みんなの呼吸器Respica
継続前誌:呼吸器ケアVolume 18, Issue 6, 2020
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目次
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連載
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特集 【―エビデンスと貴重な実践知をふまえて― めざそう!質の高いハイフローセラピー】
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【Part.1 比べてわかるHFNCの適応範囲とエビデンス】 <1>ハイフローセラピーの原理と効果、エビデンス
18巻6号(2020);View Description Hide Descriptionハイフローセラピー(high flow therapy;HFT)は、科学論文では経鼻高流量酸素療法(high flow nasal cannula;HFNC)という言い方が一般的です。日本の臨床の現場ではもともと登録商標であったネーザルハイフローという言い方も普及していますが、本稿ではいずれも同じものとして扱います。 -
【Part.1 比べてわかるHFNCの適応範囲とエビデンス】 <2>急性期のハイフローセラピー
18巻6号(2020);View Description Hide Description経鼻高流量酸素療法(high flow nasal cannula;HFNC)は、最大60L/min の加温加湿された混合酸素を供給できる酸素療法です。快適性を保ちながら、正確に高濃度の酸素を供給することができ、解剖学的死腔のウォッシュアウト効果、粘膜線毛クリアランスの改善、軽度のPEEP 効果、呼吸仕事量の軽減などさまざまな生理学的効果を持っています。忍容性の高さや管理の簡便さから医療現場での使用頻度は高まっていますが、現在はまだエビデンスを集積している段階にあります。 -
【Part.1 比べてわかるHFNCの適応範囲とエビデンス】 <3>抜管後のハイフローセラピー
18巻6号(2020);View Description Hide Description抜管は、患者の呼吸状態に大きく影響を与える処置です。人工呼吸に至った原疾患が十分に改善し、自発呼吸トライアル(spontaneous breathing trial;SBT)を行い、喀痰喀出に問題がない場合に抜管を試みます。報告により幅はありますが、集中治療領域において、抜管後気道狭窄、または抜管後再挿管(抜管失敗)の発生率は10%前後と報告されています。もし発生した場合には、予後不良となるため注意が必要です。再挿管までの時間は中央値15 時間(IQR[interquartile range]2~45 時間)、再挿管になった患者の90%以上は、抜管から96 時間以内に再挿管になったという報告があります。このため、抜管直後~数日間は、患者の呼吸状態を注意深く観察する必要があります。 -
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【Part.1 比べてわかるHFNCの適応範囲とエビデンス】 <5>回復期のハイフローセラピー
18巻6号(2020);View Description Hide Description新しい酸素療法であるHFNC(high flow nasal cannula)は、近年臨床の現場でその有効性を発揮し、多くの場面で用いられるようになっています。HFNC は高流量・高濃度の酸素を供給できるという特性から、低酸素血症が著しい病態に多く用いられます。また、高二酸化炭素血症を有する患者にも、実はほかの酸素療法に比べてHFNC は使いやすく、よく用いられます。なぜなら、まずHFNC は低濃度の酸素を正確に設定でき(吸入酸素濃度;FIO2 は21~100%まで設定可能)、また鼻腔から咽頭にかけてのスペースの空気を高流量で洗い流して死腔を減らすことにより、換気の効率を高められるからです。本稿では、慢性期・急性増悪からの回復期におけるHFNC 使用について、最新の知見を交えて概説します。 -
【Part.1 比べてわかるHFNCの適応範囲とエビデンス】 <6>終末期のハイフローセラピー
18巻6号(2020);View Description Hide Description経鼻高流量酸素療法(high flow nasal cannula;HFNC)は急性期から慢性期呼吸不全において幅広く適応を持ちます。ざっくり言うとHFNC は「酸素療法以上、非侵襲的陽圧換気療法(non-invasive positive pressure ventilation;NPPV)未満」の位置付けです。quality of life(QOL)やquality of death(QOD)がより重要視される終末期~最終末期では、簡便さ、効果の高さ、装着しながら会話や食事・飲水が可能なHFNC の利点が大いに生かされる場面です。本稿では、終末期のHFNC の意義やゴールを考えながら、現状やこれまでの報告についておさらいしてみたいと思います。 -
【Part.1 比べてわかるHFNCの適応範囲とエビデンス】 <7>在宅・終末期の診療報酬
18巻6号(2020);View Description Hide Descriptionわが国では国民皆保険制度のもと医療費は全国一律となっており、社会情勢の変化に応じて医療の質の向上や望ましい医療提供の推進・均霑化を促すために2 年ごとに改定が行われています。私たち医療従事者にとって診療報酬は質の高い医療を行う原動力の一つですが、保険収載には科学的な裏付けがあることが前提となります。 -
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【Part.1 比べてわかるHFNCの適応範囲とエビデンス】 <9>安易にハイフローセラピーを実施することへの警鐘
18巻6号(2020);View Description Hide Description経鼻高流量酸素療法(HFNC)により得られる恩恵は、すでに他稿で十分な説明がなされています。本稿ではあえて、注意点にフォーカスし警鐘を鳴らしたいと思います。日々の呼吸ケアの現場にお役に立てれば幸いです。警鐘とは、HFNC の導入に際して「次のステップへの判断を怠るべからず」ということです。呼吸管理において重要なのは、血液ガスの数値の改善だけで良しとするのではなく、急性期を乗り越えた先を意識する、長期的な視点です。 -
【Part.2 エキスパートの視点がわかるHFNC実践のコツ】 <1>各種ハイフローセラピーのセッティングと観察ポイント
18巻6号(2020);View Description Hide DescriptionHFNC は、専用の鼻カニューラを用いて加温加湿された高流量(30L/min 以上)の酸素を投与する呼吸管理法です。HFNC は、さまざまな生理学的効果や簡単な操作性、忍容性の高さによりICU から一般病棟まで幅広く使用されています。それに伴いHFNC のデバイスも数多くの機種が登場してきました。本稿では、HFNC の各タイプの特徴、セッティング、観察ポイントについて解説していきます。 -
【Part.2 エキスパートの視点がわかるHFNC実践のコツ】 <2>圧・流量・吸入酸素濃度と加温加湿の設定のポイント
18巻6号(2020);View Description Hide DescriptionHFNC の目的とするところは、主に酸素化の改善にあるといえます。換気効率を改善する効果も指摘されています。HFNC の設定項目には、流量、吸入酸素濃度(FIO2)、温度があります。本稿では、各項目の設定について筆者の私見を交えて述べてみたいと思います。 -
【Part.2 エキスパートの視点がわかるHFNC実践のコツ】 <3>ハイフローセラピー患者に対する看護ケアのポイント
18巻6号(2020);View Description Hide Description通常の酸素投与システムによる鼻カニューラやリザーバー付き鼻カニューラで改善が見られない場合、あるいは開放型酸素マスクやリザーバーマスクなどの高流量のデバイスを使用しても改善しない場合など、HFNC の使用を検討するタイミングは医師や施設ごとに異なります。看護師はその患者の状況を把握し、適した酸素濃度と流量の調整を行いながら、HFNC 使用前と比較して症状の改善があるか、HFNC 使用における諸問題が生じていないかなどの観察を含めたケアを行っていきます。 -
【Part.2 エキスパートの視点がわかるHFNC実践のコツ】 <4>ハイフローセラピー患者に対するリハビリテーションのポイント
18巻6号(2020);View Description Hide Description経鼻高流量酸素療法(high flow nasal cannula;HFNC)を必要とする患者は、病態はどうであれ呼吸不全の状態にあり、呼吸リハビリテーションの適応となることが多いと思います。われわれは呼吸リハビリテーションを実施するにあたり、運動療法をプログラムのコアとして、コンディショニング、ADLトレーニングを組み合わせて実施します1)。当然、運動強度や各プログラムの構成・割合などは、重症度や病態など患者の状況により異なりますが、HFNC 管理中であってもベッド上でのリハビリテーションしかできないということはありません。HFNC を理解しリハビリテーションを進められるよう、本稿ではリハビリテーションを行う際に必要なHFNC のポイントをまとめました。 -
【Part.2 エキスパートの視点がわかるHFNC実践のコツ】 <5>ICUまたは病棟での使用におけるトラブルシューティング
18巻6号(2020);View Description Hide Description -
【Part.3 ケーススタディ】 <1>医師の視点から:急性期のハイフローセラピー
18巻6号(2020);View Description Hide Description経鼻高流量酸素療法(high flow nasal cannula;HFNC)が2010 年代に日本に導入されて以後、急性Ⅰ型呼吸不全の無作為化比較試験においてHFNC の有効性が示され、また2016 年に保険収載されたことから、近年臨床現場でのHFNC 使用が増えてきています。2018 年に施行された日本でのHFNC使用実態を調べた横断的多施設調査では、急性呼吸不全への使用が65.4%を占め、そのうち間質性肺炎が19.3%で最多でした。本稿でも急性期のHFNC として間質性肺炎の症例を取り上げたいと思います。 -
【Part.3 ケーススタディ】 <2>看護師の視点から:急性期のハイフローセラピー
18巻6号(2020);View Description Hide Description抜管後の呼吸管理は、患者の状態に応じて、マスクもしくはカニューラによる酸素投与やHFNC、NPPV が選択されます。当ICU では、心原性肺水腫を伴わないガス交換障害症例、傾眠や長期人工呼吸器管理による軽度の呼吸減弱症例などにおいてHFNC が選択されます。また、一般病棟への継続性といった理由から選択される場合もあります。 -
【Part.3 ケーススタディ】 <3>医師の視点から:安定期のハイフローセラピー
18巻6号(2020);View Description Hide Description日本での安定期の経鼻高流量酸素療法(HFNC)は、執筆時点において保険診療が認められていません。しかし、その有用性により、今後は安定期でもHFNC が使用されることが想定されます。安定期におけるHFNC の利点は、快適性、二酸化炭素の洗い流し効果、加温加湿効果にあります。一方、換気補助効果は、非侵襲的陽圧換気療法(NPPV)に劣っていると考えられ、注意する必要があります。本稿では、安定期のHFNC の適応の考え方とその実際について、症例を用いて提示します。 -
【Part.3 ケーススタディ】 <4>看護師の視点から:回復期(安定期)のハイフローセラピー
18巻6号(2020);View Description Hide DescriptionHFNC は、鼻カニューラや酸素マスクによる通常酸素療法では酸素化を補うことができない症例や、NPPV のような人工呼吸管理が必要となる前段階、NPPV を離脱する過程においてなど幅広い用途で使用できることから、慢性期病棟の臨床現場でも活躍する場が増えてきています。また、装着時の不快感が少なく、食事や会話が可能であるため、QOL の改善も期待できます。本稿では呼吸管理だけではなく患者の生活を考慮に入れて、回復期・安定期におけるHFNC の活用を看護の視点から述べたいと思います。 -
【Part.3 ケーススタディ】 <5>医師の視点から:終末期のハイフローセラピー
18巻6号(2020);View Description Hide Description慢性呼吸不全患者の終末期治療において、経鼻高流量酸素療法(HFNC)はその有効性が期待されている治療法の一つです。しかし、終末期治療におけるHFNC のエビデンスは未だ十分ではなく、その適応には慎重であるべきです。本稿では、終末期治療の一環としてHFNC を行った症例を提示し、医師の視点から解説します。 -
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