みんなの呼吸器Respica
継続前誌:呼吸器ケア
Volume 21, Issue 3, 2023
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目次
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連載
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特集 【あわせてナットク! 呼吸と循環 おもろ・からふる病態生理】
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【Part.1 呼吸と循環のキホン:解剖生理とそのつながり】 <1>呼吸器の解剖とはたらき
21巻3号(2023);View Description
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呼吸とは、酸素を体内に取り入れて、二酸化炭素を体外に排出することです。言葉で書くと非常にシンプルですが、その過程には気管、気管支、肺胞といった呼吸器系と、肺循環や心臓といった循環器系とが複雑に関わっています。本稿ではまず、正常な呼吸器の解剖やガス交換の仕組みについて説明します。 -
【Part.1 呼吸と循環のキホン:解剖生理とそのつながり】 <2>循環器の解剖とはたらき
21巻3号(2023);View Description
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心臓に求められる仕事は、各臓器が必要とする血液量を拍出することです。その役割を果たすためには、①左心機能・右心機能に問題がない、②冠循環に問題がない、③刺激伝導系に問題がないことが必要です。心拍出量は、心室機能、前負荷、後負荷で規定されます。本稿では、病態を理解するための、心臓の正常な解剖とはたらきについて説明します。 -
【Part.1 呼吸と循環のキホン:解剖生理とそのつながり】 <5>血圧が「上がる」「下がる」ことの機序とは? 血圧の「低値」「高値」とはどういった意味合いか?
21巻3号(2023);View Description
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血圧は一般的には動脈圧のことを指し、心臓の拍動により血液が動脈に送り込まれることにより生じます。生命徴候(バイタルサイン)の一つであり、非常に重要です。動脈圧は心臓の収縮と拡張に伴って刻々と変化し、心周期ごとに周期的に変化します。左室が収縮し左室内圧が中心動脈圧を上回ると大動脈弁が開放し収縮期となり、動脈圧波形が立ち上がります。動脈圧が最も高くなったときの値を収縮期血圧といいます。その後、左室内圧が中心動脈圧を下回ると大動脈弁が閉鎖し拡張期となり、大動脈圧は指数関数的に減少し、最も低くなったときの値を拡張期血圧といいます( 図1 )。十分な拡張時間があれば拡張期血圧は動脈内の血液充満圧となり、動脈内の血液量を反映します。 -
【Part.1 呼吸と循環のキホン:解剖生理とそのつながり】 <6>呼吸不全の酸素の取り込みかたと換気はどうなっている?
21巻3号(2023);View Description
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私たちは、吸気によって空気を肺胞まで吸い込み、肺胞と接する毛細血管との間で酸素・二酸化炭素の交換(拡散)を行い、呼気によって排出しています。呼吸不全では、この一連の流れのどこかに異常が生じ、その結果、血中への酸素の取り込みが低下します。呼吸の流れのどこにどのような異常が起こっているのか、I 型呼吸不全とⅡ型呼吸不全に分けて解説します。 -
【Part.2 マンガだからおもろくわかる:呼吸と循環の病態生理】 <1>肺炎(特に重症肺炎や敗血症)で循環はどうなる?
21巻3号(2023);View Description
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肺炎は最も代表的な呼吸器感染症です。一般的には肺に細菌が侵入することで発症します。肺炎を起こすと、全身性の炎症が惹起され、敗血症に至ることがあります。敗血症では、炎症性サイトカインなどの影響で末梢血管が拡張し、血圧が低下するショックをきたすことがあります。また、肺炎は重症化すると肺本来の機能、すなわち血中に酸素を送り込み、二酸化炭素を排出する機能が障害されます。それに伴い、末梢に酸素化された血液を送る心臓に対して負荷がかかります。さらにほかの感染症と同様に、発熱に伴って頻脈になると、心臓に負担をかけることになります。このような形で、肺炎は循環に影響を与えます。このため、肺炎治療では、抗菌薬治療や酸素投与に加え、循環管理も重要な要素の一つです。 -
【Part.2 マンガだからおもろくわかる:呼吸と循環の病態生理】 <2>慢性肺疾患(COPDおよび間質性肺炎)で循環はどうなる?
21巻3号(2023);View Description
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慢性肺疾患(COPD や間質性肺炎)は、肺自体だけではなく、肺の中を通る血管の障害を引き起こします。慢性肺疾患が進行すると肺高血圧症を合併し、右心不全を呈するようになります。診断は、各種検査を組み合わせて総合的に判断します。慢性肺疾患に伴う右心不全に対しては、原疾患の治療のほか、酸素療法や薬物療法などの支持療法があります。 -
【Part.2 マンガだからおもろくわかる:呼吸と循環の病態生理】 <3>気胸・緊張性気胸で循環はどうなる?
21巻3号(2023);View Description
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気胸と循環、一見つながりはないように見えますが実は密接に関係しています。気胸は救急外来でも病棟でも遭遇する比較的common な疾患ですが、無症状で自然軽快するものから重篤な低酸素血症をきたすもの、心停止の原因となるものまでさまざまな種類があります。中でも緊張性気胸は心停止につながり得る疾患で、病態を理解した上で速やかな対応が求められます。本稿では気胸、特に緊張性気胸でどのような循環動態の変化をきたすのかを説明していきます。 -
【Part.2 マンガだからおもろくわかる:呼吸と循環の病態生理】 <4>肺塞栓症で循環はどうなる?
21巻3号(2023);View Description
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皆さんは肺塞栓症と聞いてどんなイメージを持つでしょうか。肺のガス交換がうまくいかない、呼吸困難や低酸素をきたす呼吸に関わる呼吸器疾患を想像する人が多いのではないでしょうか。一方で、重症例では急速な右心不全の進行により血圧低下や死亡に至ることもあり、PCPS(経皮的心肺補助装置)など補助循環を必要とする重い循環器疾患である、というイメージを持つ人もいるでしょう。これは、肺塞栓症という疾患が呼吸と循環の2 つの側面を有する、軽症から重症まで実に幅広い臨床像を持った疾患だからです。本疾患の病態を生理学的な側面から知ることができれば、患者への治療やケアに関する理解が深まるでしょう。本稿では、特に循環(肺循環および体循環)に生じる異常に焦点を当てて説明していきます。 -
【Part.3 でっかいイラストでわかる:呼吸に異常が見られる循環器疾患の病態】 <1>狭心症・心筋梗塞は呼吸にどう影響する?
21巻3号(2023);View Description
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肺胞壁を取り囲んでいる毛細血管は、液体成分を血管内から血管外に押し出そうとする静水圧と、逆に液体成分を血管外から血管内へ引き込もうとする浸透圧、そして血管透過性の影響を受けています。さらに、血管外へ押し出された液体成分はリンパ管に取り込まれることで水分量を調整しています。心筋梗塞など心機能が低下する状態では、肺胞を取り囲む毛細血管の圧が上昇し、血管外に液体成分が漏出する「肺水腫」が出現します。血管外への液体貯留が進行すると、拡散障害をきたし低酸素血症が出現します。また流出した液体成分は重力の影響で下肺野や背部により多く貯留し、換気血流比の不均等分布が著しくなります。 -
【Part.3 でっかいイラストでわかる:呼吸に異常が見られる循環器疾患の病態】 <2>弁膜症は呼吸にどう影響する?
21巻3号(2023);View Description
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弁膜症とは、何らかの原因により、本来は血液逆流を防止する弁の機能不全が生じる疾患です。大動脈弁および僧帽弁の左心系弁膜症では呼吸症状を呈しやすいですが、肺動脈弁および三尖弁の右心系弁膜症においては初期症状が非特異的で、呼吸症状は軽微であることが多いです。僧帽弁逆流による片側性肺水腫や、心房間シャントを伴う三尖弁逆流症によるチアノーゼなど、特異的な呼吸への影響を呈する症例があります。聴診と心エコー検査が診断に有用であり、弁膜症が疑われた症例には積極的に鑑別を行う必要があります。 -
【Part.3 でっかいイラストでわかる:呼吸に異常が見られる循環器疾患の病態】 <3>心不全で呼吸が苦しくなるのはどうして?
21巻3号(2023);View Description
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心不全になると肺や腎臓、肝臓、骨格筋など多くの臓器の機能が低下します。特に肺は解剖的にも生理的にも心臓と密接な関係があり、そのため、心不全の患者は労作時息切れや呼吸困難などの呼吸に関する症状を訴えることが多いです。本稿では心不全の病態から、なぜそのような症状が現れるのかについて解説していきます。 -
【Part.3 でっかいイラストでわかる:呼吸に異常が見られる循環器疾患の病態】 <4>肺高血圧症で呼吸はどうなる?
21巻3号(2023);View Description
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肺高血圧は、肺動脈の圧が異常に上昇(平均肺動脈圧が25mmHg 以上)する稀な疾患です。一概に肺高血圧症と言っても、その原因はさまざまであり、呼吸が苦しくなる原因も疾患によって異なります。本稿では、慢性血栓塞栓性肺高血圧症(CTEPH)において呼吸が苦しくなるメカニズムを説明します。 -
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ブラッシュアップ特集 【低酸素血症を予防する もっとレベルアップ 呼吸リハビリテーション】
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総論 運動時低酸素血症のメカニズム
21巻3号(2023);View Description
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運動時低酸素血症(exercise induced desaturation;EID)は、安静時には低酸素血症を認めませんが、運動によってSpO2 が88%以下になること、もしくは安静時から4%以上低下かつ90%未満になることをいい、呼吸器疾患患者では一般的な有害事象です。EID がある患者は予後不良であり、運動能力が低下するために十分なリハビリテーションも行えなくなります。原因は疾患や病態によってさまざまですが、酸素消費量が酸素供給量を上回った際にEID を呈します。本稿では、EID が生じる原因、評価する意義、評価方法について解説します。 -
<1>安定期COPDの呼吸リハビリテーション
21巻3号(2023);View Description
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安定期COPD 患者の呼吸リハビリテーションは、エビデンスの確実性が強いとされています。主症状である低酸素血症や呼吸困難を回避しながら効率的な運動療法を提供することが重要であり、運動耐容能の評価と共に問診やADL・HRQOL・心理社会的評価などを行い、患者の状態を多角的に捉える必要があります。リハビリテーションの過程で生じる症状の変化や酸素療法・環境などのギャップを注意深く観察し、そのギャップを埋めるための再考を繰り返しながら、症状やQOL の改善、運動耐容能と身体活動性の向上に努めることが重要です。 -
<2>間質性肺炎急性増悪時の呼吸リハビリテーション
21巻3号(2023);View Description
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間質性肺炎の急性増悪は予後不良とされていますが、薬物療法や呼吸管理の発展により治療有効例も報告され、生存例も増加しています。急性増悪時は労作時の著明な低酸素血症により離床が制限されることもありますが、安静臥床に伴う合併症の予防とADL 維持・改善を目的に早期からの呼吸リハビリテーション介入が必要です。本稿では急性増悪時の呼吸リハビリテーションの方法と、低酸素血症への対応や考えかたを中心に解説します。 -
<3>Post-COVID-19の呼吸リハビリテーション
21巻3号(2023);View Description
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2019 年12 月から新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は世界に広がり、約3 年間で多数の感染者を出しました。当院では2020 年10 月より、COVID-19 入院患者のクリニカルパスを作成し、早期に理学療法を提供できるシステムを構築しました。また、退院後の身体・精神・認知機能障害を中心とした後遺症についても検討しています。本稿では、COVID-19 感染後の評価・介入、注意すべきポイント、Post-COVID-19 患者のリハビリテーションの必要性を当院のデータを交えて述べていきます。 -
<4>COPD合併肺がんの周術期呼吸リハビリテーション
21巻3号(2023);View Description
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COPD を合併する肺がん患者の手術件数は増加傾向にあり、術後は呼吸器合併症の発症リスクが高いことが知られています。そのため、周術期は呼吸リハビリテーションが重要になりますが、COPD を合併する肺がん患者は運動時に低酸素血症が生じやすく、周術期の呼吸リハビリテーションでは低酸素血症に対して適切に対処していく必要があります。本稿では、COPD 合併肺がん患者に対する周術期呼吸リハビリテーションの具体的な内容について解説します。
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