ゲノム医学
すべての医家を読者対象に,ゲノム医学の最新研究成果から,未来的見地に立った医学的展望までを扱った、ゲノム医学領域のジャーナルです。
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特集【糖尿病とゲノム】
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単一遺伝子病とゲノム〜テーマ7.小児内分泌疾患〜
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先天性甲状腺機能低下症
9, 2(2009);View Description Hide Description先天性甲状腺機能低下症の頻度は出生3000〜4000人に1人とされる.原因は,主にホルモン合成障害あるいは甲状腺の発生異常である.10〜15%を占めるホルモン合成障害の多くは常染色体劣性遺伝形式をとるが,原因遺伝子として, 1.NIS, 2.PDS, 3.DUOX2, 4.DUOXA2, 5.TG, 6.TPO, 7.DEHAL1が同定されている.一方,80〜85%を占める甲状腺の発生異常(片葉〜無形成,異所性,低形成)はラテンアメリカ・コーカサス系人種,および女児(女性)に高頻度であるが散発例が多い.同定されている原因遺伝子は, 1.TITF1, 2.TITF2, 3.PAX8, 4.TSHR, 5.NKX2.5, 6.GNAS 1である.DUOX2およびTSHR 遺伝子異常症は常染色体劣性遺伝形式をとる疾患として報告されたが,優性遺伝形式をとる例の表現型は軽症とされる.日本人に高頻度に認められる遺伝子変異は,T354P 変異(NIS),H723R 変異(PDS),R450H変異(TSHR),R31C/H 変異(PAX8),およびC1058R/C1977S 変異(TG)である.遺伝子変異が同定されるケースは数%にすぎないが,原因遺伝子の解明は適切なホルモン補充療法および遺伝カウンセリングに大きく寄与すると考える.
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