整形外科
・1950年創刊。整形外科領域でいちばんの伝統と読者を持つ専門誌。
読者と常に対話しながら企画・編集していくという編集方針のもと、年間約250篇にのぼる論文を掲載。
・その内容は、オリジナル論文、教育研修講座、基礎領域の知識、肩の凝らない読み物、学会関連記事まで幅広く、整形外科医の日常に密着したさまざまな情報が、これ1冊で得られる。
読者と常に対話しながら企画・編集していくという編集方針のもと、年間約250篇にのぼる論文を掲載。
・その内容は、オリジナル論文、教育研修講座、基礎領域の知識、肩の凝らない読み物、学会関連記事まで幅広く、整形外科医の日常に密着したさまざまな情報が、これ1冊で得られる。
Volumes & issues:
Latest Articles
-
目次
-
-
-
論説
-
-
高齢関節リウマチ患者における1年後の新規腰椎椎体骨折発生率にかかわる因子
77, 4(2026);
View Description
Hide Description
関節リウマチ(RA)は,全身の関節の痛み,腫れ,こわばり,機能低下を特徴とする慢性の炎症性自己免疫疾患である.RA による進行性の関節障害は身体障害につながりやすく,関節障害の緩和と身体機能の改善が重要な治療目標である1,2).RA 治療は基本的に,臨床的寛解,構造的寛解,機能的寛解の三つを中心に展開されるが,腰椎椎体骨折(vertebral fracture:VF)も注目されている.健常者と比べRA 患者は,VF の発生率が1.5~2.4倍高いと報告されている3,4).VF は加齢とともに発生率が上昇し,VF のない例に比べVF のある例は死亡率が上昇するとされているため,予防は非常に重要である5,6). 日本人RA 患者におけるVF に影響する因子を検討した報告では,年齢に加え,疾患活動性,薬物療法,脊椎全長アライメント,機能障害指数(Health Assessment Questionnaire:HAQ)が抽出されている7,8).しかし,先行研究では健常者との比較や初回VF 発生のみの関連因子を抽出しており,RA 患者間の続発するVF の発生にかかわる因子を検討した報告は少ない.本研究の目的は,高齢RA 患者を対象に1 年後の新規VF 発生率にかかわる因子を検討することである.
-
-
経験と考察
-
-
骨粗鬆症性椎体骨折後の神経障害をきたす症例の特徴
77, 4(2026);
View Description
Hide Description
わが国において急激な高齢化に伴い骨粗鬆症の患者が増えつつあり,骨粗鬆症性椎体骨折(osteoporotic vertebral fracture:OVF)の患者も増加している.OVF に対する治療は,脊柱管内への骨片による脊髄圧排の有無や患者背景などさまざまな因子を考慮して選択されるが,まずは装具療法や薬物療法などの保存療法を行うことが多い.しかし,保存療法中に椎体の圧潰や偽関節による疼痛の遷延,神経障害などの合併症が生じることがある1~3).OVF 後の神経障害によって,遅発性麻痺を含めた神経症状を呈することで,日常生活動作(ADL)や生活の質(QOL)が大きく低下する可能性がある.OVF 後の遅発性麻痺に対する手術療法の報告は散見されるが4~6),神経障害に対する保存療法についての報告は少ない. 本研究の目的は,保存療法を施行したOVF 後に生じた神経障害をきたす症例の特徴について検討することである. -
橈骨遠位端骨折に合併する長母指伸筋腱皮下断裂の調査―内視鏡を用いた骨接合時における腱観察所見の検討を含めて
77, 4(2026);
View Description
Hide Description
橈骨遠位端骨折(DRF)における長母指伸筋腱(EPL)皮下断裂の合併は,『橈骨遠位端骨折診療ガイドライン2017』によると0.8~4.9%,掌側ロッキングプレ-ト固定術後となると最大30%に認められる1)とされ,発症要因には諸説ある.発症すると母指の伸展が困難となり,日常生活動作(ADL)上,不自由を強いるため再建術の適応となる.また医療者側は保存療法,手術療法を問わずDRF の治療当初から患者に合併発症の危険性を伝えておく必要がある. 本研究では,当科においてDRF に合併したEPL 皮下断裂に対して腱移行による再建術を行った症例の骨接合術の有無,発症時期や骨折型との関連を分析した.一方,昨今Nanoscope(Arthrex Japan 社)が腱の内視鏡検査として用いられていることが報告されている2).そこで本研究では,DRF 新鮮骨折の骨接合術時にEPL の状態を観察した症例の鏡視所見を検討し,本症の原因についても考察した. なお,本論文の臨床研究は当院の倫理委員会の承認を得ている. -
四肢閉塞圧センサ-を用いた止血帯圧設定の検討―上肢手術例
77, 4(2026);
View Description
Hide Description
止血帯は無血の手術野を確保することで安全かつ正確な手技を可能にし,手術時間の短縮にも寄与するため,四肢手術には不可欠な器具である.一方で局所での皮膚,筋肉,神経の障害,コンパ-トメント症候群,そして血栓症や塞栓症などの重篤な合併症を引き起こす可能性もある.これまでも効果的で安全な止血帯の使用法が,止血帯圧と使用時間という二つの視点から模索されてきた1~3). 適正な止血帯圧の設定については諸説あるが,その一つとして止血帯末梢で脈拍が消失する圧を計測し,その値をもとに止血帯圧を決定する方法がある. 当科では,上肢手術において指尖部に装着したセンサ-で脈拍が消失する圧を測定し,これを指標として止血帯圧を設定しており,本研究ではその有効性を評価することを目的とした.
-
-
誌説
-
-
-
経験と考察
-
-
ロボット支援人工膝関節全置換術は入院中の超短期臨床成績に影響を与えるか
77, 4(2026);
View Description
Hide Description
人工膝関節全置換術(TKA)は,変形性膝関節症に対する標準的な手術療法であり,疼痛の軽減および機能回復に有効であることが広く報告されている.TKA の術後成績は,インプラント設置の精度,下肢アライメントの再現性,さらには軟部組織バランスの適切な調整に大きく依存する1).従来のTKA(manual TKA:mTKA)は術者の経験や技量に基づいて施行されるため,骨切りやインプラント設置に一定の誤差や術者間差が避けられない2,3).一方,近年の医用工学の進歩により,ロボット支援TKA(robot-assisted TKA:raTKA)が臨床に導入され,その手術件数は増加傾向にある4,5).raTKA は,精度の高い骨切りとインプラント設置を可能とし1,6~9),アライメントの再現性に優れている1,8~13)とされている. 基礎研究において,raTKA はmTKA と比較して,大腿骨冠状面・矢状面,脛骨冠状面いずれにおいても骨切り誤差が有意に小さく,特に機械的アライメントの正確性に優れていることが示されている6).近年の臨床研究のシステマティックレビュ-およびメタ解析においても,raTKA はmTKA と比較して解剖学的アライメントおよび機械的アライメントの精度において優れていたと報告されている10).一方,術後臨床成績に関しては必ずしも一致した見解は得られていない.Hoeffel らのメタ解析では,raTKA はmTKA と比較して入院期間の短縮,自宅退院率の増加,再入院率の低下が認められたが,手術時間および手術室滞在時間は延長する傾向にあったとしている14).患者立脚型アウトカム,関節可動域(ROM),合併症発生率においては両群間で有意差がないとする報告が多い8,10,12). raTKA はmTKA と比較して骨切り精度およびアライメント再現性に優れるものの,臨床成績の優位性に関しては議論の余地が残されている.特に本邦における一般的な入院期間である術後2 週時点における臨床成績に関する報告は乏しい.そこで本研究では,raTKA が入院中の短期臨床成績に及ぼす影響について検討することを目的とした. 本研究は,Strengthening the Reporting of Observational Studies in Epidemiology(STROBE)ガイドライン15)に準拠して実施された後ろ向き観察研究である.本研究で使用したデ-タは当施設の医療記録より収集し,当院倫理審査委員会の承認を得て実施した(承認番号:24-R165). -
Reversed free tendon flap法によるアキレス腱再建術
77, 4(2026);
View Description
Hide Description
アキレス腱治療後再断裂もしくは癒合不全で陳旧化した場合,断裂端は退縮しているため欠損部を補塡する必要がある.手術方法は各種報告されているが1~3),その成績についての報告は少ない4).筆者は2007 年に陳旧性アキレス腱断裂に対し遊離腓腹筋腱膜移行術(reversed free tendon flap 法:RFTF)を発表した5).それ以降2024年までに59 例に施行している.本稿ではRFTF 法による再建術の適応と方法,ヒ-ルレイズ(HR)獲得を指標とする術後成績を報告する.
-
-
私論
-
-
-
臨床室
-
-
膀胱直腸障害をきたした脆弱性仙骨骨折の1例
77, 4(2026);
View Description
Hide Description
急速な高齢化に伴い軽微な外傷,あるいは明らかな外傷なしで発症する脆弱性仙骨骨折の頻度は増加し,入院治療例も増えている.重症例の早期離床のためには手術が必要であり,われわれは仙骨翼腸骨(SAI)スクリュ-を使用した腰仙椎腸骨固定の良好な手術成績を報告した1). 高エネルギ-外傷での仙骨骨折は,仙骨体部に骨折線が及ぶDennis 分類zone 3 骨折で膀胱直腸障害を合併する頻度が高い2).脆弱性仙骨骨折は転位が小さいため,Dennis 分類zone 3 骨折であっても膀胱直腸障害をきたすことはまれである.膀胱直腸障害をきたした脆弱性仙骨骨折の1 例を報告する.
-

