄の発症率は80%以上という報告もあり、せん妄は患者ケアに関わるすべてのスタッフが認識すべき病態といえます。 -
【Keyword 10 アドバンス・ケア・プランニング(ACP)】
17巻1号(2019);View Description
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近年、アドバンス・ケア・プランニング(advance care planning;ACP)の重要性は認識されていますが、早期から行われていることは少なく、患者の意思を確認することなく代理意思決定者に終末期医療の決定を委ねていることが 少なくありません。予後が不確かな慢性呼吸器疾患患者が、最期までその人らしく最善の生を生き抜くためには、価値観、望む生き方を重要他者と共有し理解を得るACPは不可欠です。ACPを積極的に取り込むことができるように、ACPの意義や支援方法など概説および意思決定支援の実践事例をご紹介します。 -
【Keyword 11 慢性呼吸不全の管理はどう変わるのか?】
17巻1号(2019);View Description
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高流量鼻カニューラ(high flow nasal cannula;HFNC)の登場により、慢性期の呼吸管理の枠組みが大きく変わろうとしています。ただし、まだ十分なエ ビデンスがあるわけではありません。HFNCと非侵襲的陽圧換気療法(noninvasive positive pressure ventilation;NPPV)の長所・短所および限界をそれぞれのメカニズムから理解する必要があります。また、臨床での実現可能性も考慮しなければなりません。総合的に判断し呼吸管理方法を選択していくことになります。 -
【Keyword 12 気管挿管患者の口腔ケア実践ガイド】
17巻1号(2019);View Description
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口腔ケアは人工呼吸器関連肺炎(ventilator-associated pneumonia;VAP) の予防を主目的として実施します。口腔ケアの準備時は、感染防御とカフ圧や体位調整など垂れ込ませないためのケアが重要であり、準備段階できちんとアセスメントを行い、乾燥が著明であればあらかじめ保湿を行います。また、口腔ケア実施時は、患者の状態や環境に合わせて安全な方法を選択していきます。 -
【Keyword 13 地域包括ケア】
17巻1号(2019);View Description
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わが国で急速に増加している高齢者人口に対応するため、厚生労働省は地域包括支援システムを推進しています。本稿では、地域包括ケアにおける呼吸ケアの現状を考えながら、当地域で取り組んでいる石巻地域COPDネットワークと石巻地域肺炎ネットワークについて紹介します。 -
【Keyword 14 特定行為研修と呼吸ケア】
17巻1号(2019);View Description
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2015年10月にスタートした看護師特定行為研修は、厚生労働省が当初掲げた「 2025年までに研修修了者 10万人確保」という目標数値にはまだ遠いものの、3年を経て修了者の増加に伴い、臨床でどのような活躍ができるかが注目される段階に入ったと言えるかもしれません。本稿では研修制度の狙いを振り返り、人工呼吸器管理に関連するものを中心に特定行為研修の意義について考えます。 -
【Keyword 15 呼吸に関連する教育・資格認定制度】 <1>Dr:新専門医制度、関連学会専門医
17巻1号(2019);View Description
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医師の専門医制度は従来、各学会主導で進められてきました。昨年からは第 三者団体である日本専門医機構が全体を統括し、それぞれの専門医を一定水 準以上にして、広く国民に周知しようとしています。新専門医制度では特に、2 階建ての構造で基本領域は19領域に絞った点と、それぞれが3~4年のプログラム制となった点は以前と大きく異なります。今後、日本の医療にどのような変化が出るか注目されています。 -
【Keyword 15 呼吸に関連する教育・資格認定制度】 <2>Ns:認定看護師制度の再構築
17巻1号(2019);View Description
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日本看護協会は現在の認定看護師制度を再構築し、新たなスタートを切ることを表明しています。筆者は集中ケア認定看護師であり、過去に集中ケア認定看護師の教育や特定行為研修の研修担当を行ってきた経験から、新たに誕生する認定看護師への期待について述べたいと思います。 -
【Keyword 15 呼吸に関連する教育・資格認定制度】 <3>PT:専門・認定理学療法士、呼吸療法認定士、呼吸ケア指導士
17巻1号(2019);View Description
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呼吸器疾患に対する理学療法の知識は、急性期のみならず、回復期から生活期まで広く必要とされる領域の1つです。しかしながら、各養成校における理学療法士の卒前教育では、呼吸に関連する学習内容は非常に限られたものとなることが多いため、卒後の自己学習が重要となります。本稿では、理学療法士が呼吸理学療法のみならず、呼吸療法全般にわたる知識を習得するために 活用される、理学療法士が取得可能な資格認定制度を中心に概説します。 -
【Keyword 15 呼吸に関連する教育・資格認定制度】 <4>CE:各種研修制度、専門・認定臨床工学技士
17巻1号(2019);View Description
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臨床工学技士会の呼吸に関する教育・資格認定制度を中心に紹介します。総合的な力を付けたいのか、実践力を付けたいのか、苦手部分を克服したいのか、それぞれのニーズに合った勉強方法を探してみてください。 -
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【年がら年中、教育のことを考えている長尾先生のコラム ベストティーチャーのつぶやき】 怖い先生・笑顔の先生/怖い先輩・笑顔の先輩
17巻1号(2019);View Description
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【いつもの呼吸管理機器 使いかたの○と×】 その使いかた、ちょっと待った!! いつものマスクフィッティング ○と×
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【Respica ★ Journal】 <1>失敗に学ぶRST運営術 ~しくじり先生 俺みたいになるな!!~
17巻1号(2019);View Description
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