みんなの呼吸器Respica

酸素化・換気の評価では動脈血液ガス分析の結果だけではなく、X 線画像はもちろん患者の観察も重要で、得られた結果・データを総合的に判断しましょう。今行っている治療の効果が最大限に発揮できるよう、看護師もアセスメントして患者の状態を把握し、行えるケアを考えることが重要です。

人工呼吸器のグラフィックモニターは、人工呼吸器装着患者の一回換気量や気道内圧、流量が波形で表示され、グラフィックから喀痰の貯留や回路内の結露、人工呼吸器との同調や自発呼吸の有無について視覚的に観察することができます。今回、COPD（慢性閉塞性肺疾患）の症例を通して、侵襲的人工呼吸管理を行う場合のグラフィック波形の読み取り方と、患者に適した人工呼吸器による換気設定について学んでいきたいと思います。

気道は空気の通り道ですから、その部分が開通していない（高度狭窄している）ことは、生命の危機的状況につながるといっても過言ではありません。特に人工呼吸器装着中の患者は、気道が人工気道を介していることが多く、自然気道ではなく人工気道となっていることのメリット・デメリットを知っておくことがとても重要だと思います。本稿では、3 年目の看護師の1 日を通して、「患者に気道の問題があるのではないか？」という発見のところから「再発予防のためにはどうすればよいか？」ということについて解説していきます。一例ですので、ほかの可能性についても本特集の気道の解剖の項を参考に検討していただけたらと思います。

フィジカルアセスメントを的確に行うには呼吸様式の評価が不可欠です。呼吸様式の評価は数値では行えないので客観性を失いやすく、誰にでもわかるように伝えるには適切な言語の選択と表現が必要です。「荒い」「穏やか」「大きい」「小さい」「うるさい」「静か」「吸えない」「はけない」などといった形容と解剖学的部位や医学用語を駆使してわかりやすく人に伝え、共有できるように多くの観察経験を積んでわかりやすく表現できるようになっていただきたいと思います。多種多様な呼吸様式の中でも典型的な異常呼吸には名前がついていますので、その特徴をしっかり捉え、発見できるようになることが重要です。そして異常呼吸ごとに原理を考えて、なぜそのような胸の動きになるのかを考えることができると、呼吸の評価能力は飛躍的に向上します。原因を特定することができなければ、異常呼吸を捉えても効果的なケアや対処が行えません。本稿ではシーソー呼吸を取り上げ、同じ様式でも原因の異なる異常呼吸をテーマに気道・呼吸状態の評価のコツを展開します。

患者さんの入院時オリエンテーションを担当したのですが、「そんなに一度に説明されても覚えられるか！」って言われたんです。説明しなきゃいけない内容がたくさんあって焦っていたのですが、どうすれば良かったのかなぁ……。

20年来取り組んできた包括的呼吸リハビリテーションをセンターとして立ち上げたい！ そんな想いを胸に、新しい挑戦を始めた大阪府結核予防会大阪病院の医師・スタッフの奮闘の日々を同時進行でお届けしていきます。