脳神経外科速報

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【専攻医奮闘記】「バズる」専攻医
35, 2(2025);View Description
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このたびは「専攻医奮闘記」第1号に選出いただき,大変光栄に思います.私は1994年に香川県で生まれ,2013年に大阪大学医学部医学科に入学いたしました.当初より外科医という響きに憧れを抱き,なんとなく外科系を志していたものの,学生時代は部活動やアルバイトに忙殺され,将来について深く考える余裕はありませんでした.しかし,講義で視聴した運動性失語症患者の動画が心に強く残り,しだいに脳の機能や構造に対する興味が芽生えました.臨床実習が始まり,脳に直接メスを入れ,治療に取り組む脳神経外科医の姿に感動し,脳神経外科医を志しました.その後2年間の初期臨床研修を経て,大阪大学脳神経外科専門研修プログラムに登録いたしました.
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目次
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特集【アプロ-チから学ぶ脳神経外科の歴史】
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【3】Orbitozygomatic approach
35, 2(2025);View Description
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通常の前頭側頭開頭では,眼窩骨や頬骨弓,側頭筋の存在によって,前方および下方の展開が制限されるところを,これら顔面骨の一部を適切に展開・切離することによって,通常の前頭側頭開頭では到達困難な部位に対しても脳への過剰なretractionを避けて到達可能とするのがorbitozygomatic approach (OZA)である.結果として,浅くて広い術野を確保できて,とりわけ脳深部にはまり込むような病変に対しては顕微鏡下にlook-up の視軸を確保することが可能となる.また,病変に対する操作性や視認性を向上させるのみでなく,病変を大きく露出させて一塊切除を可能とするなどの利点もあり,脳神経外科医にとってはその歴史を知るとともに習得すべき手術手技である. 開頭については3 つの手法が提唱されているが(図1),本稿では我々が主に行っているtwo-piece craniotomy に準じて,OZA の手技を概説する. -
【4】Anterior interhemispheric approach
35, 2(2025);View Description
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前半球間裂到達法は両側の前頭葉の間,interhemispheric fissureを剥離してその奥の構造物に到達する到達法である. -
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【6】Anterior transpetrosal approach
35, 2(2025);View Description
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Anterior transpetrosal approach(ATPA)は,1985 年に脳底動脈瘤に対するクリッピング術ではじめて報告された 1).中頭蓋窩より錐体骨先端部を削除し,上錐体静脈洞および小脳テントを切開して,中−後頭蓋窩を連続させることで,斜台錐体部から脳幹前面に到達する手術法である.特に斜台錐体部髄膜腫や三叉神経鞘腫などを適応に発展し 2),現在までに当院では400 例以上の症例に対してATPA を行ってきた 3,4).その過程で,より効率よく安全に行うために克服してきた課題がある. 手術適応・手順は多くの成書ですでに解説されているため,本稿ではATPA の,特に誕生から現在に至るまでの歴史的推移に焦点を当て,我々が取り組んできた工夫を踏まえて報告する. -
【7】Combined petrosal approach
35, 2(2025);View Description
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Petrosal approach は,脳幹腹側,錐体斜台部,視交叉後方病変に対して比較的広く浅い術野を得ることができる有用な到達法である.Anterior petrosal approach,posterior petrosal approach のいずれの場合も硬膜剥離を十分に行い,錐体骨を広く露出することが安全・迅速な錐体骨削除に不可欠である.本稿では,いくつかのpetrosal approach のなかで,大型錐体斜台部腫瘍の摘出を比較的安全に行うことができるcombined petrosal approach の手術手技について報告する.
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