眼科グラフィック
眼科専門医を目指す若手医師や開業医に向け、臨床で役立つ知識・技術を、豊富なカラー写真でわかりやすく解説。
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メイン特集 【知ってる術者が生き残る! 眼内レンズ選択 完全ガイド 2024】
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1 【1章 こんな症例,どうする?最適or / and 最適でなかった 眼内レンズ選択の実際】 ①単焦点眼内レンズも侮るな!注意を要するケ-スはたくさんある
13, 4(2024);View Description Hide Description眼内レンズ(intraocular lens;IOL)選択にまつわる術後不満の問題には,いくつかのパタ-ンがあり,①そもそもの屈折タ-ゲットが症例に合っていない,②タ-ゲットは正しくても,球面エラ-が生じた,③乱視矯正が不適である,そして,④多焦点IOLの場合はそれに加入度の問題などが入ってくる.多焦点IOLの適応や選択には熟慮を要することは,多くの術者が認識しているが,単焦点IOLにおいても,単純に正視か近方焦点かの選択だけでなく,両眼視機能を含めてさまざまに考慮を要するケ-スがある.その点で患者からの訴えがあるにもかかわらず,術者が気づいていないケ-スもしばしばみられる.ここで重要になるのは,言うまでもなく,術前屈折と,対象患者のこれまでの矯正方法,その矯正方法における患者自身の感じる過不足,術後に期待できる視機能(矯正視力)である.術前遠視,もしくは正視ケ-スでは,例外的な希望がないかぎり正視狙いでよいが,術前近視症例は,常用眼鏡の度数やコンタクトレンズユ-ザ-か否か,黄斑機能の高低など,バリエ-ションが多い.また,大きな落とし穴となり得るケ-スに不同視例がある. -
2 【1章 こんな症例,どうする?最適or / and 最適でなかった 眼内レンズ選択の実際】 ②さらに複雑,熟慮必須の多焦点眼内レンズ♯ 1
13, 4(2024);View Description Hide Description -
3 【1章 こんな症例,どうする?最適or / and 最適でなかった 眼内レンズ選択の実際】 ③さらに複雑,熟慮必須の多焦点眼内レンズ♯2
13, 4(2024);View Description Hide Description -
4 【1章 こんな症例,どうする?最適or / and 最適でなかった 眼内レンズ選択の実際】④さらに複雑,熟慮必須の多焦点眼内レンズ♯3
13, 4(2024);View Description Hide Description -
5 【1章 こんな症例,どうする?最適or / and 最適でなかった 眼内レンズ選択の実際】⑤思わぬ罠もある,ト-リック眼内レンズ
13, 4(2024);View Description Hide Description白内障手術後の患者満足度や視機能を考える上で,優れた裸眼視力を得ることが重要であり,屈折誤差が少なく,惹起乱視が制御可能となった現代の白内障手術では,残された課題は乱視矯正にあるといっても過言ではない.その意味でト-リック眼内レンズ(intraocular lens;IOL)が注目されるのは時代の流れであろう.さまざまな高付加価値レンズがある中で,術後不具合も少なく,患者満足度の高いレンズは,医師にとっても“ ロ-リスク・ハイリタ-ン” が期待できる優れた医療材料の一つでもある1).眼球回旋補正のために術前座位によるマ-キングが必要であり,術後回旋ずれを生じる可能性が考えられる(図1).通常の白内障手術を行う施設であれば導入に要する費用負担も少なく,今後さらなる普及が予想されている.しかしながら,JSCRSクリニカルサ-ベイランスによると,これまで一切使用していない先生方も少なくない2).やはり,ト-リックIOLの取り扱いに少々面倒なイメ-ジがあることが背景となっているのであろう.そこで,本稿ではト-リックIOLの実践的な理解を深めることを目的として,思わぬ罠に陥りやすい症例とどのように対処すべきかを概説して,実践的な観点から残余乱視に対する考え方も紹介したい. -
6 【1章 こんな症例,どうする?最適or / and 最適でなかった 眼内レンズ選択の実際】⑥ 百花繚乱,国内未承認の眼内レンズはこうして選べ
13, 4(2024);View Description Hide Description先進医療制度の効果もあり,国内における多焦点眼内レンズ(以下,多焦点レンズ)の認知度は広がった.近視や乱視などと異なり,老視はすべての人に訪れる加齢性の機能低下である.「老眼が治る」と聞いて興味を持たない高齢者はいないであろう.現在の多焦点レンズが最終形ではないにせよ,ある程度の精度をもって老眼鏡から解放されることも事実である.また,LASIK(laser in situ keratomileusis:レ-ザ-角膜内切削形成)やICL(implantable collamar lens:後房型有水晶体眼内レンズ)の普及により,外科的な視力矯正方法に対するハ-ドルが下がっていることも,老視矯正への期待値を押し上げる要因であろう.国内において使用可能な多焦点レンズが次々に認可され,通常の症例であれば承認レンズにて正視を目指すことがほぼ可能となっている.注意すべきは,多焦点レンズを使用すれば,近見視力は単焦点眼内レンズ(以下,単焦点レンズ)よりも良好になることは当然であり,それを持って「多焦点レンズの効果は出ている」という判断はすでに過去のものとなっている点である.海外に目を向ければ,毎年のように新たな設計の多焦点レンズが開発され,見え方の質を競っている.一方,国内で認可を受けている多焦点レンズの光学設計はすでに10 年以上前のものであることも多く,設計理論としては古いものであることを認識すべきであろう. -
7 【2章 白内障術者なら知っておきたい!眼内レンズ周辺の最新情報・定番知識】 ①海外輸入眼内レンズの最新知識
13, 4(2024);View Description Hide Description白内障手術の際に移植する眼内レンズ(intra ocular lens;IOL)の開発は年々と加速していっているように思われる.眼内レンズデザインは学べば学ぶほど深く,無限のデザインの可能性を感じる.特に,老視矯正眼内レンズは非常に複雑で,世界中の眼科医の興味を引くところである.日本国内でも老視矯正眼内レンズは複数ある.しかし,国内での承認作業には膨大な費用と時間を要し,比較的体力のある企業によるレンズでないと承認を得ることができない.近年では,日本国内での承認獲得にメリットを感じないということで,承認を取ることに積極的ではない企業も出てきている.いずれにしても,老視矯正IOLの開発回転が激しいため,国内承認を待つことができなかったり,承認が得られていなかったりするものも多い.しかし,手術を受ける患者にとっては承認のあるなしよりも,より良い視機能を得られるならば,未承認IOLを移植したいというケ-スも少なくない.今回は未承認IOLを中心に,そのレンズの特性などについて詳しくまとめたい. -
8 【2章 白内障術者なら知っておきたい!眼内レンズ周辺の最新情報・定番知識】②もう患者は知っている これくらいは知っておきたいICL の基礎知識
13, 4(2024);View Description Hide DescriptionLaser in situ keratomileusis(LASIK:レ-ザ-角膜内切削形成)は,2006 年に厚生労働省に承認された後,2008 年には症例数が年間45 万件まで増加し,近年はLASIK後の白内障患者が増えてきている. 本邦の屈折矯正手術はLASIKからICL(implantable contact lens)に移行しており,2022年には屈折矯正手術全体の中でICLの症例数が初めてLASIKの症例数を超えた.ICLは抜去すれば元に戻せる利点から手術を希望する患者が増えており,将来白内障になったときに近隣の眼科でICL抜去と白内障手術ができるかどうか尋ねる患者も多い.今後はLASIKだけでなくICL後の白内障患者も増えることが予想され,その際に白内障サ-ジャンが十分な知識を持って対応できることが求められる.本稿では屈折矯正手術の世界的動向や眼科医であれば知っておきたいICLの適応や長期成績,合併症,ICL後の白内障手術について述べる.
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